八百長恐慌! 「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ

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  • 成甲書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880862385

感想・レビュー・書評

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  • 金融恐慌は仕組まれたという論調で書かれた本です、本当かどうかわかりませんが、今回のサブプライムローン事件で、損失問題がおきていない会社(ゴールドマン・サックス)があるというのは不思議です。だからと言って八百長が起きていたと考えるのは早計かもしれませんが、ひとつの考え方として読み物としては面白かったと思いました。

    あと何年かすれば、サブプライムローンについても真相が序々に明らかになると思いますので、今後の楽しみの一つにしたいと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・証券会社は、扱う商品が証券・株式から、商品取引(原油、金、農作物等)へと変化している(p28)

    ・アメリカ財務省の長官の多くはゴールトマンサックスのCEOから出ていて、サブプライム惨事での損失がほとんどなく、2007,2008年度も利益を上げている(p32)

    ・原油価格下落のために、中近東のドルがイギリス経由でアメリカに入りにくくなった、これがアメリカの経常赤字を増やしている、そのためニューヨークの株価の下落が起きた(p39)

    ・911以降に米国長期証券投資を増加させたのは、トップが英国、その次が中国である、オイルマネーが英国経由で米国証券市場で運用、さらにカリブにあるヘッジファンドを経由して米国に投資されている可能性がある(p41)

    ・金デリバティブによる最大の被害をこうむったのは、米国銀行で、JPモルガン、チェース・マンハッタン、シティバンク・バンカメであった、この損失は、9月12日に償還期限がやってくる1200億ドル分のブレディ債が911事件で消えた(p48)

    ・英国中央銀行であるイングランド銀行は、巨大複合金融機関として16社(蘭、英、スイス、仏、米)を発表した(p50)

    ・サブプライム証券を売るために、格付け会社とモノライン会社(住宅ローンを保障する)が協力した(p77)

    ・2001年12月に破産したエンロンは、タックスヘイブンを舞台に裏金を作り出して、株価を高騰させて、利益を水増ししていた、これを影で操っていたのがゴールドマンであった(p87)

    ・アメリカのデラウェア州は、匿名による企業経営の自由、財務勘定の公開不要、株主の秘密性、売上税・相続税なし、等のメリットがある、従ってシティバンク等がどれだけ儲けたかの財務勘定を公開しなくてよい(p92)

    ・2006年11月に発表した会計基準(ルール157)は、ネズミ講を隠すために用意されたものである(p101)

    ・911事件で儲けたのは、HSBC・バークレイズと連なるロンドン・シティである、911後には、巨大マネーがロンドンに流れ、そこから世界各国に流れていくように変化した(p111)

    ・イギリスでは、2007年9月に140年ぶりに預金の取り付け騒動が発生した(p115)

    ・ロシア国債のデフォルトは、標準偏差10個分(数百億年に1回起きるかどうか)の現象、今回のサブプライムローンは、100年に1回の問題と言われている(p254)

  • 市立図書館にあり

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著者プロフィール

鬼塚 英昭 1938年大分県別府市生まれ。別府鶴見丘高校卒業後、上京。中央大学法学部で学びながら数多くの職に就く。学費未納で中退後、故郷・別府にて家業の竹細工職人となる。傍ら、国内外の膨大な史資料を渉猟・読破、関係者にも精力的に取材を重ね、郷土史家として私家版の歴史書を上梓。その後、タブーを恐れぬ問題作を次々に公刊、昭和天皇の隠し財産を暴いた『天皇のロザリオ』、終戦史の暗部に斬り込んだ『日本のいちばん醜い日』などで多くの先鋭的な読者を獲得、インターネット上の論戦を巻き起こした。その陰には超人的な読書量があり、郷土・別府での焼酎と珈琲をこよなく愛す毎日があった。2016年1月25日急逝。

「2016年 『田中角栄こそが対中売国者である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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