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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784882934912
感想・レビュー・書評
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有川浩さんのなにかの小説のあとがき(思い出せない、、、涙)でおすすめされていたのがきっかけでこの本に到着(?)
胸キュンも良さの一つですが、名言続出なところはどうしても図書館戦争を思い出す笑。そして、ところどころにいい意味でふるさを感じるところが私にとってはツボでした。読みやすい文体であっという間に読みおわります。
ところで、「田崎麻子」と「柴崎麻子」の一文字違いは偶然ではありません、、よね?ちょっとしたことが図書館戦争とそっくりでファン(特に柴崎ファン)としては思わず笑みがこぼれます笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SFと言うかライトノベルと言うか、コバルト文庫的な実に優しげなストーリーでした。
地球が人口過密になって色々な星への移民が推し進められている、っていう設定は、ばら色の宇宙開発で一時代前という印象を持ちましたが、話自体は楽しかったです。
細かい話ですが、宇宙船の中に個室が1部屋しかないってのは何だかなぁ、という感じでちょっとイメージが湧きづらかったです。 -
青春ど真ん中時代に読んで世界観に憧れた本。
麻子さんのようになりたくて、
みんなが敬遠するお茶汲みを楽しみながらやってた覚えがある。
麻子さんのように美味くは淹れられなかったのが悔しかった。
押入れの中を探せばまだ持ってるはずだけど
シリーズ新装・完結版がでるというなら是非手に入れて
またあの時のような感動を、あの時以上の感動を体験したい。
あの時理解できなかったこともわかるようになっているのかも。 -
私は、いい年したオッサンだかヤングアダルト、ライトノベル、ジュブナイルもよく読む。新井素子さんの星へ行く船を読み、ラノベって面白いなとあらためて感じる。
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母親から引き受けた本。小学生をこの本と共に過ごしたので思い入れが強い。太一郎さんがかっこ良い、あゆみちゃんよりもレイディとのラブ希望だった。何はともあれ、新井素子の文体は良い意味で小説っぽくなくて読みやすい。素子ワールドに引き込まれる。
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本作を最初に読んだのは約30年前のこと。それ以来、ストーリーは忘れていたけれど、作品の存在は覚えていた。印象に残っているのは、主人公の森村あゆみのキャラクタだ。快活で女の子らしくて、もしかすると当時の私の理想の女性だったのかもしれない。当時の私にとっても、森村あゆみは歳上のお姉さん。今となっては娘(いないけど)に近い年頃である。森村あゆみの印象は変わらないが、自分の視点が変わったことで、より深く作品を味わえた。思い出話になってしまった。ついでに話してしまうと、30年分前の本作はコバルト文庫から出ていた。今でいうところのライトノベルのレーベルだ。当時はコバルト文庫を読み漁っていたなあ。その中でもこのシリーズは印象に残っている。なお、本書には書き下ろしの短編とあと書きが追加されている。
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高校生の頃に読んで以来だったけど、今読んでもかなりハマる。昔読んだときはあまり気にしてなかったけど、太一郎さんてかなり背が低いんだなぁということにびっくりした…でも、やっぱりかっこいい!そして名言多い。思えば私のSF好きとラブコメ好きはここが原点かもしれない。
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今では当たり前の、主人公のお喋りで地の文が構成されている小説の嚆矢は『星へ行く船』だと思います。
私は図書館にあったのを読んだの…中学かな。面白いよと年上のお姉さんに勧められて初めて少女小説を読んだのがこれ。
コバルト版でしたから『ロマンチックSF』って添え書きがタイトルにありました。当時は、あゆみの、ショパン聞いて、云々のくだりに、わかるなーって…。
優しく読みやすく、ドキドキする。
なんて通り一遍の感想で夢中になりました。
でもいま読むと、そんなに甘ったるいお話ではなく。
地球に住むのが特権の未来。
富裕層の令嬢、森村あゆみは、政略結婚がいやで、短大を出てすぐおよめさん…なんてと、宇宙に家出を。ところが一人で使えるはずの個室には、密航者の男性が二人。どうも彼らもわけありで…という導入。
レイモンド・チャンドラーが出てくる通り、このお話は、少女版のソフトな、しかし、かっちりした探偵小説でSFなのです。
相当いっぱい本を読んで、習作もなさった、その後に書かれた、若い感性が生んだ、ティーンから大人まで惹きつける作品だと今ならわかります。
太一郎さんは、今時の少女小説のヒーローより、相当鋭い…冷たさや理知的なとこも隠してない…ちょろくない男性ですし。
出版当時の細かい日常性のディティールが、作品にリアリティをもたせているのと対象的に、SFとしてこだわっている描写や作者なりの設定ルールはきちんと書かれているので、読者は、つい日常の延長みたいに気軽に読んでしまう世界も、SFの中で起きている『事件』なんだと知らされます。
その匙加減が、やはり少女小説だけあって、とても品よくソフトで。ハッピーエンドですけど、これはきっちりハードボイルドSF。
少女でも、舞台が宇宙でも…。
それが成立するところがファンタジーなのです。
ちなみに私、これ読み返してロバート・B・パーカーの『初秋』を思い出しました。 -
"「だけど!」
あたし、大声をだす。どん、なんて砂をたたいて。
「だけどね!今帰ったら、あたし絶対後悔する!これじゃあたし、まるっきり負け犬だわ。夢が破れて泣いて帰るなんて」
「実際負け犬なんだから仕方ねえだろ!」
太一郎さんも、あたしにつられて大声をだす。
「あんたの夢は破れたんだろうが!」
「何の為に手があるのよ!」
「手?」
「夢が破れたら、それをつくろう為に、手があるんじゃないの!」
「……そんな理屈初めて聞いた」
「うん、あたしも初めて言った。とにかくあたし、もう一回やり直してみるわ。リターンマッチよ」
「あんたねえ」"[p.138]
著者プロフィール
新井素子の作品





