- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784881082058
感想・レビュー・書評
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とても良かった。
名画の一部を変更したものを用意して、比較する事でオリジナルの絵画の良さを素人にも分かりやすく説明してくれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
開始:2023/1/28
終了:2023/2/12
感想
名画を論理的に解剖する。野暮な試みかもしれないが才能のない我々にはありがたい。何気なく見ていた名画は実は計算され尽くしている。 -
◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA89666622 -
数々の名画を、「構図」の角度から、何故それらが名画と言われるか、その所以を探る一冊。
主題でも、画家でもなく、構図という視点で美術を追究するのも面白いですね!
この本のすごいところは、本物と、その作品から配置・色合い・モチーフの大小・角度・余白のスペース、など、一部を変更した「ニセモノ」をわざわざ作り、その2点を「どちらが迫力を感じるか」「どちらが儚さを感じるか」などと比較することで、その名画の効果を説明している点。
これは、かなりの労力を割いていると思う。比較することで、改めて名画の良さを感じることが出来る。
作品は、ダヴィンチ「モナリザ」、ゴッホ「糸杉のある道」、ミレー「晩鐘」、北斎「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」、モーゼス「家でのクリスマス」、モンドリアン「ブロードウエイブギウギ」、モネ「四本の木、ポプラ」、セザンヌ「林檎のカゴ」など。
例えば、モネの「四本の木、ポプラ」は、地平線の高さが黄金比より比率を変えることで、お洒落でスタイリッシュな印象に感じる。
また、セザンヌ「林檎のカゴ」は、果物をパラパラ配置するのでなく、白い布やカゴを使って、モチーフをグループ化してまとめることで、構図をスッキリさせる効果にしたと。
そして、ゴッホ「糸杉のある道」は星、糸杉、月を等間隔にするのではなく、「力を集めたいところ=糸杉と月」にモチーフを近づけることで画面に緊張感を与えている、など。
読みながら、なるほど!と楽しみながら美術を鑑賞することが出来た。
そうそう、文中にも取り上げられた、絵描きおばあちゃんことグランマモーゼスの展示が現在開催されています。行かなきゃ!
(70歳で絵を描き始め、たまたま絵を飾っていたドラッグストアでコレクターの目に留まり、80歳で初個展を開いたそう。すごいですよね!)
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西宮図書館で借りる
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723-U
閲覧 -
絵画の構図をいじってみることで,元の構図の仕組みを示した本。週刊誌の連載か定期購読のやつを1冊でまとめたものと考えればいいと思う,1回読み流せば十分かと。オールカラーで多くの絵画が見れる点は良い点。
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巨匠の名画を敢えて加工し対比させる事によって、観る者に
違和感を抱かせる。
「構図の基本形」「構図の組み立て」「主役の引き立て」
「人体のメッセージ」の4編から構成されている。
例えば、「竹久夢二の京の舞妓」の鴨川べりの舞妓さん、
「葛飾北斎の冨嶽三十六景 凱風快晴」の赤富士を”右流れ”
にするか”右受け”にするかで安定感が違ってくる。
右受けを「正」とするのは、身体の構造とシンクロしてるという。
写真撮影の面からも、この構図の概念は非常に参考になる。 -
構図が生み出す感覚を全部理解できたわけではないが、納得できるものも多く、わかりやすかったと思う。
絵画の見る目が豊かになる一冊 -
万人が知る名画も、ちょっとした編集ひとつで絵画が人に与える印象がまるで違ってくることを事例をもとに次々と突きつけてくる構成。面白かった!
絵画を見るときだけではなく、いかに自分が表現するか?という場面になった時も有用だろう。
ただ、残念ながら後半は新規性があまりなく、読んでいる時のワクワク感は正直薄れてしまった。