台湾蕃人事情

  • 草風館 (2000年6月20日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784883231164

作品紹介・あらすじ

『台湾蕃人事情』は、今からちょうど100年前の1900年(明治33年)に、伊能嘉矩(いのう・かのり)と粟野伝之丞(あわの・でんのじょう)の共著として台湾総督府民政部文書課から刊行された。漢族の台湾移住が始まった17世紀の前からこの島に住み着いていたマレー系の先住民、すなわち台湾原住民について、初めて全体像を示した古典的な書物と言ってよいであろう。日清戦争後の1895年(明治28年)に設置された台湾総督府では、統治の開始直後に、軍事、行政、資源開発、住民掌握などを目的にして、漢族系の住民や、平地および険しい山岳地帯の原住民を対象とする一連の調査を実施したが、当時の記録の中で、こと山地や東部平地の原住民に関しては、この伊能と粟野の共著ほど体系的なものは他に例がない。そして、学術研究の上でもこの『台湾蕃人事情』は、伊能の時代から現在まで続く台湾原住民研究の、いわば囁矢に当たる著作と言うことができる。第二次大戦後になって、人類学者の馬淵東一は日本統治時代の台湾原住民研究を回顧した論文の中で同書に言及し、「台湾における民族学的研究の総括的な見透しはこれによって始めて基礎づけられた」と述べているが(「高砂族の分類」1954年)、これと同様の認識は、現在でも研究者たちに広く共有されているのである。

著者プロフィール

1867年(慶応3)岩手県遠野町生まれ。1889年(明治22)岩手師範退学。
1893年東京人類学会会員、坪井正五郎に師事。1895年渡台、台湾総督府雇員。「台湾人類学会」創立。

「2000年 『台湾蕃人事情』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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