大鮃(おひょう)

著者 :
  • 三五館
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本棚登録 : 70
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883206827

作品紹介・あらすじ

父性を求め、最北の海に出会う老人と青年、奇跡の一日。

感想・レビュー・書評

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  • 人生の神話、旅の途中で人(案内人)と怪物(大鮃)に巡り逢い『魂』の死と再生の体験により人生を取り戻す物語。
    多かれ少なかれ、人はある時期『困難』を乗り越え成長する。そのメタファーである。

  • 幼い頃に父親を亡くし、父性を見失った若者。父親の生まれ故郷であるオークニーへの旅で彼は果たして見失ったものを見つけるのだろうか。
    よくある自分探しものかもしれないが、読んでいるこちら側にも問いかけられているようだ。父という存在はかくも偉大なものなのか。そして垣間見た「神」ともいうべき巨大な大鮃。戦いは固唾を飲む迫力だ。
    何をきっかけにこの本を読もうと思ったのか覚えていないが、おそらく作者藤原氏の写真を見たのがきっかけだろう。
    それにしても、最初のゲーム依存の話、古い船で冒険的な釣りでかける、案内人は老人、という畳み掛けで、読書と同時進行していた「ドラクエⅧ」とイメージ被りすぎて困った。ドラクエは一時中断してこちらに専念することにした。読了したのでようやくドラクエに戻れる。

  • しっとりとした、ちょっと重みを感じるような読後感を残してくれます。

  • ヘミングウェイ「老人と海」での
    自然界の中で生きている人間、

    開高健「オーパ」シリーズでの
    フィッシングとは人生である、

    その両方の感動を
    味わえる一冊です。

  • ゲーム依存症の主人公が,亡くなった父親の故郷オークニーに父性を求めて旅する.案内人のマークと触れ合ううちに一つずつ癒されていく,奇跡の出会いと美しく荒々しい自然,最後の大鮃釣りは圧巻だ.自然描写が素晴らしく,旅行したくなった.

  •  風は地上の何かに触れて音を発するのであってそれ自体に音があるわけではありません。環状列石が異なる風の音を発するのは古代の人が異なる形に削ったからです。この世の父をわたしも見ているのです。わたしの心をギラリと見通す突き抜ける怖い眼でした。畏れと祈りの気持ちに体が竦みました。夜明けまで闘いましたそして力尽きました。不思議な安堵感でした。

    『「めったに現れない。今日という日の奇跡はまだ続いている。ムーンボーの意味するところは?」「……大きな変化のきざし、でしたか」「……そう、このままもっともっと続くといい」』267頁

  • 厳しい自然の中で、素朴に生きる人々の力強さや、生命力を感じました。それは現代の便利さの中で生きる私達とは全く逆で「老いる」という事も自然のなりゆき。美しい自然も眼に浮かぶようです。そこに現れるグレートハリバットは本当に神の化身のよう。主人公のように私も何か見つけた気がしました。

  • イギリスの島出身の父親の地元に行く話。オヒョウを釣るのであるが、最後で涙が出る男の話。

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