マリオとの五時間

  • 彩流社
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882029113

作品紹介・あらすじ

心臓病で急死した夫マリオの亡骸を前に、時空を越えて途切れることなく連綿と語る妻の心理を緻密に描き出し、人間の孤独に鋭く迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 誰よりも分かって欲しい人が、耳を傾けてくれるのを待ち続ける。それがその人の死後だなんて悲しすぎる。
    死者以外に心を受け止めてくれる人がいないなんて悲劇だ。

    異なる価値観が交わる時代の恐ろしい葛藤を感じた。

    正直一人称のパートがしんどくて、ほとんどとばし読んでいた。

  • 大学(?)教授の夫が心臓まひで突然死んでしまった。約30年にわたる結婚生活の間心を通わすことのなかった妻が夫の遺骸に向かって思いのたけをぶちまける5時間を描く。

    時間系列の順序関係なく奥さんの愚痴が延々と続く。はっきり言って途中で投げ出したくなる度90%。でもがまんして(笑)読み続けていると2人と2人の家族、友人達の間に起きた様々な出来事があぶり出しの様に浮き上がってくる。
    そして妻の典型的な保守的なスペインの中流層の考え方といわゆる共和派(夫)の思想の齟齬を埋められず終わった2人の生活が浮き上がってくるんだけど、これってちょっとだけ身につまされるようなそうでないような(苦笑)。

    スペインの国民的作家の作品だけど、スペインの近・現代史を知らないと苦しい気がした。

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著者プロフィール

Miguel Delibes Setién (1920-2010)
20世紀のスペインを代表する作家の一人。
『糸杉の影は長い』(1947年:岩根圀和 訳、2010年、彩流社)で
ナダル賞を受賞し文壇登場。自然の中で伸び伸びと生きる
子どもたちを描いた『エルカミーノ(道)』(1950年:喜多延鷹 訳、
2000年、彩流社)で確固たる地位を得た。
以後、家族・子ども・自然・死をテーマに、独自のスタイルで
数多くの作品を発表し、セルバンテス賞を始め、多くの文学賞を獲得した。
時期的にはフランコの厳しい検閲(1940-1975年)と重なるが、
検閲を巧みにかわし抵抗した『ネズミ』(1962年:喜多延鷹 訳、
2009年、彩流社)や『マリオとの五時間』(1966:岩根圀和 訳、2004年、
彩流社)などの作品もある。
その他の邦訳された作品に、
『落ちた王子さま』(岩根圀和 訳、2011年、彩流社)、
『翼を失った天使』(ミゲル・デリベス 著、近藤勝彦 訳、
 2007年、私家版)
『異端者』(岩根圀和 訳、2002年、彩流社)、
『灰地に赤の夫人像』(喜多延鷹 訳、1995年、彩流社)、
『赤い紙』(岩根圀和 訳、1994年、彩流社)、
『好色六十路の恋文』(喜多延鷹 訳、1989年、西和書林)
 がある。



「2020年 『そよ吹く南風にまどろむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ミゲル・デリーベスの作品

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