- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883351794
作品紹介・あらすじ
いいアイデアやコピーは発想法を知るよりも、自分のアタマを普段から発想体質にしておく必要があります。"発想体質"になるための31のトレーニング法。
感想・レビュー・書評
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伝え方のプロたちとの対談集「全米は、泣かない。」(五明拓弥・著、2018)を読み、コピーライターの谷口雅計さんのことを知りました。
プロフィールを見ていたところ著書があることを知り、こちらの本を手に取りました。
本書は「全米は、泣かない。」で谷口さんが述べられていたことを、もう少し詳しくお話したような感じでした。
「全米は、泣かない。」は2018年、本書は2007出版と11年もの差があるにも関わらず、広告コピーの書き方対する芯は全くブレずにおなじだったことに、驚きました。
だからこそ、本書に書かれているような広告コピーとの向き合い方・考え方は、時を経ても根本的なところは変わらないものなんだなあ…とおもいました。
どちらの本にも共通していたのは「“なぜ、いいのか”を考えること」、そして「コピーはモノそのものを説明するのではなく、モノと人との関係性を書けばいい」ということでした。
なるほど、モノは変わらなくてもそのモノと接する人が違えば、そこに見える物語は全然違ってきますよね。
また広告コピーはただかっこよく見える言葉を並べればよいのではなく、そのコピーを受け取った人がそのモノを流通させるような行動をとってくれるだろうか?というところまで考えて、提案しなくてはいけないのですね…
言葉に酔わず、自分の書いたコピーを見直してどこがいいのか、本当に受け手に届くものになっているかをチェックできる姿勢を持つこと。
それがプロのコピーライターさんなのだなあ…とおもいました。プロフェッショナル!!
こうしたコピーに関する本を何冊か読んだことで、つい出かけたときに商品の横にある広告コピーに目が行くようになりました。
でも今までは「なんかこのキャッチコピー、印象的だなあ、いいなあ…」で終わっていましたが、そこを深掘していくのが大事なんですね!
これって、キャッチコピーを自分が書く書かないに関わらず、自分の感じ方を知るためにもとても有用だなとおもいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
常識とコピーと芸術...
物事を表現した際の三分法。あたりまえか暗黙知か理解不能。言葉って恐ろしいけどおもしろい。 -
コピーを書く仕事ではありませんが
アイデアを出す場面は多くあります。
①普段、よいと思うものに出会った際に
②実際によいアイデアを出すために
③1つのよいアイデアが出たら
この本の内容を生かし、
それを自分の習慣にしていけたらと思います。 -
園先生の「道」で紹介いただきました。
● 日本テレビ「日テレ営業中」
● 新潮文庫「Yonda?」
● TSUBAKI「日本の女性は美しい」
● JR東海「消えたかに道楽」
多くの名広告、名キャンペーンを世に送り出したコピーライターの谷山雅計氏が、ある一定以上のレベルのコピーを何度でも書くための発想法を、鋭い広告評論とともに紹介しています。感性!センス!ひらめき!に頼らずに安定して作品を仕上げていく彼の戦略は、広告コピーに限らず、デザインやビジネスにも幅広く応用できる、再現性に優れた訓練だと確信しました。
まず鉄則は 「散らかす → 選ぶ → 磨く」 のプロセスを繰り返すこと。
その第一段階でより多く書き散らかすには、「コピーを書く対象といろいろな人やモノとの関係性」に注目すること。知人にありったけご登場いただいて、例えば対象がデザイン住宅なら、お父さんと家、お母さんと家、友人と家、同級生と家、上司と家、後輩と家、といった具合にそこから連想したコピー案を書き出します。交友関係に限界がきたら、織田信長と家、天海祐希と家、トランプのジョーカーと家、となりのトトロと家、あっ!まっくろくろすけならお化け屋敷かな、と発想を広げていけばよいのです。
そして、ひとついいコピーを書いたら、なぜそれが良いのかを考えて、本質、つまり 「幹」 の部分を見極め、さらに枝葉を広げる訓練を積むこと。
広告は見た瞬間だけが勝負じゃない。コピーの流通力、話題性を高める話も興味深かったです。「そう、あれあれ!」とみんなが話題にしやすいこと。ツッコミたくなったり、イジりたくなったり、ちょっと拝借したくなるようなスキをつくること。みんなが言いたい!と思っていることを上手く代弁してあげること。「そういえばそう」だけど誰も言葉にしなかったコンセプトをあぶり出すこと。愛され真似され、流通するコピーを書くコツが満載です。
コピーの目的は「描写」ではなく「解決」であると考えること。
例えば「若者が古本屋をもっと利用するようになるコピー」が課題なら、セピア色の本、ほこりっぽさ、静けさ、無愛想な店長... と考えるのは描写です。言葉を変えて「古本屋には古い本があります」と言った所で、それはみんな知っている。知っていても利用しないのですから、その状況をこそ解決しなければいけない。例えば、お風呂で読む本なら古本屋で!とか、水曜日なら少年ジャンプが100円!とか、電子書籍の自炊サービスを古本屋に斡旋する!などなど。自分のペンで「今ある状況を美しく描く」のは写実派の美文家さんたちに任せておきましょう。なんとかして人を動かそう!という動機こそ、コピーライターに必要な心構えなのだそうです。
遊びごころを大切に。でも、決して自分の独創性を押し付けるのではなく、どうやって受け手を喜こばせようか?どうしたら楽しんでもらえるか?本当に役に立つのは何だろう?なぜかっこいいのか、なぜモテるのか、なぜ共感を得たのか、なぜ売れるのか、どこまでも本質を見極めようと考え抜く著者の謙虚な姿勢を目の当たりにした気がいたします。 -
キャッチコピーのアイデアをひねり出す時の心構えから具体的な手法、手順をお手本(事例)を交えながら解説する教科書。広告主の担当者にも一読オススメ。
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借りたもの。
広告コピーの作り方ハウツーよりも“何たるか”が凄くよくわかる。それらを広告コピーをつくる上で参考にしたい。
広告コピーが何故「短く、簡潔に書け」と言われているのか。‘受け入れやすい’‘誰も広告を読まない’という指摘もさることながら、「広告はふつうの知性を期待してもいいが、ふつうの人の知性を期待してもいいが、ふつうの人の意欲を期待してはいけない」という指摘が的を得ている。
発想と経験を積むためにひとつの課題につき00本書く……矢崎和彦『ともにしあわせになるしあわせ――フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事』( https://booklog.jp/item/1/486276150X )を思い出す。
コピーは「描写」でなく「解決」→デザイン思考
世の中の決まり文句を疑ってみる→アート思考、0ベース思考
コピーに必要な時代感覚…それは流行りものを知っていることではなく、どういう考えや価値観が浸透しているかという、本質的な部分だった。
‘80年代は納得の時代、90年代以降は空気の時代。(p.198)’
小手先のハウツーではなく、時代に合った、求められる「解決」が広告コピーに求められることを痛感。 -
ロジックが知りたいなら小霜さんの「ここらで〜」のほうが具体的でわかりやすいです。
ただ常識と芸術の間に広告コピーがあるというのはすごく刺さった。
ところどころ独特なカタカナ表記があってぞわぞわする。 -
Aについて100本のコピーを書くには、Aと100個のものとの関係性を書けば100個になる、という話があった。
とにかく今週中にコピー書かないと!という状況で読んだ時と違って、改めて読んでみると
単純に、数の出し方、ということではないように感じた。
Aが他のものとは違ってAである、と差別化をするためには
いろいろなものとの関係を知って、
Aって一体なんだろう、と「繰り返し」考えることが大事なのだなと思った。
生み出すんじゃなくて、見つけ出す、ということなのだなと感じた。 -
キャッチコピー本は数あれど、過去の優れた作品を並べたものや単なる解説本とは違い、普通の人がコピーを書けるようになるために必要なエッセンスが詰まった稀有な本。
訓練さえきちんとすれば、基礎力がつくことがわかり、勇気を与えてくれる価値ある一冊。
新潮社文庫「Yonda!」のプレゼン資料(抜粋)が載っているのは驚きで、修行者には大きなプレゼント。