- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784882931331
感想・レビュー・書評
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昭和二、三十年代を強く感じさせる怪奇探偵小説のアンソロジー。「師匠の美人の娘にライバルが婿入りまたは娘と自分が恋愛関係にある」「俺のオンナ!放すものか!」のモチーフが何度も出てきてお腹がいっぱいに。昔の人は手近なところで間に合ったんだなあとか、俺なんかダメだみたいなためらいを小説では見せないんだなあとか、関係ないところに感心した。
面白かったのは赤沼三郎「人面師梅朱芳」と鮎川哲也「怪虫」。特に後者の芋虫パニック小説は怪獣エンタメとして無心に入り込んでしまった。自衛隊が出動するんだけど埒が明かなくて首相が糾弾されるとか、昔の水木しげるのようでくすりとさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
魚臭 鷲尾三郎
肌冷たき妻 川島郁夫
硝子妻 楠田キョウ介
胎児 四季桂子
人面師梅朱芳 赤沼三郎
変身 夢座海二
忘れるのが恐い 和田ヨシ久
金魚 渡辺啓助
人食い蝦蟇 辰巳隆司
怪虫 鮎川哲也
奇術師 土岐到
黄金珊瑚 光波耀子
人蛾物語 左右田謙
永遠の植物 村上信彦
鮎川哲也 芦辺拓 編 -
平成9年2月20日、初、並、帯無
2017年1月4日、松阪BF -
夜中に少しずつ読んだ。怪獣、幻想、トリックと最後まで妖しげな世界にどっぷり浸かった。作品には関係ないが最後の最後にあった編集部の事務的なメッセージまで怖い。