セイバーメトリクス入門  脱常識で野球を科学する

著者 :
  • 水曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880654775

作品紹介・あらすじ

「大切なのは、細かい数字を操作して理論を並べることではありません。客観的なデータとロジックという強力な道具を駆使して、野球の世界を新しい目線で見直して再発見することなのです」

アメリカ発祥の野球についての客観的な知見の探求=セイバーメトリクス(SABERMETRICS)
その要点を的確にとらえた、これまでになかった“最初の一冊”

感想・レビュー・書評

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  • データ野球の奥深いところまで議論がなされている。近年MLBではセイバーメトリクスが意識されており、メディアでも使う指標がどんどん増えている。しかしそれでも氷山に一角に過ぎず、事象を明らかにするためには様々な変数を考慮しなければならない。データ偏重になり過ぎず、またデータ分析が目的化しないように、勝つためには何をすれば明らかにすれば良いか、統計的思考の基本についても教えれくれた。

    ◯野球におけるセイバーメトリクスの基本的な考え方
    →大事なことはプレーがどのくらい勝利に寄与したのかということ。勝利への可能性を減らしうる戦術は今一度有効性とリスクを見直す必要がある。

    この点日本のプロ野球はメジャーリーグと比べ、経験値的を重んじ伝統主義的な考え方により過ぎており、大きく遅れをとっているかもしれない。悪く言えば、戦略的思考も欠けており、柔軟性もない。

    送りバントは有効か?
    →特にNPBでは送りバントは頻繁に見かける戦術だが、セイバーメトリクスの観点に立つと、ランナーを進塁させる代わりに打者が高確率でアウトになる戦法は、勝利
    という全体的な目的と照らし合わせると合理的な戦術とは言えない。送りバントが有効になるケースは、終盤に1点を追いかけるシチュエーションなどかなり限定される。

    盗塁は有効か?
    →盗塁に関しても同じことが言える。ランナーの盗塁成功率にもよるが、アウトになるリスクを考えると、状況をよく考えずに盗塁させるの危険。

    打順は試合に影響をもたらすか?
    →意外にも打順の組み合わせはそこまで試合結果を左右しない。もちろん極端な並びは影響しうるが、現在一般的と考えられている打順の枠組みであれば、多少の変更は誤差の範囲とも言える。もし細かく検討をするのならば、良い打者順に並べることが原則となり、中でも最強バッターは2番に置くことが良いとされている。この考えはメジャーリーグでは一般的になっている。

  • セイバーメトリクスの歴史と簡単な具体例についての本。割合計算と相関関係が分かれば大体読める。データの解釈による新しい理論がゲームにどう影響するのか楽しみである。

  • ○目的
    人事の評価や計画的人事を遂行するための参考として、野球で利用されているセイバーメトリクスの初歩を理解したい。

    ○感想
    さまざまなデータから指標を作成し、統計的アプローチを試みられており、やりたいこととそれなりに一致しているように思った。ホールコンの中のデータを上手く使って、マネージャーが配属先でどのような変化をもたらしたのかを見える化できたらよいかと思った。

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著者プロフィール

セイバーメトリクスの体系的な解説を行うウェブサイト『Baseball Concrete』を開設。米国での議論の動向なども追いかけている。2019年11月に『セイバーメトリクス入門 脱常識で野球を科学する』(水曜社刊)を上梓。

「2023年 『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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