エル・カミーノ(道) (名作の発見)

制作 : Miguel Delibes  喜多 延鷹 
  • 彩流社
4.25
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本棚登録 : 8
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882026365

作品紹介・あらすじ

少年の息づかいが聞こえてくる、山村での甘酸っぱく、ほろ苦い青春、そして日々の生活。ベストセラー作家が描く文学史にのこる“スペイン版スタンド・バイ・ミー”。——「この小説はドン・キホーテ以来受け継いできたスペイン文学の伝統を引き継いだものである。主人公に立身出世を望む父。その主人公も金持ちの娘ミカに憧れ、年が十も違うのに結婚さえ望む。これらを理想主義の象徴とすれば、この村に止まり、ガキ大将ローケの下に庇護されて、楽しく子供として過ごし、やがてはソバカスだらけのウカ・ウカをお嫁さんにしようか、という現実主義、この二つが主人公の心の中で絶えず戦いながら、最後にウカ・ウカによって、現実主義と理想主義の統一を暗示する構成になっている。また、悪童三人組が繰り広げるいたずらの数々、ガキ大将ケーロの逞しさはピカレスク小説の祖『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』を彷彿させるものがある。」(訳者あとがき)

感想・レビュー・書評

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  • 翌日から都会の学校へ行く少年が、小さな自分の村での出来事を回想する少年成長物というかスモールタウン物。

  • 主人公の回想という形で語られた、スペインの小さな村の出来事、色々な人生模様を描いた小説。
    パウロ・コエーリョの「アルケミスト」と並んで、一生の本になるかも! っていう読みごたえがありました(*´∀`)
    登場人物みんなに強烈な個性・存在感があって、でもけっしてドタバタ劇ではなくて、淡々と日々は過ぎていくところがリアルというか。
    日々のとりとめのない出来事を通して主人公は色々なことを感じ、考えて成長していく。
    誰もみな人生を思いの通りには生きられないけど、だからって生きることは苦痛ばかりじゃない・・・解説にもあったように、イタリア映画を見ているようなストーリーでした。
    というか、映画になったら観たいなあ〜。「クリクリのいた季節」みたいな感じで。ってあれはフランス映画でしたっけ。
    この本を読んで感じたことをうまくまとめることは、まだできそうにありません。
    それだけ印象の強い作品でした。今はまだ受け皿をはみ出している状態というか、余韻が強すぎているというか。
    とりあえず、ウカ・ウカはひたすら応援したい存在でした。そういう意味では、主人公の母親の心情に近いのかも(*´艸`)

  • 街の上級学校に進むため村を離れることになったダニエルが旅立ちの前夜、今まで過ごしてきた村での様々な出来事を回想する。

    ダニエルとローケとヘルマンの悪童3人組のさまざまないたずら、個性的な村人たちのエピソードをある時は10歳のダニエルの視点、またある時はおそらく成人したダニエルからの視点でつないでいく。

    個性的な村人たち、悪童たちの微笑ましいいたずら、ちょっとほろ苦い初恋。ダニエルが村に別れを告げる日が近づいたとき、ある事件がおこる。

    二度と戻って来ないものがあるということを知って、ダニエルは少年から大人になっていく。真っ只中にいる時は気がつかなかった、少年時代への思いを抱いてダニエルは旅立ちの朝を迎えるのだった。

    スペイン北部の小さな村の生活が飾らない言葉で描かれているが、その底には過ぎ去った日々へのほろ苦い郷愁が流れている。

    紹介文にはスペイン版「スタンド・バイ・ミー」とあったけど、少し違うような気がした。

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著者プロフィール

(Miguel Delibes)
1920年、スペインのバリャドリッド生まれ。2010年、バリャドリッドの自宅で逝去。1947年に『糸杉の影は長い』でナダル賞を受賞。それ以後、幅広い文学活動により数々の文学賞を受けている。カスティーリャ地方を舞台にした作品が多いが、代表作として『糸杉の影は長い』『マリオとの五時間』『赤い紙』『異端者』などがある。

「2011年 『落ちた王子さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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