兄帰る

著者 :
  • 而立書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880592671

作品紹介・あらすじ

世間体、面子、建前、義理、人情!正論も本音も内攻する日本社会の「本質」をさらりと炙り出す傑作ホームドラマ!!第44回岸田国士戯曲賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 面白いのだが…この作品面白いでしょ、上手いでしょ、と言うのが裏から聞こえて来る気がした。
    これが岸田戯曲賞なのは、センスが悪い気がする。その年、他になかったのかね…。

  • 2002年12月26日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    前回の集中抗議で影響を受けて、ちょっとした戯曲ブーム。
    その中でも教授がプッシュしていた永井愛女史の戯曲をピックアップする。
    一見幸福そうに見える弟夫婦の家に、失踪していた兄・幸介が姿を現す。
    博打で身を滅ぼした過去を持つ幸介を姉・百合子も弟・保も厄介がるが、
    真面目に再就職をするという彼のためにコネを求めていつしか奮闘する。
    この戯曲の面白い点は、
    最初は控えめな幸介が徐々に存在感を増し、いつしか家庭の中心にいる点。
    次に、姉弟の敵意が幸介だけでなく、弟の妻・真弓にも及んでいく点。
    「鴛鴦夫婦」はどこへ行ったか、気が付けば保と真弓の距離はずっと遠い。
    一方、真弓と幸介との距離が縮まり、2人は必然的に孤立していくのである。

    しかし、そこで終わらないのが戯曲の戯曲たる所以。
    戯曲とはそもそもは舞台の台本なのであるから、
    小説のように読者の好き勝手に読み始めたり読み終えたりすることを想定しない。
    幕が上がったら、その時間内は観客を夢中にさせることが要求されるものなのだ。
    だから、短い中で話ががらりと変わる・・・飽きさせないためである。

    それにしても、この戯曲のラストは圧巻である。
    別に全く予想しなかった展開になるわけではないのであるが、
    「えぇっ、そこまで言わせますかっ!?」という台詞が飛び出してくる。
    面白い。

      「嘘吐きがどれだけ努力してるか知ってるか?」――『兄帰る』より 

  • 2010/03/20読了。
    嫌な話だなぁ…。

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著者プロフィール

1951年 東京生まれ。桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科卒。
1981年 大石静と劇団二兎社を旗揚げ。1991年より二兎社主宰。
第31回紀伊國屋演劇賞個人賞、第1回鶴屋南北戯曲賞、第44回岸田國士戯曲賞、第52回読売文学賞、第1回朝日舞台芸術賞「秋元松代賞」、第65回芸術選奨文部科学大臣賞、第60回毎日芸術賞などを受賞。
主な作品
「時の物置」「パパのデモクラシー」「僕の東京日記」「見よ、飛行機の高く飛べるを」「ら抜きの殺意」「兄帰る」「萩家の三姉妹」「こんにちは、母さん」「日暮町風土記」「新・明暗」「歌わせたい男たち」「片づけたい女たち」「鷗外の怪談」「書く女」「ザ・空気」「ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ」「ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…」「私たちは何も知らない」

「2021年 『鷗外の怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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