星へ行く船シリーズ1星へ行く船

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  • 出版芸術社
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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882934912

感想・レビュー・書評

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  • [図書館]
    読了:2016/11/5

    あぁ…1981年だなぁ、と感じたところ。

    女性本人が、「お茶は女性が入れるもの」と思っていたり、
    男性がタバコを吸うのは当たり前、
    宇宙にまで定期的に行ける技術がありながらドアモニタがない(ために敵の侵入を何度も許す)
    盗聴器音声を録音する「テープを入れ替える」


    あぁ…コバルトだなぁ…と感じたところ。
    無知のど素人の小娘であるところの主人公に対して都合よく紳士的な周りの方々。
    暗殺者なのに口調が軽い。「君はこの中でただ一人、まったくの部外者じゃなかったっけ。
    銃の撃ち合いする場面なのに描写に緊迫感が皆無。

    新井素子という作家さんを「少女向けSFの大家」みたいな感じで認識していたので、もっと舞台設定やストーリーなどガチガチの本格派なのかと思ってた。むちゃくちゃ軽かった…。

    でも面白かった。ほぼ一度も本を置かずに一気に読みきるくらいには。最終章の主人公の決意も共感のできるものであった。あと、この本まるまる一冊「星へ行く船」だと思ってたので、あそこで「大団円」と記述されてすごくびっくりした。

    「雨の降る星 遠い夢」の最後の方、「そして、人間ってのは、誰かを犠牲にして勝つより、戦わずして悲劇の主人公演ずる方が楽な精神構造してる。確かに。」というのが自分にはずしっと来た。

  •  バリバリのハードSFとは違う、どこか穏やかで温かみのある作品ですね。主人公・あゆみちゃんの心の声に「うふ」とか書いてあるあたり時代を感じますが、随分修正に時間をかけたようでそれ程古さ、読みにくさはないように思います。まだ殆ど触れられていない同僚もいることですし、これからの話の進展に期待大です。

  • 完全版だそうで

    書き下ろしが嬉しい

  • SFと言うかライトノベルと言うか、コバルト文庫的な実に優しげなストーリーでした。
    地球が人口過密になって色々な星への移民が推し進められている、っていう設定は、ばら色の宇宙開発で一時代前という印象を持ちましたが、話自体は楽しかったです。

    細かい話ですが、宇宙船の中に個室が1部屋しかないってのは何だかなぁ、という感じでちょっとイメージが湧きづらかったです。

  • コバルト文庫か!懐かしい。
    これからどう化けるのか楽しみだな。

    表紙のイラストの色使いがすてきだ!かわいい!!

  • 懐かしい。子供の頃、「コバルト文庫」のバージョンで読んだことがある、新井素子のジュブナイルSF小説だ。

    ガチガチのSF好きにしてみたら穴だらけの設定なのかもしれないけれど、宇宙のあちこちに開発された惑星があり、月に修学旅行に行けるような未来に、すごくまっすぐな登場人物たちがきわめて優しく事件に立ち向かうトラブルバスターなストーリーが楽しくて、大人になった今、普通に読んで普通に面白いな、と思った。

    もともとの刊行が1981年ということで、驚く。
    その時代だからこそ、のSFなのか、その時代によくもまあ、の物語なのか。
    あまりにも現代社会となじまない事物は綺麗にメンテナンスして「新装版」として仕立て直してくれたらしく、古びた感じはない。

    未来の物語というよりは素敵なおとぎ話を読んだような気分だ。

  • 「星へ行く船」「雨の降る星 遠い夢」「水沢良行の決断」。
    一編目は、うーん…これはSFか…?そして男女感が古風だなあ…という感じだったけど、コバルトだったならしょうがない。そして二編目はわりとSFSFした感じでよかった。

  •  『二〇一六年 九月 一六日 第一刷 発行』版、読了。


     作者の代表作シリーズで、それこそ遠い昔に刊行された文庫版からの、単行本化で(今作のあとがきで明記されていましたが)作者曰く「決定版」だそうです。


     久しぶりに読んで感じたのが、随分昔の刊行物なのに、なんら遜色がなかったのを実感しました。

     どうやら、改めて加筆修正と校閲をかけたようで……たしかに、違和感なく「ああ、そうそう、この雰囲気だ!」と、思う内容でした。キリン草騒動、そうそう、あったあった! ……なんて、思いながら。

     手元に当時の文庫版があれば比較できるのですが、もうないので今作と比べようがありませんが、最新版として十分、現代にあわせて仕上げられた作品に感じました。うん、おもしろかったです。

     また書きおろしの短編も含まれておりまして、それが違和感なかったのも上記の過程を踏まえたからこその、なせる技でしょうか。

     引き続いて、続巻も読んでいこうと思った一冊でした☆

  • 最近復刊しブクログでも話題になっていたので手に取った。表紙が可愛い。

    新井素子はこれが初めてなのだけれど、小中学生の時に読みたかったなあ、というのが正直な感想。今の感性で呼んでもあんまり良さがわからない。
    ラノベの走り、なのかな。この新口語文と言われる文体は当時どれくらい目新しかったんだろう。「マンガ『ルパン三世』の活字版を書きたかったんです」というインタビューの方を先に知っていたからかもしれないが、物凄くマンガ的な小説だと感じた。キャラクター造形とか、キャラクターの反応や台詞とか、現実だったら緊迫して冗談一つ言えないような場面でギャグシーンが入るところとか。勝手に情景がアニメで再生される。
    確か「ゲーム的リアリズムの誕生」でもこの作品が取り上げられていた。実際に作品を読んで、あそこで論じられていたことがより深く理解できた。なるほど、ゲーム的リアリズムってこういうことか。現実の世界を頭の中に広げて小説にするのではなく、マンガやアニメの世界を思って小説にする。だからマンガやアニメのお約束が登場する。ラノベってそういうものだけれど、「星に行く船」はそれが顕著だった。
    こう考えるとラノベって一般小説のエンタメとか純文学の下位におかれるものじゃなくて、立派な文学の一ジャンルだよなあ。一般小説が対象にしていないものを下敷きに独自の文化を発展させているんだから。私はラノベは苦手だけれど、これは好みの問題。

    小説の内容の感想を全然書いてなかった。
    まず表題作「星に行く船」他短編が二つ収録されいるのだけれど、思ったより「星に行く船」が短くてびっくりした。終わり方も唐突でもっとあの人物掘り下げて! あれはどうなったの? と思う部分がたくさんあった。でも多分これ、復刊後の単行本は全5巻になるみたいだし、続きありきで書かれた小説なんだろう。アニメの一話目っていう感じがする。
    それから主人公のあゆみちゃんの推理……ほとんど直感のみに頼ってて「いや待ってその証拠だけじゃ他の可能性だって出てくるでしょ」と突っ込みたくなる。ジャンルミステリーじゃないから別にいいけど。
    あとこれも一巻目だからかもしれないけれど、あゆみちゃんの人物像がいまいちよくわからないままだった。貧乏暮らしにもすぐ適応できて財閥のお嬢様っぽくないのが不思議。それと家出しちゃうくらいまでの強い気持ちを持つ過程を掘り下げてほしかったな。幼い頃から自立心溢れる子だったエピソードとか。星に行く、だけじゃなくてもっと具体的な夢をもっていてそれを実現させられないのは耐えられなかった、とか。次巻以降語られるのだろうか?

    それにしても読むのが遅すぎた……有名作品なのに、残念。本にも適齢期ってあるんだな。

  • 軽い。

著者プロフィール

新井素子

一九六〇年東京生まれ。立教大学独文科卒業。高校時代に書いた『あたしの中の……』が第一回奇想天外SF新人賞佳作を受賞し、デビュー。八一年『グリーン・レクイエム』、八二年『ネプチューン』で連続して星雲賞を受賞、九九年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞した。他の作品に、『……絶句』『もいちどあなたにあいたいな』『イン・ザ・ヘブン』『銀婚式物語』『未来へ……』など多数。

「2019年 『ダイエット物語……ただし猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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