川の学校

著者 :
  • 三五館
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883205585

感想・レビュー・書評

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  • 野田さんの川の学校のレポ、2012年の著作。
     
    本にいっぱい書いてある通りで、川の学校は楽しいに決まってるスケジュールである。
    朝はひぐらしのささやきを聞きながら釣りして、日中は川に潜って飛び込んで昼寝して、夕方はひぐらしのささやきを聞きながら魚取りして、夜はご飯食べて探検して締めはみんなで夜な夜な焚火!もう笑顔しか想像できない、最高だなあ。
    川を通じて社会のいがみや矛盾の存在も知り、無駄な河川工事には黙ってないではっきりとNOと声を上げることが大事なんだといったような、人間としてとても大事なことも学んでいく。しかし無駄な河川工事と漁協の川の占領はクソ以外何者でないなあと毎々思う。。。

    基本自分たちでいろいろしなくちゃいけないから自然と自立し場数を踏んでいくし、視野も一気に広がりそう!少年時代にもしあったら絶対参加したかったなあと毎々思う。

    さてそういった川の学校だが、知る限り、これに共感を覚えた勇士たちが全国津々浦々で独自に類似イベントを開催してくれているようである。
    私も先生になりたいが、まだ川遊びし倒してないから経験不足で今は不合格だろう。より大人げないほど遊びまくって、晩年は川の学校の先生として子供たちと遊びまくれるような日々を夢見ている。

  • いい話。
    野田さんの著書は、ダムの話が出てくると悲しくなるが
    そこは読み飛ばして、楽しい部分だけを読むにかぎる。

    川に行って遊びたくなるので、寒いときに読むのは適さない。

  • 心の師の7年前に出ていた本です。出ている事自体知らなかった本なので不徳の致すところです。著書は制覇しようと思っていますが、ある時期からどれを読んでも大して変わりが無いという所も有ります。
    これは決して悪い事ではなく、変わらず川で遊び、そして自然を傷つける国や企業、そして声を上げない人々に対して怒りを表明する。これを繰り返しているからで有り、変わらない事を喜びながら一冊でも沢山本を書いて頂きたいと願うばかりです。

    本書は川に親しむ人間を育てる為の「川の学校」を野田知佑の愛溢れるぶっきらぼうな文章で書かれた名著です。既に見守る視点となっている彼の眼の中に、彼の思想を反映した若者達が育っていく様が映り込んでいます。
    彼が言う、この川は俺たちが死ぬまでは俺たちが守る、それからはお前たちに任せるという強烈なメッセージ。もうバトンは手渡したぞというこれ以上無い位の熱い言葉に読んでいるこちらまで目頭が熱くなります。
    子どもたちが自然で心大解放で遊んだあとの変化も、子供たちを統率しつつ管理をどこまですべきかというジレンマを感じている卒業生スタッフ。そして彼らを放任してしかも大人が率先して遊ぶことで何かを伝えようとする大人達。ある意味野田本の集大成と言える内容ではないかと思います。
    名著「日本の川を旅する」では孤独にスタートし、それ以降も孤独を愛してきた野田知佑。それがいつの間にやらこんなに人々の心に楔を打つ人間になっている。それは自然への愛を変わる事無く叫び続けた、彼への信頼が結実したものだと思います。マジ感動するからみんな読め。

  • 野田知祐のカヌー本やアラスカ紀行本は随分読んだが、残念ながら彼も最近は余り本を書いておらず本書は久しぶりの著作だ。

    そんな野田さんが本書で紹介するのが「川ガキ」を作る目的で、子どもたちを吉野川流域で何ら制約無く川で遊ばせることに取り組む活動だ。親から完全に隔離したキャンプ生活を送る中で、川で魚を突いたり、仕掛けで漁をしたりと本当に楽しそうだ。

    一方で彼も「昭和12年生まれ」であり、つまり今年、2012年で74歳になるということだ。何時までも若いというイメージで見ていたのだが、時の流れは誰にも平等に訪れ、日本のアウトドア第一人者である野田さんもまた例外では無いということだ。

    川を守れ、無駄なダムを造るなという運動を此れまで繰り広げてきたが官僚・役所の息の長い動きには一代では敵わない。運動をする人間はやがて老い、それを引き継ぐ若い世代は川の楽しみを知らないから運動も引き継げない。だからこそ川での遊びを子どもたちに教えるんだ、と自嘲気味に川ガキ養成の深謀遠慮も語るのだが、それもまた野田さん自身の老いとの付き合い方なのかも知れない。まだまだあちこちで活躍をして欲しいものではあるが何となく黄昏を感じてしまうのが悲しい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/699117

  • 環境破壊が著しい日本の川を守ろう!と、
    そのためには川を知り川を愛する人を増やさなきゃ!と、
    そのためには川遊びの楽しさ喜びを知ってもらわなきゃ!と、
    川ガキ養成のために創られた「川の学校」。
    本書はそこに集まった子供たちの成長や、それを支えるスタッフとの交流などを綴った本です。

    この学校は、小学5年生から中学生までが入学でき、春から秋にかけて吉野川で二泊三日のキャンプ生活を5回!して、卒業していきます。
    親の同行は禁止で、子供と川のプロたちだけで楽しむ日々。。
    講師は著者の野田さんの他、作家の椎名誠さんやCWニコルさんや夢枕獏さん、モンベルの社長辰野さんなどお馴染みのお仲間たちがボランティアで参加しています。
    贅沢過ぎる。

    都会っ子もあっという間に川に馴染んでいく様子には感動しました。
    自由になった子供たちの表情の豊かなこと!

    そんな子は高校生になると準スタッフとして、大学生になるとスタッフとして川の学校に戻ってきます。
    自然て、人を成長させる力があるんですね、それを感じて私なんかはちょっとうるっときてしまいました。
    こういう子が大人になれば日本の未来は明るいね。

    私に子供がいたら入学させたかった、というか自分が子供になって入学したかったー。

  • 「川ガキ」という言葉がいいですね。野田さんの事は、学生の頃、椎名誠さんの「あやしい探検隊」で知りました。今は夏になると、よく子供と川泳ぎへ出掛けますが、私の川好きの原点は、野田さんだったのかもしれません。

    野田さんは社会に対してかなり反感を持っていて、文章にも愚痴が多いのですが、言っている事の殆どが共感できます。それは私も社会に対してかなり反感を持っている証拠ですね。でも野田さんは、愚痴だけでなく、「川の学校」なんかをつくって、社会をより良くしようとしています。

    本書は「川の学校」の様子が詳しく描かれていて、読み進めていくうちに、自分の子供を参加させたいと思うだけでなく、自分も参加したくなってしまいます。

  • きれいな川のそばで暮らしたい。

  • 四国の川で川遊びの学校を開いている方の本。禁止をほとんどさせず、自分たちの判断で何をするか決めていくという趣旨を貫き、子どもたちを成長させてゆく。というか勝手にしていくようにしむける。参考になることがとても多かった。
    そしてあまり詳しくは知らなかったが、ダムを日本中に作ったことで川のきれいさや魚の数が激減しているのが明白だそう。本当に政府って色んなところでろくでもないんだな・・・。
    川の学校の記録が詳細で少し間延びしてしまったのでマイナス☆一つ。

  • 川は楽しい!
    川ガキがこれからも増えたらいいし、川ガキじゃなく大人になった人も、自分も含め、川で遊ぶといい。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。在学中、ボート部で活躍。卒業後ヨーロッパを放浪。帰国後、高校の英語教師、旅行雑誌の記者を経て、エッセイストに。傍ら、カヌーによる川旅に打ち込む。これまでに日本の一、二級河川約200を漕破。さらに北米、ニュージーランド、ヨーロッパにまで活動範囲を広げている。長良川河口堰問題や川辺川ダム建設反対運動、吉野川可動堰問題などにかかわり、講演などを行う。

「2008年 『イギリスを泳ぎまくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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