RAIL WARS!―日本國有鉄道公安隊 (創芸社クリア文庫)

著者 :
  • 創藝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784881441503

作品紹介・あらすじ

「電車内で痴漢が逃走したらどうする?」「もちろん射殺する!」桜井あおいは即答し、俺は頭を抱えた。超巨大優良企業・國鉄に就職し、安定した将来を夢見る平凡な高校生、高山直人。そんな俺が研修で配属されたのは、男嫌いの桜井をはじめヤバい奴だらけの「鉄道公安隊」だった!しかも、國鉄の分割民営化を企む過激派「RJ」まで暗躍し…どうなる?俺の人生設計!コクテツが分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテイメント!定刻通りに出発進行。

感想・レビュー・書評

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  • 世界観は現代日本。
    っと言っても国鉄が分割民営化されなかった世界線のお話w

    僕は鉄道属性皆無ですが、このお話は面白かったなぁw
    ラノベ特有の萌え萌えしさは控えめ。
    イメージで言うと硬めの電撃単巻みたいな雰囲気ですかね?

    国鉄職員を目指す主人公が、倍率の高い国鉄研修の権利をゲット。
    ただしその研修先は希望にそぐわない公安隊。
    血反吐を吐くほどキツイ訓練と研修の中で、
    主人公が学び、手に入れるものは…的な物語?

    王道ではあるのですが、
    あまり最近のラノベに浸ってない感じの作者さんでしょうか?
    すっきりしてて読みやすかったです。

  • 鉄道オタクじゃなくても十分に楽しめる鉄道警備研修青春物語.国鉄が民営化されなかったという設定で,民営化推進の過激派と戦うというのが軸.トンデモ設定先行ネタものかと思いきや,政治との癒着や税金無駄遣いの批判,敷地内でのみ警察権をもつ公安部隊と,そこまで無理のない世界観で意外に違和感がない.主要な4キャラそれぞれが持っている才能もはっきりしていてよかった.個人的には,もう少し財政や政治部分を増やして欲しかったけど,ラノベとしてはこんなもんで十分かも.
    中盤当たりでトリックも含めてネタが読めてしまう単純な展開.古き良きツンデレキャラや,ちょっとした推理劇,ストレートな正義感の表現などなど,ほんの少し前まで流行っていたラノベの要素がいい感じで盛り込まれている.昨今の奇をてらったラノベが多い中では逆に安定株なシリーズ.

  • 国鉄が民営化されてなかったらという「if」の世界を表現したラノベ。
    そこには国鉄を民営化しろという過激派とそれを守る鉄道公安隊の戦いを描く。

    これだけ書くとバトルものと思われるかもしれないけど、ラノベのノリを残しつつ、確立されたもしもの世界をしっかり表わしていて展開も面白い。
    若干の中だるみがあったので☆5にはならないけど、伏線もあって楽しめましたしキャラも充実してました!
    すべて平均点の鉄ちゃん(主人公)、体力バカ、頭脳明晰な娘、痴漢が逃走したら射殺しますという娘、タレント揃いですね。
    表紙買いの1冊だったんで満足感が大きかったですね。

    あと、この文庫って聞かないけどちょっと気にしてみたいですね。

  • 最初にことわっておきますが私は鉄属性ゼロです、通勤の足としか認識してません。そんな私でもこの作品は楽しく読めました、何というか正統派です。過剰な萌えもハーレムも無く超能力的なチカラも出てこない、安心して読めます。

  • 「電車内で痴漢が逃走したらどうする?」「もちろん射殺する!」
    紹介文のこの一節だけで吹いた。ありそうでなかった⁉「鉄道系ラノベ」。作者さんは「電車でGo!」の広報をしてた方だそうな。国鉄が分割民営化されずに現代になったら?というif設定もさることながら、そこで鉄道公安官という目の付け所は流石というか何というか。必然、鉄道の世界を舞台にしながらも、ノリとしては警察ものに近い。更に言うなら凄く「パトレイバー」な雰囲気である。ほんわかしてそうで実は鋭い上司、ってまるで後藤隊長だなぁ…。主人公たちメインキャラ4人も、さしずめ遊馬、進士さん、太田さん、香貫花、という役どころか。「問題児揃い⁉の半人前のチームで事件解決」という辺りも近いものを感じる。
    キャラの描かれ方としては、割にお約束というかテンプレの域を出ない感じではあるが、鉄ちゃんならその辺が瑣末なことに思えるくらい、この「國鉄」の世界観にニヤニヤしてしまうのでは。バリバリ活躍する国鉄型車両(まさかのEH10!)、鋼製車体の「233系」(作者さんも209系以降の走るンですシリーズはお嫌いなようだ)、EF66の正統進化形⁉「EF68」とか、車両だけでもニヤニヤが止まらん(笑)。巨大組織「國鉄」の現状とか過激派との対立だのまでネタが及び、国鉄民営化とかJR(主に東日本)への壮大な皮肉にすら見えてきて、少々違う意味でも笑えてくる。バーニア600氏のイラストも、細部に至るまでツボを押さえていて良い感じ。
    これはかなり「鉄ヲタホイホイ」な怪作。

  • 前作「僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない」がほのぼのトラベル系だったのに対して今作はいきなり國鉄だの公安隊だもんなぁ、かなりぶっ飛んでていいw

    もし現代でも国鉄のままだったら・・・という世界で、主に東京駅を舞台に公安隊でOJTをするハメになった主人公と登場人物たち(基本的にネジが飛んでる)のバタバタを描いている。
    妙にリアリティある分、いきなりテロ組織と戦ったりすると「なんでやねん!」ってツッコミそうになった。どちらかと言えば頭空っぽにして楽しむ作品。

    なお今回も鉄に詳しくない人でも安心して読める仕様になってる。

  • 鉄道について詳しくありませんが、著者の103系全車塗装に対する愛情は しかと受け止めました。

  • もし、国鉄が分割されずにそのままだったら……という思いつきをスリリングに発展させたお話。
    創芸社クリア文庫創刊ラインナップの2つのうちの1つだけあって、なかなか気合いの入った作品。お話も絵もガッツリ楽しんだ。
    メインとなるのは国鉄公安隊で、雰囲気としては軍モノに近いのだけど、あくまで鉄の部分は忘れてない感じがいいアクセントになってるし、つーかそもそもそれこそが武器かw
    続き、楽しみに待っていよう。

  • 国鉄が現存している世界のお話。
    廃線0の設定だけど、路線を増やす方はどうなってるんだろう。
    新幹線は札幌から鹿児島まで通ってるらしい。
    リニア計画はどうなってるのかな。
    廃線0の設定で、赤字経営の国鉄が路線増やすことはできるだろうか。
    そしてそこまで鉄道網が残ってるなら、自動車側の路線もいろいろ違ってるんじゃないかな。
    鉄道の代わりにバスみたいなところも多いし。
    なまじ現実とリンクした設定だけに、その差が気になってしまう。

  • 鉄道公安と鉄道警察の区別に
    舞台設定を楽しむしきいが高い
    そういう舞台設定にからむ薀蓄を置いて
    職場ものとしてはだいぶん弱い
    この本とは関係ないが
    「敷居が高い」は誤用とかそういう問題でなく
    「閾値(慣用でしきいちと読みまた値を略す)が高い」の
    言い換えなのでは

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著者プロフィール

2011年、集英社より「電車で行こう!」シリーズで小説家デビューを果たす。「駅に泊まろう!」(光文社)など多数の鉄道小説を執筆中。
最近はずっと旅に出ていることが多くなり、このままだと家にいる時の方が少ないかもしれない。
「Exp」シリーズも二巻目となりました。
引き続き、よろしくお願いいたします。

「2022年 『RAIL WARS!Exp 人型重機は國鉄の夢を見るか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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