目にあまる英語バカ

著者 :
  • 三五館
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883203833

感想・レビュー・書評

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  • 同じ著者の『まれに見るバカ』(新書y)に近い視点から、日本人の英語コンプレックスをターゲットにした内容だと言えるように思います。「あとがき」で著者自身も、「本書は英語に関する本であるが、「英語」の部分に、たとえば「スピリチュアリズム」とか「血液型」とか「ブランド」とか「女は見た目が10割」とか「社員の親睦」とか「市のシンボル」とか「場の空気」とか「恋愛と結婚は別」などなど、別のさまざまな言葉(テーマ)を入れることも可能である」と言います。その上で、「その意味で本書は、小さな物事を自分の頭で基本的に考えるための本、といってもいいかもしれない」と述べています。というわけで、「英語バカ」の事例が数多く取り上げられていますが、要はいつもの著者の本、と言ってさしつかえないと思います。

    毎度のことながら、この著者の本は1冊読めば十分、と思いつつ、ついつい手に取ってしまいます。

  •  日本人は日本人なりに目にあまる日本語バカになるべきだろう。

     英語は喋れるに越したことはないが、日本人全員が喋れる必要はない。英語を10年間勉強したのに喋れないなどなぜ日本人が卑下しなければならないのだろうか。

     英語は10年24時間勉強し続ければ上達することだろう。しかし授業としての英語はたかが週に7時間程度これだけで喋れると論じる人たちの頭はどうかしている。

     また、それで英語が喋れるのならばそれ以上に時間を当てている他教科、また我々の母国語がどうしてまともにできないのだろう理解に苦しむ。

     本来は外国の観光客には日本語で応対するべきだ。日本人が外国に行って、はなから日本語で対応してくれる国などまずないだろう、あったとしたらそれはよこしまな気持ちをもっているだけではないだろうか。

     そこからして日本人の英語バカという言葉はよく言ったものだと思える。

  • この著者の他の書籍よりはまっとうである。

    努力なしで上達するはずはない,という至極当然のことが書かれているだけであるが,他人の著書への攻撃には凄まじいものがある。

    おっさんの悪口だらけ。

  • 日本人が未だに英語コンプレックスから抜けていないことを力説しています。NOVAの破綻がタイミングよく起こりましたが、正に英語コンプレックス、英語優越感、不安などが生んだあだ花ですね。英語教育の小学校への導入への批判も納得ですね。まずは日本語のマスターが必要であり、それから必要な人は中学からでも間に合うのはこれまでの多くの英語の達人たちから言えることだと思います。教育を論うことそのものが、英語バカだという著者の主張はそのとおりです。

  • 英語に異常にこだわる英語バカを論じる趣旨のものであるが、結局著者が英語にいかに通じているかを遠まわしに自尊しているだけのような気がする。

  • タイトルからして、人を食っている。Amazonのレビュアーの中にも毒気に当てられた人がいるようで、下品だ、読むに堪えないとの意見がある。

    確かに前半の、「ナニサマ英語力診断」の項は、芸能人から政治家まで有名人の英語にケチをつけまくっている。そのすぐ前で、他人の英語を評価する連中を嘲笑っていたのに、著者自らがその愚にはまり込んでいるので、ここで読むのを止めようかと思った。

    しかし、その後は筆者のべらんめえ調で、巷にあふれる英語本から(日本についての)アメリカンジョークの怪しさ、日本人が敗戦この方抱き続けている白人コンプレックスに至るまでをバカにしまくるのが面白い。

    気に入ったのは、中村留美氏の挿絵と、その下のコメントで、新聞によくある「聞き流すだけで英語が上達する」教材に対し、「アラビア語、タガログ語、ヒンディー語のテープを流し続けて話せるようになると思う? それなのに、英語ならできるようになる、と思うのが甘い。」というのが白眉。

    本書には10を超える英語関連の本が紹介されているが、それらについての書評は妥当だと思われる。筆者も英語コンプレックスを抱え、様々な本を読んだのだろう。しかし、自分の英語力はちいとも上達しないので、「会社を辞めてやっと英語から解放された。清々している。」と宣っている。
    せっかく解放されたはずなのに、あえて英語に関連する本を書くところに筆者の英語に対する、果たせぬ思いのようなものを感じて涙を禁じえない。(笑)

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著者プロフィール

1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に入社したが2006年に退社、執筆活動に専念。「ふつうの人」の立場から「自分」が生きていくことの意味を問いつづけ、『まれに見るバカ』(洋泉社・新書y)で話題に。その後も『アマチュア論。』(ミシマ社)、『会社員の父から息子へ』(ちくま新書)、『定年後のリアル』(草思社文庫)など著書多数。

「2017年 『ウソつきの国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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