他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ ―リバータリアン政治宣言―

  • 成甲書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880862743

作品紹介・あらすじ

反・官僚支配、反・重税国家、反・過剰福祉、反・金融統制-M・サンデル教授らと闘う思想。アメリカで一大旋風を巻き起こしているリバータリアニズム思想運動の旗手、ロン・ポール連邦下院議員の政治思想書。

感想・レビュー・書評

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  •  この本に書かれていることは、普通のアメリカ政治の本には書かれていない(もしくは勉強不足だったのかも知れませんが・・・)ことがたくさん書かれています。

     現在の右傾化しつつある日本の政治や官僚統治の向かっている方向を知るにはこの本は必読の書である。ここに書かれている状況が、日本にも相当当てはまる状況になるからである。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――
    私の言いたいことは、企業家たちも、他のすべての人々と同じように自分たちのためになるように「政府の介入」を利用したがるということだ。

    経済史学者のバートン・フルサムは、企業家を、市場を背景にした者と、政治を背景にした者とに分類した。48
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    「経済学は、権力者たちの自惚れに対する挑戦である。経済学者は、独裁者や扇動的政治家のお気に入りの存在に絶対になってはならない。独裁者や扇動的政治家にとって常に目障りな存在になるべきである。彼らが内心、こいつの言うことは一理あると思えば思うほど、彼らはその経済学者を嫌うからである」とミーゼスは言った。実際ナチスはミーゼスのことを嫌っていた。85
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    これは古典的な話である。建国の父たちが教えてくれる通り、政府に対して懐疑主義で臨むのは自然かつ当然なことである。94

    どうして政府は我々を監視しているのだろうか。政府は我々の下で働いているはずだ。104
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    MZMと呼ばれる通貨供給量を表す指数によれば、ITバブルが弾けた後、二〇〇一年に景気が後退してから増加した住宅ローンの総額は、連銀が増加させた通貨供給量とピタリと一致する。150
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    人々がその返済ができないほど多くの豪華な家が建てられていった。しかし、それだけの富は最初から存在しなかったのである。

    富は、労働と貯蓄、そして何かを犠牲にすることでしか生まれないのである。161
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    アメリカの過去の経済破綻は、(中央銀行が存在する、しないにかかわらず)銀行の信用拡大によって導かれているのである。173
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    楽観的に考えて、「こんな候補者でも良い点もあるだろう」と支持する。そして結局、この国は何も変化しないのである。178
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    現在の共和党の運動の多くは、かつて保守派と呼ばれた人々の猿マネでしかない。

    今では知性主義と別れを告げ、ただやみくもに愛国心を煽るだけの政党になってしまった。179
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    ウォルフォウィッツの発言を次のように報道している。「イラク侵攻のもう一つの理由はあまり知られていないが、非常に重要だ。それはサダム・フセインを追放することで、アメリカ軍をサウジアラビアからイラクに移すことである。サウジアラビアにアメリカ軍が駐留していることが、アルカイダの大きな不満だからだ」196
    ――――――――――――――――――――――――――――――

  • 現役アメリカ議員による政府主導政治・大きな政府を批判する本である。1970年からアメリカが凋落していく原因は無制限に刷りまくる紙切れ(ドル紙幣)と規制による生活コスト、製造コストの上昇であると断罪している。

    不換紙幣の問題にも触れている。ニクソン・ショックにより、金本位制でなく、不換紙幣となってしまったドルを刷りまくる現在の制度はインフレとバブルを引き起こし、民衆の富を静かに奪っていくことは、国家による隠れた税金であると断ずる。また、元FRB議長のグリーンスパンがかつてロン・ポールと同じく実物を基本にした通貨制度についての優れた論文を書いていたが、コメディアンのジョン・スチゥアートの番組にグリーンスパンが出演した際に、コメディアンから「どうして私たちは連銀か゛必要なのでしょうか。他の品物と同じように金利を市場で自由に決めることはできないのでしょうか?」と質問した時、グリーンスパンが回答に困って早口で答えにもならないことをしゃべり続けたというクダリには、全くもってブラック・ジョークなのではないかと思った。
    アメリカのティーパーティとはTax Already Enough paid の意味で
    その本当の姿はリバータニアンであるとのことだ。
    その主張は(1)大きな政府に反対する
    (2)国の税金、支出、借金を減らせ。
    (3)連邦政府がアメリカ合衆国憲法に違反しないこと。
         だそうだ、やっとティーパーテイーの理論的支柱が理解できた。

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