二日月 (ホップステップキッズ!)

著者 :
  • そうえん社
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本棚登録 : 240
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882645375

作品紹介・あらすじ

あたしの妹、1歳の芽生。まだ歩けないし、立てないし、ハイハイも、おすわりもできないし。そういうことができるようになるかもわからない。だけど、芽生はあたしのそばにいる。あたしはいつも、芽生のそばにいる。

感想・レビュー・書評

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  • 障害を持って生まれてきた妹を見つめながら成長する小学4年生の女の子。元気で優しい親友と強い母。周りの人たちがいい人で、いじめられたりしないので、心の成長だけを中心に安心して読める。

  • 「障がいが残るかもしれない」と言われた、生まれたばかりの妹を中心に回る家族。両親の負担にならないよう、「いい子」でいなければと思う小5の少女の、妹に向ける複雑な気持ちが素直に綴られている。落ち込んで、気を取り直して、また落ちこんで、という繰り返しを月の満ち欠けに重ね合わせて、今まっくらでも必ずまた明るくなると希望を見出していく。
    妹を連れて外に出て行き、人と交わる勇気をもっている母親は正しく強い。また、「ままならないことをなげいても仕方が無い」という、はっきりした考えを持つ少女の親友の強さも好もしい。

  • 待望の妹ができて喜んでいた杏ですが、妹芽生(めい)には障害があって、うまくミルクが飲めないし、長く生きられないかもしれないと聞かされます。
    芽生のことは可愛い。でもパパもママも芽生のことばかり。障害を持ってる妹のことを友達にも知られたくないという、複雑な気持ちを抱きます。

    私も昔、ニキビだらけの姉を友達に合わせたくなかったなぁとか、体の弱めな弟に親の愛が集中してるとか、杏とは次元は違いますが、小学生時代の自分のモヤモヤした気持ちと重ね合わせながら読みました。

    小学校中学年~

  • 子どもに紹介したい一冊。
    家族の在り方、生きる強さを考えさせられる。

  • 小学生の主人公に待望の妹が生まれます。
    でもその赤ちゃんは障害を持って生まれてきました。大人でも答えの出せない様々な問題に、小学生が葛藤しながらも自分の答えを導きだす姿に心を打たれます。

    病気の家族を持つ小学生が、友達との何気ない会話に傷ついたり、自己嫌悪になる場面は、他人事とは思えませんでした。

  • 子供の学校の推薦図書だったので読んでみた。
    小学四年生の杏に障害がある妹が産まれた。
    杏を通して、きょうだい児の甘えたい気持ちやさみしさ。父親や母親が悲しんだり、悔しがったり。友達や街の人が障害がある人をどんな目でみているか。どの感情もよく理解できるよう酷な部分も丁寧に描いていると思う。
    杏には隣に座って背中を撫でてくれる真由や世間に立ち向かえるママや家族の為に免許を取ったり、料理を頑張るパパがいて良かった。
    私自身も障害者に対する姿勢がきちんと正された気がする。

  • こんな気持ちになる自分がいやだ!
    だれしもそんな気持ちになるときがあると思う。

    自分のなかに矛盾することがあったっていいじゃないか!
    いつだって、いい自分でいなくなっていい。
    いろんな気持ちをもっていていいはずなんだ。



    自分の気持ちに素直になることと、自分の気持ちを言葉にすることはちがう。自分の言葉で人を傷つけたくない。
    という言葉が印象に残った。

  • 娘の学校図書館の図書福袋で偶然借りたのだけど、読んでよかった本。自分の中に矛盾する気持ちが存在するときどう受けいれるか、それはどちらも嘘ではなく両方を抱えてていいのだ、ということが書かれてて大人にも感じるもののある本でした。

  • 本棚を見ていると、たまに読んだのに気になる本がある。読み返してみました。
    いとうみくさんの作品が好きですが、YAのものが合いそうに感じてしまう。
    4年生で、これだけ我慢していい子はなかなかいないし、友だちとの会話が大人びているように感じる。

  • 親戚の小学生の女の子がとても感動した!と教えてくれたので、彼女と「感動」を共有したくて読んでみた。親子ほど歳が離れているのだけど。

    小学4年生の杏に、妹が生まれる。嬉しくって可愛くって仕方なかったのに、その妹が病気だと分かり、家族は妹のことで一喜一憂する日々が続く。運動会も参観日も、お母さんは妹の入退院などで来てくれず、自分の妹が「障害者」になることに葛藤するのだけど、素直にその気持ちと向き合おうとすり杏と、寄り添う親友の真由の広い心が、大人になってしまった私の歪んだ気持ちをスカッとさせてくれた。
    大人だったら隠してしまうであろう、人間くさい、みっともない部分も、子どもの時に向き合えることを知っていると、きっと人としての成長が違うんだろうなぁと思う。

    児童書だから、と思わず、たまには手にとってみるのもいいなぁ。
    そして、自分が小学生だった頃を思い出して、クスッと笑えたりもするんだなぁ。

    (平成28年度課題図書・中学年)

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著者プロフィール

いとうみく 神奈川県うまれ。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞を、『空へ』(小峰書店)で日本児童文芸家協会賞を受賞。『二日月』(そうえん社)、『チキン!』(文研出版)が青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた。著書に『かあちゃん取扱説明書』(童心社)、『おねえちゃんって、もうたいへん』をはじめとする「おねえちゃんって、」シリーズ(岩崎書店)など。2020年『朔と新』(講談社)で第58回野間児童文芸賞を受賞。

「2021年 『つくしちゃんとおねえちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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