五行歌集 三十年ぶりのおんぶ

著者 :
  • 市井社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882081760

作品紹介・あらすじ

いちばん、大事なものを知って、彼女は内面の中に、中心を得たのだろう。書くものは、すべて冒頭に述べたような深みと大きさとわかりやすさを持ったものになった。
 彼女は、ずっとそれを得ようとして、手探りしていたのかもしれない。目をこらしたり、本を開いたり、考えたり……、まさか、背中で感じとるようになるとは、夢にも思わずに-。
 こうして、歌集全体が、大きな交響詩のような物語となった。
 蔵書の歌もよく、犬の歌もよく、思いの歌もよい。
 彼女の歌がなんといっても素晴らしいのは、歌の仕上げのよさである。彼女の歌には、長すぎるということはまずない。大きな物語を含んでいるのに、簡潔である。
                (草壁焔太 跋文より)

感想・レビュー・書評

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  • 紙の素朴な手触り、可愛らしいイラストをシンプルな配色で仕上げたカバーは、柳沢さんの歌から感じられるイメージを投影できたと思う。
    柳沢さんは、毎日絵日記をつけられていて、(カバーにつかわせてもらった)イラストと文章を手帳にびっしり描かれている。
    小諸新聞社の記者という経歴をお持ちだが、堅苦しさとは無縁の柔らかな方だ。
    歌も、素直で、誠実。とくにお孫さんの歌を書くようになってからは、いとしさがあふれる名作を次々と生み出された。

    たいちゃんは
    スプーンを
    アプーンと言う
    ばあは
    アプーンの方が好き

    ゆりちゃんが
    じいに叱られた
    泣いたのは
    ゆりちゃんと
    ばあ

    おばあさんが
    川で洗濯をしていると
    何が流れてきたんだっけ?
    5 歳たいちゃん
    「みずー」

    思わず顔がほころび、もう大好きだなぁと思う歌がたくさん見つかる。
    ときどき滲む孤独の影や、感情の揺らぎも。

  •  いちばん、大事なものを知って、彼女は内面の中に、中心を得たのだろう。書くも
    のは、すべて冒頭に述べたような深みと大きさとわかりやすさを持ったものになった。
     彼女は、ずっとそれを得ようとして、手探りしていたのかもしれない。目をこらし
    たり、本を開いたり、考えたり……、まさか、背中で感じとるようになるとは、夢に
    も思わずに││。
     こうして、歌集全体が、大きな交響詩のような物語となった。
     蔵書の歌もよく、犬の歌もよく、思いの歌もよい。
     彼女の歌がなんといっても素晴らしいのは、歌の仕上げのよさである。彼女の歌に
    は、長すぎるということはまずない。大きな物語を含んでいるのに、簡潔である。
    (草壁焔太 跋文より)

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著者プロフィール

1952年、群馬県前橋市生まれ
2年間教職を務め退職。結婚後は夫の転勤で 長野県内の各地で暮らす。
子どもの手が離れてから60歳までの23年間、 小諸新聞社の記者、編集に従事する。
こもろ五行歌の会の発足時に入会し、18年目。
五行歌の会同人。長野県小諸市在住。

「2020年 『五行歌集 三十年ぶりのおんぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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