発達とは矛盾をのりこえること

著者 : 白石正久

• 全国障害者問題研究会 (1999年8月1日発売)

感想・レビュー・書評

[たくひとさんの感想 · 2013年4月1日]

障害児と関わるということに関して、自分の基本スタンスはあっても、どのような関わりが正解というものはないと思う。障害児保育とは難しいものだが、本書ではそんな中特に難しい部分に焦点を当てて語られている。
子どもたちが抱える内的矛盾、それはその子の発達段階にも、環境にも、関わる人によっても、さらにはその日の体調や気分によっても表出のされ方は変わってくるだろう。本書の事例等を読んで、実際目の前にいる別の子を理解できるとは思えない。しかし、それでもその矛盾も含めて、その子の内面を理解しようと試み続けることが大切なことだろう。その方法のヒントを多々示してくれている一冊である。