自殺卵

著者 : 眉村卓

• 出版芸術社 (2013年8月22日発売)

作品紹介・あらすじ

年金生活者で独り暮らしの主人公の自宅に、「われわれの贈り物で、死んで下さい」と書かれた異様な手紙が届けられた。世界中で、差出人不明の卵型の自殺器と手紙がばらまかれる。キャップを外すと中に針があり、それを自分の体に刺すと、一瞬にして死ぬことが出来る。徐々に人口が減り始め、〈死〉が日常になる…終末ＳＦの傑作「自殺卵」ほか書き下ろし「退院前」、「とりこ」の２作を収録した全８編！

不思議！　奇妙！　あり得ない！
作家生活50周年を迎えた著者が描く、８つの異世界譚！

感想・レビュー・書評

[なーさんの感想 · 2015年3月31日]

「豪邸の住人」「アシュラ」「月光よ」「自殺卵」「ペケ投げ」「佐藤一郎と時間」「退院後」「とりこ」の8編。
「自殺卵」以降は、SFというより「奇妙な味の物語」。

個人的には「ペケ投げ」が◎。
横入りや信号無視に「ちっ！」と思うとそいつの背中に黒々とペケ印が…っていう社会現象が蔓延する世界。
面白いのは、ペケつけられないようにするんじゃなくて、不用意に「ちっ！」と思ってペケ投げちゃうと逆ギレされるのを恐れるところ。手袋することで防止できるとかで、コレってゴネ得社会？嫌ですねえ…

[kwrlogさんの感想 · 2014年7月5日]

人々に突如送りつけられる謎の卵。その中には一本の小さな針があり、それを使えば一瞬で、痛みも無く死ぬことができる…。

そんな表題作の設定に惹かれて読んだ。
が、ショートショートを得意とする作家のためか、思っていた様な方向には進まず、というよりかなりあっさりと展開が進んで、掘り下げてほしいところに手が届いていなかったかなあ。
他の作品に関しては、老齢の作家ならではの自身の半生を振り返るような作品など、起承転結というよりもインスピレーション重視という感じだった。自分が年をとればまた違った印象になるのだろうけど、入り込むことができなかった。

[あおさんの感想 · 2013年9月26日]

ほぼ本人と思える老齢男性の出逢う未知の世界たち。

表題作は面白かったが
他は観念的で今一つ。

【図書館・初読・9/26読了】

[680104さんの感想 · 2022年8月17日]

イマイチ…。安定的に、読めなくはないけど、さほど面白くもない

[ndoiさんの感想 · 2017年2月24日]

前半は昔を思い出しよかったけど、後半は沈みゆく人的な

[noeryu3さんの感想 · 2014年8月12日]

□ 14134.
〈読破期間〉
2014/7/16～2014/7/21

[mayukoさんの感想 · 2014年7月22日]

幻想怪奇、文章がちょっと合わなかった。

[小春さんの感想 · 2013年12月20日]

2013 12/20

著者プロフィール

1934 - 2019。ＳＦ作家。1979年に『消滅の光輪』で泉鏡花文学賞および星雲賞を受賞。また1987年に『夕焼けの回転木馬』で日本文芸大賞を受賞。代表作にジュブナイルＳＦの名作といわれる『なぞの転校生』『ねらわれた学園』などがある。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」