歪んだ窓 (ふしぎ文学館)

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  • 出版芸術社
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882934332

作品紹介・あらすじ

ショート・ショートの名手、山川方夫傑作集。ショート・ショート36編に加え、巻末には山川方夫・星新一・都筑道夫の座談会を単行本初収録。

感想・レビュー・書評

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  • 姉と妹のすれ違う思い。どちらも、お互いのことを考えているが、うまく噛み合わない歯痒さ。

    妹のために第三者に相談する姉。姉のため(自分のためのようにも感じるが)に男を殺そうとする妹。妹の精神状態を知らない状態で見ると、自分のために嫌な男と結婚しようとする姉を止めたい、健気な妹のように見えるが、2パート目を読むと、ガラッと印象が変わる。第三者である男は、恋人などではなく、精神科医であったのだ。このことを鑑みると、妹が暴走しているように感じられる。しかし、悪気はないのである。この2人の思いが重なり、うまくいく日は来るのだろうか。

    結末が描かれず、精神科医(男)が殺されてしまうのかどうか、ハッピーエンドかバッドエンドかも分からない。少々モヤモヤする感じもするが、結末がハッキリしない方がいいのかもしれない。バッドエンドだと、辛いから。

  • 物の見方によって自分にとっての世界は大きく変わってしまうのだと感じた。
    私も、穿った物の見方をしてしまう性格だが、事実は自分の思っていたものとは大きく異なることが多い。
    歪んだ窓というタイトルがぴったりな話だと感じた。

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著者プロフィール

山川 方夫(やまかわ・まさお):1930年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院中退。「演技の果て」「海の告発」など5作が芥川賞、『クリスマスの贈物』が直木賞の候補となる。著作に『安南の王子』『愛のごとく』『目的を持たない意志 山川方夫エッセイ集』などがある。「ヒッチコック・マガジン」連載の“親しい友人たち”が探偵小説読者から高く評価される、謎を扱ったショートストーリーの達人でもあった。

「2023年 『長くて短い一年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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