たんなる熱中?それとも依存?ゲームのやりすぎを心配するとき (おそい・はやい・ひくい・たかい No.107)

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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880496573

作品紹介・あらすじ

たんなる熱中? それとも依存? ゲームのやりすぎを心配するとき

はじめにの前に
親子のゲームバトルはますます混乱する 〈お・は〉編集部

はじめに 「ほどほどにやればいい」が、なぜ難しいのか?
岡崎 勝(〈お・は〉編集人/小学校教員)

父さん・お母さん、子どものデビューはいつ? どこから? 〈お・は〉的ゲームの四〇年史
監修 関 正樹(児童精神科医)/作成 〈お・は〉編集部

◇ゲーム×病気・障害
― 医療の面から見てみると

対談
手放せない! やめられない!! 子どもの姿に「ゲーム障害」の不安がよぎったら
関 正樹(児童精神科医) ×岡崎 勝(小学校教員)

ゲームのやりすぎは「病気」なの?
児童精神科医・関正樹さんに聞く①
Q 子どもがゲームをしはじめると、いうことを聞かなくなるのはどうして?

「依存」=ハマるのは、悪いこと?66 児童精神科医・関正樹さんに聞く②
Q 子どもが「課金」したいといったら?

それでも、「気になってしまう!」ときは

◇ゲーム×趣味・居場所 ― 当事者の語りから
いじめにあった私の「支え」になったもの 紀伊菜檎(会社員/イラスト作家)
不登校・ひきこもりからの「逃避先」として 吉岡真斗/仮名(会社員)

◇ゲーム×教育・スポーツ
― 社会と学校でいま起こっていること
座談会
ゲームもコンテンツ教育も「産業」として見る ― それはほんとうに「子どもの将来」のため?
岡崎 勝(小学校教員) ×土井峻介(元中学校体育教員) ×山本芳幹(フリーランス・ライター)

ゲームと親子の移り変わり
学校で求められる「ゲーム」にまつわる学び
「eスポーツ」に見るゲームとスポーツ

おわりににかえて 肝心なのは「夢中になる」こと
― 山田太一脚本「早春スケッチブック」より

感想・レビュー・書評

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  • 「ゲーム依存」系の本ばかり読んだので、バランス取るために入手。

    ゲームの種類や変遷、今後の動向、子どもにとっての役割などを具体的に功罪含めて広く細かく論じられている。
    個人的には「依存」言説先行に対する違和感、勉強や仕事ばかりやってる事との比較相対化、「プログラミング教育」などが面白かった。
    スマホ課金文化への違和とか、eスポーツ発展の先にあるゲーム社会のあり様とかも興味深かった。

    まあそんな心配しすぎないのと、家族関係を拗らせずそれなりに機能するようにしとく事が大前提だねというのが、なんとなく分かった(雑すぎ)

  • ゲームと子どもの関係について、とても参考になりました。

    家でも学校でもない、ゲームの中で人と出会い、回復していくことについて、とても納得できました。

    また、子どもにとってオンラインゲーム以外の楽しいことがなかなかないことや、大人たちも余裕がないことなど、子どもたちがゲームにハマっていくその背景にあるものの指摘がひとつひとつ的を得ているように感じました。

    「ゲーム障害」という言葉で片付けず、丁寧に紐解き、対応していくための足がかりを得るのにとてもよい特集でした。

  • ●愛知県刈谷市の午後9時以降スマホ禁止。保護者が子どもの管理が出来なくて、学校の威光を借りての対策。
    ●ICD-11 ゲーム障害の診断ガイドライン
    ●ゲームの面白さは、親の説教より勝る。
    ●これからの子どもたちが生きていくためにほんとうに必要なことが、教員にも見えなくなっているんじゃないのかと思うよ。労働のあり方が、過剰に進んだ情報化社会の中でどうなるかって、もっとじっくり議論したほうがいい。
    ●マンガでもロックでも、深く好きになれる人は、他のものも深く好きになれる。

  • ひきこもり家族からの相談を受けることが少なくない。
    それは、ゲームに熱中するお子さんに対する悩みと、ほとんどセットといっても過言ではない。
    そんな相談に対して、より良い支援ができるようにと手に取った書籍の一つで、とても為になった。

    2019年5月にWHOが認定したばかりのゲーム障害。
    当然医師による見解もまだまだ分かれる。医師によっては、真逆の診断になることすら珍しくないというのだから、一介の福祉職員が「きっとゲーム障害よ」「昼夜逆転の原因はゲーム障害だと思う」などと軽はずみに口にしてはいけない。
    しかし、そんな意見を聞く機会が少なくないからこそ、この本を読んだのだ。そして、一介の福祉職員が…などと言ってはならんという想いは、より強くなった。

    支援の視点、ゲームの知識など多くのことを得ることができた。
    その中でも、WHOのゲーム障害の診断ガイドラインを知れたことはとても大きかった。

    ガイドラインは以下の通り。
    ・①ゲームのコントロール障がいが認められる
    (開始終了、頻度、機関、プレイ環境、熱中度)
    ・②日常生活よりゲームを優先し問題が起きても止めることができない
    ※①②の状態が12ヶ月以上継続している

    このガイドラインを知ることができたので、今後ゲーム障害の相談があった際には、これに該当するかというものさしを持つことができる。
    支援者が、確かな情報をもとに新たな物差しを持つことは相談者にとって何より有益なことだと思う。(主観的なことしか言えない対人援助者はとても多い←私の主観w)

    最後に、当事者からのメッセージを引用する。
    『ゲームは避難所であり、明日の為の支えであり、目標や夢であったのです。その一部があったらか今日を生きられるのです。』

    本人の想いを知ろうとしなければいけない。
    本人の想いに寄り添うことが相談支援だ。
    軽はずみに「ゲームをやめさせなきゃ」などと言ってはいけないのだ。

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著者プロフィール

1952年愛知県名古屋市生まれ。小学校教員。フリースクール「アーレの樹」理事。〈お・は〉編集人。〈ち・お〉編集協力人。
著書に『仕事を辞めたい。職場で自分を守る最善の選択』(ジャパンマシニスト社)『学校再発見!――子どもの生活の場をつくる』(岩波書店)『センセイは見た! 「教育改革」の正体』(青土社)『子どもってワケわからん!』(批評社)ほか多数。

「2023年 『学校バトルを真面目に楽しむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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