国民国家と暴力

  • 而立書房
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880592640

作品紹介・あらすじ

冷戦が終結したからといって、戦争のない時代を人類は迎えることができたわけではない。必要なのは、政治的暴力にたいする新たな批判理論の構築である。近現代の政治的暴力の根源を問う。

感想・レビュー・書評

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  • 暴力とは政治システムとともにそのあり方を変えてきた、というのがこの本の主張。
    明確な領土やその国の成員である国民という考え方は国民国家の成立とともにあった。国民国家とは近代、特にウェストファリア条約以降に成立した統治システムである。それ以前は国民国家とは違い、中心的な都市が国家であり、それ以外は周辺や辺境であり、統治の及ばない場所であった。政治的な暴力は国民国家の成立とともに国家の外の敵に向けられたものから国家の中、つまり治安の維持へと向けられるようになる。その過程で暴力は国家が独占するものになる。
    ノルベルト・エリアスの暴力論とも通じる部分があると感じたのは私だけ?この本には引用無かったけど…
    戦争は国家がするものという考えや、警察による国家内の治安の維持という考えはどのように成立したのか、ということについて興味がある人、国家とは何かに興味ある人、オススメです。

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著者プロフィール

アンソニー・ギデンズ( Anthony Giddens )
1938年、イギリス生まれ。社会学者。ケンブリッジ大学教授などを経て、LSEの学長を務めた。現在はLSE名誉教授、イギリスの上院議員。著書に『親密性の変容』、『第三の道』、『社会学』など多数。

「2021年 『モダニティと自己アイデンティティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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