日本のいちばん醜い日

著者 :
  • 成甲書房
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本棚登録 : 74
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880862163

作品紹介・あらすじ

1945年(昭和20年)8月14日から15日の二日間に発生した「8・15宮城事件」、世にいう「日本のいちばん長い日」-徹底抗戦を叫ぶ陸軍少壮将校たちが昭和天皇の玉音盤の奪取を謀って皇居を占拠したとされるクーデターで、森赳近衛師団長が惨殺される。この惨殺はなぜ決行されたのか?いつ、どこで殺害されたのか?遺体はどう処理されたのか?膨大な史料と格闘しながら真相を追っていくうちに著者は、この事件が巧妙なシナリオにのっとった偽装クーデターであることを発見した。この日本という国に、依然として残る巨大な「タブー」に敢然として挑戦する。

感想・レビュー・書評

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  • 「8・15宮城事件」が偽装クーデターだと
    立証しようとする研究をまとめたものである


    この本によると

    自決のはずだった近衛師団長がクーデターへの
    参加を拒否したため惨殺されたとすると同時に
    クーデターの引き金とされる事件
    それが玉音盤の放送を阻止しようとするクーデターである


    戦争終結に向けて上手に終わりたい天皇派と
    本土決戦に持ち込んで筋を通したい若手将校達
    その若手将校達をうまく使って天皇安泰を測る私利私欲に
    この事件を企てる天皇派と吉田茂達とアメリカ軍
    そしてアメリカ政府を操る国際金融組織が群がって暗躍する


    無条件降伏という取引の陰で2つの原爆投下の計画が糸をひく
    三笠宮達による終戦工作が紆余曲折したこのクーデター
    結果として戦後の天皇派は膨大な財産もろとも安泰となり
    その陰で無謀な戦争に反対し精神性を重んじた人々だけが
    戦犯として処刑されるという理不尽な戦後となった


    建前の歴史の陰に隠された本質が
    あからさまに報道される事は無かったが
    それをバーガミニとブルークスが学者として掘り起こす
    「天皇の陰謀」が本となって出版されるが力尽くで抹殺される
    天皇の陰謀を元に研究しなおしたのがこの本となって世に出た


    鬼塚の研究は維新と成れなかった明治維新に始まり
    戦後の日本に至るまでの政治の裏にある真実を
    世間に晒そうとして世に問うたのが天皇シリーズである


    作家・鬼塚英昭は中央大学法学部に学び
    歴史書・「海の門」「石井一郎の障害」「豊の国の竹の文化史」
    「20世紀のファウスト」などを著したのに続き
    1955年天皇九州巡行時の別府事件との出合いに端を発し
    歴史ドキュメント「天皇のロザリオ」「天皇の陰謀」を描き上げる


    特に381ページ 秘の章
    「太平洋戦争はどうして起こったか」以降が目を引く
    太平洋戦争を WhyでなくHowの検知から評価すると
    戦争のなんたるかが見えてくる


    それにしても自分の倫理観を捨て去って
    糸の切れてしまった理不尽な行為に自ら疲れ果てないのだろうか
    勝てば官軍負ければ賊軍に酔いしれて
    自分が吐き出したゴミの山に暮らすことに
    いつまで絶えられるのだろうか
    更にいつ賊軍に追い落とされるともわからない状況を
    作り出している自分にいつ気付くのだろうか

  • ふるさと多度文学館----県立図書館。

  • 内容紹介
    1945年(昭和20年)8月14日から15日の二日間に発生した「8.15宮城事件」、世にいう「日本のいちばん長い日」―徹底抗戦を叫ぶ陸軍将校たちが昭和天皇の玉音盤奪取を謀って皇居を占拠したとされるクーデターで、森近衛師団長が惨殺される。この惨殺はなぜ決行されたのか?いつ、どこで殺害されたのか?遺体はどう処理されたのか?膨大な史料と格闘しながら真相を追っていくうちに著者は、この事件が巧妙なシナリオにのっとった偽装クーデターであることを発見した。この日本という国に、依然として残る巨大な「タブー」に敢然として挑戦する「危険な昭和史ノンフィクション」の登場

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著者プロフィール

鬼塚 英昭 1938年大分県別府市生まれ。別府鶴見丘高校卒業後、上京。中央大学法学部で学びながら数多くの職に就く。学費未納で中退後、故郷・別府にて家業の竹細工職人となる。傍ら、国内外の膨大な史資料を渉猟・読破、関係者にも精力的に取材を重ね、郷土史家として私家版の歴史書を上梓。その後、タブーを恐れぬ問題作を次々に公刊、昭和天皇の隠し財産を暴いた『天皇のロザリオ』、終戦史の暗部に斬り込んだ『日本のいちばん醜い日』などで多くの先鋭的な読者を獲得、インターネット上の論戦を巻き起こした。その陰には超人的な読書量があり、郷土・別府での焼酎と珈琲をこよなく愛す毎日があった。2016年1月25日急逝。

「2016年 『田中角栄こそが対中売国者である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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