わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集

著者 :
制作 : 矢崎 節夫 
  • JULA出版局
4.06
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882840701

感想・レビュー・書評

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  • 有名な『わたしと小鳥とすずと』や『こだまでしょうか』の他にも自分の知らなかったみすゞの詩を読めて楽しかった。

    個人的には『お魚』が1番好き。



    『お魚』

    海の魚はかわいそう。

    お米は人につくられる、
    牛はまき場でかわれてる、
    こいもお池でふをもらう。

    けれども海のお魚は
    なんにも世話にならないし
    いたずら一つしないのに
    こうしてわたしに食べられる。

    ほんとに魚はかわいそう。



    みすゞの独特の視点から、私達がいつも食べている海の魚の悲しみや孤独を見つめ、それらに寄り添うみすゞのやさしさが感じられる。

    多くのみすゞの詩には動植物をはじめ多くの自然が登場しており、彼女が本当に自然を慈しんでいたことが伺える。

    そんな優れた詩を残してきた彼女だが、1930年3月10日、26歳の若さで自ら命を絶ってしまう。

    彼女の死後、世界では第二次世界大戦という大きな戦争が起こり、彼女が大好きであった自然はもろとも日本中が焼け野原となった。

    そして今日では地球規模の環境問題が叫ばれるようになった。


    そんな世界を見ずに、彼女はこの世を去ったのだ。

    彼女は現在のこの世界を見て、どう思うのだろうか。

    そして彼女はどのような詩を残すだろうか。

  • 小学生のころから大好きで、定期的に開きたくなる本。優しさが染みわたって、心が浄化されます。この詩集の中からベスト3を選ぶとしたら、「わたしと小鳥とすずと」「ふしぎ」「みんなをすきに」かな。

  • 少女のような視点で感じる世界を描いている。
    とても感受性の豊かな金子みすずならではの作品集。
    きっと、誰もが聞いたことのある詩がのってます。

  • 誰にもわからないこと・わかってくれないことを。

  • ACのコマーシャルで話題になっている「こだまでしょうか」も良いけど、表題作の「わたしと小鳥とすずと」も、いい。でも、子育てしているものとしては、「こころ」という詩も強烈です。自戒。

  • こだまでしょうか
    いいえだれでも

    この詩が好き

  • これもわたしの人生のバイブル(笑)生きていく上でわたしに必要不可欠です。傷つく度に読み返してます。そして心まっさらになります。むしろ優しすぎて困ります。彼女の書くことばのひとつひとつがやわらかくて優しくて、温かい。彼女の最期を思うとさらに。

  • 小学2くらいの国語の授業で扱ったやつ。それなのに、未だに結構暗唱できるのってやっぱり金子みすゞ凄いよね

  • みすゞの世界を知りたくて読書。

    震災直後のACのCMで「こだまでしょうか」が朗読されて3度目のみすゞブームが起きているらしい。本書は最初にみすゞブーム(再び世間で注目させるきっかけ)となった本である。矢崎節夫さんが幼いころに養子に出されて離れて暮らしていた弟さんが大切に保管していた手帳を引き継いだことがきっかけとNHK「歴史秘話ヒストリア」で紹介されていた。

    金子みすゞの名前くらいはぼんやりとだが知っていた。しかし、26歳でしかも自殺していたことは知らなかった。ものすごい感性と独特な視点を持つ詩を残している。

    「お魚」「大漁」「つもった雪」「犬」「こだまでしょうか」

    どれも何度も朗読したくなる詩だと思う。

    読書時間:約20分

  • 私が、生まれて初めて詩を読んで泣いた本。
    高校時代、同級生が「あなたは好きだと思うの」と言って紹介してくれた本。
    こんなにも優しい言葉を選ぶ人を、私は他に知らない。今の私よりもずっと短い命を終えてしまった彼女に対して、悲しいのではなくそれ以上の愛しさがある。
    美しい、けれども美しさを最初から放棄している素直な文が、疲れたり後悔したり、ささくれ立った時の心に染みる。
    こどもとかみさまの目を持っていたに違いないと私は信じている。

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著者プロフィール


山口県生まれの童謡詩人(1903~1930)


「2018年 『混声合唱組曲 みんなを好きに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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