- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883353385
作品紹介・あらすじ
世界で一番評価されている日本のCD(クリエイティブ・ディレクター)が初公開。最高の結果のための最強のソリューション方程式。
感想・レビュー・書評
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CDってどんな仕事なのだろう
なにがやりがいで、なにに価値があるのだろう、これからどうなっていくのだろう
職業としてのCDを知ることができた
とても楽しそうな仕事だと思ったけれど、やっぱりスーパーお手伝いさんなので、企業でその会社の理念を突き詰めるお仕事も素敵よね
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当たり前なんだけど、この本自体が古川さんがクリエイティブディレクションしているプレゼンなんだと強く感じた。日本を代表するCDのプレゼンなんて、なかなか目の当たりにできる機会がないのでそれだけで勉強になった。
QUOTEの使い方とか、右脳に響かせ左脳で理解させる持ってき方とか、大変失礼ながら上手いなっ!と。
今年のキーワードは、やはり、「根っこから考える」ということだなと再確認。
その考え方を色々勉強・実践していきますー。 -
広告業界の仕事とは?CDの仕事とは?ということに関して深く書いてある。
新卒が読むとCDのイメージはちょっとまだ自分ごとに捉えられないなーとおもいつつも、広告の仕事とは?の点に対して理解が深まり、カンヌさえ知識がない中でもカンヌがこれだけ盛り上がる理由が分かったし、そこに対して自分が感度高くあるべきと考えるきっかけになった。
新卒必読かも。
かつ、自分が責任を持つようになってくる3年目とかで見返すと絶対に受け取り方が変わる内容だと思う。
以下メモ▼
アイデアがよいもの
・みんなを驚かす力の納得させる力があるか
・対立と矛盾があるか
《温故知新》
新しさを確実に生みだすために、何が既にやられていて、何がまだやられていないかを掴む
歴史コンテクストを把握すると、「レベル」の判断ができるようになる。
⇒
クリエイティビティは筋トレ
訓練を繰り返すことで無意識かつ、正確に直感が機能する可能性が高い
《広告の仕事とは》
広告には今まで磨き上げてきたアイデアを生みだす力、それを形にする力、コミュニケーションの力がある。
クライアントの課題にアドバタイジングで答えを出すというより、世の中を継続的に良い方向へ向けるためのアイデアを競い合うゲームに変化した。クライアント課題解決だけではなく、社会的歴史的人的課題解決。
日本は、課題先進国と言われる。
課題にどの国よりも先に直面するからソリューションアイデアをまず日本で形にして、その後モデル化して輸出したらどうか。
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祝!九州や 牛乳に相談だ などの事例が、非常に考え方の勉強になった
また、カンヌに関してもそのように賞が変化していることは知らなかったので、きちんと動向や受賞作を見て勉強する必要があるとわかった。 -
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/581925 -
CD(クリエイティブディレクター)の仕事は
1.ミッションの発見
2.コア•アイディアの確定
3.ゴールイメージの設定
4.アウトプットのクオリティ管理
広告(あるいはアイデア)の価値は
「驚き」×「納得感」
アイデア発想の方法は
「(アイデアやブランドの)歴史を知ること」
今後のCD(クリエイティブディレクション)は
世界中の課題解決をあらゆる手段で行うこと -
要約:
課題→アイデア→エクゼキューション
①ミッション(課題・問題とは違う)の発見
②コア・アイデアの確定
**ブランドの本質をキャンペーン毎に変化成長していく
その価値を定義を導き出して、伝わる形に変換したもの
「今回何をやるか、伝えるか」
③ゴールイメージの設定、オーディエンスとの接点設計
④アットプットのクオリティ管理
例:
・九州ライン開設時
好きだった対談:
・ダン・ワイデン(w+k)との対話
読みたい参考著書:
"Inner Work" - Robert Johnson
"Red Book" - ユング -
どんな仕事する上でもこの考え方はとても大切になると思う。けど、実践するには何事にも練習が必要です。
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マーケターのハウスメイトがお勧めしてくれたので、借りて読みました。
刺さったことを箇条書きでまとめます。
・優れたクリエイティブディレクターの口癖「そもそも」は 常に根源まで遡る。
・古くからある概念を新しい角度の視点からメッセージする事が、実は、1番有効。最も早く正確に、なにより多種多様な多くの人々に伝わる。
・ストーリーがコミュニケーションに有効なのは対立を含んでいるから。
課題→アイデア→エクゼキューション。この方程式が全ての仕事の方法。 -
自分に足りないことばかりで、読んでいてチクチクする。まぁ、古川さんと自分を比較すること自体がおこがましいが…
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これまでの経験から来る実用的な仕事の進め方、ものごとの判断基準、行動指針などが示されていて、異なる分野の仕事にも使えそうなことがたくさんあった
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つまりは、古川裕也さんのブランドイメージを上げる本だった。
最初から100ページまでに経験談を踏まえ、驚きと鋭い感覚が毎段落にあった。
文章の構成は古川さんの口語であったたせいかイメージしやすかった。
後半は古川さんの宣伝です。 -
これまで仕事に対して考えていたことが、クリアに言語化されていて驚いた。クリエイティブディレクションというカッコつけた感がハンパない名称であるが、なるほど、クリエイティブディレクションと言うしかないほど定義されている。
広告やメディアが主戦場ではなくなってきているようだが、そもそもその分野に携わらなくてもクリエイティブディレクションをしていた人はいただろうし、呼び名が違ってもそうしていく人もいるのだろう。
『高さ』あっての『広さ』
その通りだと思う。
これからも肝に銘じておきたい。 -
多くのカタカナ語のワードが使われており、リードするのにインテリジェンスをニードするため、ほとんどブレインにインサートされなかった
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良くも悪くも電通という企業が生み出すものは影響力がある。感じたのはクリエイティブディレクションは広告に限らず、タイトル通り「すべての仕事」に通じるということ。この手の本に共通するカタカナ表現が多くて辟易する部分もあるけれど、考え方として「やることを定義して、それ以外はやらなくてよい」との割りきりは爽快ですらある。定義を重ねることで意図的に不自由さを作り出した上で必要な表現を生み出すことは、ある意味どんな職種でも応用ができるだろう。
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クリエイティブ・ディレクションとは何をする仕事なのか?
この本では主に広告という業務に於けるそれについて書かれて入るけれど、一読すればほぼ全ての仕事に応用できることが分かるだろう。
課題→アイデア→エクゼキューション
この方停止のすべてを考え、決定し、実行するのが、クリエイティブ・ディレクションという仕事の一番削ぎとった形であると著者は説く。
更に掘り下げるのであれば
1.ミッションの発見
2.コア・アイディアの確定
3.ゴールイメージの設定
4.アウトプットのクオリティ管理
という4つの仕事がある。
これ以外はしなくてよい…というかしなくていいとまで著者は言い切る。
「しなくていい」とさり気なく流されたこの部分こそが骨子だろう。プランナーやデザイナーを信頼し、余計なことはしない。しかし、肝要な部分は抑える。これがクリエイティブ・ディレクションだということなのだろう。
<blockquote>課題とは、実は状況である。漠たる不満という状況である。
この漠たる不満を、確たる不満に昇格させること。ブランドが持つ適切な欲望を引っ張りだすこと。本当は、このブランドをこういう状態にしたい。みんなからこう思われた言う。などなど。それを明確化・言語化して、具体的な目的にまで消化させること。良い結果を導きだしやすい「明確で正しい困り方」に凝縮させること。ディレクション側から言い換えると、アイデアを考えるべき範囲を限定して、考えやすい状態にすること。それが、ミッションの発見という、クリエイティブ・ディレクションの最初の仕事になる。ちなみに、これがトンチンカンだと、その後の作業はすべて無駄になる。CDだけならまだしも、チームメンバーの人生のいくばくかをムダにすることになる。それは、ふつう許されない。(P.036)</blockquote>
あまりに見事に言い切っているので長々と引用してしまった。
ちょっと前に流行った言葉で"見える化"というのがあったけれど、乱暴にまとめてしまえばこれになるだろう。
数字に落としこみ論理的・定量的に状態にすることが肝要なのは、"「明確で正しい困り方」に凝縮させる"ためだ。
<blockquote>
(本田宗一郎がそういったように)
「苦手なことは他人に任せろ」
これを言い切れる人は100%優れたディレクターである。
ディレクション範囲を掌握しているのだ。(P.254)</blockquote>
ナンでもできるジェネラリストは尊ばれる。そりゃそうだ。そんな人は滅多にいないし、そもそもプロフェッショナルが集まる場であれば、それぞれが最も得意なことに注力したほうがパフォーマンスが良くなるに決まっている(時間も体力も限界があるのだ)。
適材適所に配置する。持っているボールをシュートの打てる人にパスする(シュートが打てる状況を作る)。
それが出来たらもっと稼げれるんだろうなぁ。 -
想像の範囲は出なかったけど、具体的な事例が多くてわかりやすい。
天才の天才性とそのほかのロジカルな部分が覗ける。
もっとほかの職種とCDの関わりについて記述あればなお良かった。 -
タイトルに惹かれた方は読んでおくべき本。内容をタイトルに集約できている。秀逸。
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読了。
今までは自分の頭の中で把握していればなんとかなったいろんな企画もこれからはそうはいかないなーってのをこれ読んで実感。書き出さなきゃ自分の考えてることは共有できないし、伝わらない。
自分以外に自分の思った通りの行動させるのはともすればとても面倒いけど、自分一人じゃ出来ないし。 -
聞いたことがあるしなんとなくイメージしてるけど説明できないクリエイティブディレクターの仕事を知ることができる。
といっても、明確な定義はないので、クリエイティブディレクターとはこういうものだというのを自分で考えられる本だと思う。
「今回の仕事は、なんかよくなりそうだ。だって、何をすればいいか明快だから」と。p.37
クリエイティブディレクターは考えることを狭めることが仕事というのはわかりやすかった。
チームで仕事をしていてアイディアがいろんな方向に向いていては何もまとまらない。
できる限りやることを狭めると確かに考えやすい。
要は、裏切りである。過去に対しての。p.118
これは、いい広告はgood surpriseであるということで、驚きや新しい発見があるということ。
新しいというのは、過去に比べて新しいから必ず比較対象があるというのも当たり前だけどグッときた。
有名な事例を織り込んで書かれていて、古川氏自身の仕事も事例を挙げて説明してくれるので、過去を知るための一歩にもなる。
クリエイティブな仕事をしたい人は読むべき一冊。 -
この人、天才やん。文章も言ってることもちょい格好つけてるけど天才だからok。すごい勉強になりました。
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2016.07.
電通のクリエイティブディレクターである古川裕也。
クリエイティブディレクション?
そんな状態で読み始めたが本書を読めばCDの技術がいかに広く使えるものであるかということに気が付くだろう。
CDという仕事は、以下の4つで成り立っている。
①ミッションの発見
②コア・アイデアの確定
③ゴール・イメージの設定
④アウトプットのクオリティ管理
「これ以外のことは、しなくてもよい。というよりも、むしろしない方がよい。」という言葉が印象的だ。
全体の構成としては前半が理論的な話、後半が実例というように構成される。うーん、分かるようで分からんわとなる前半。後半まで読めば古川さんが言いたかったことが分かるようになる。あー、なるほどね。自分は理論で抑えるというよりも、実例を挙げてもらった方が直観的に理解できるタイプなのかも。
CDという技術は「8割は論理、最初と最後の1割が直観」
読んでいて思ったのはクリエイティブと言われる仕事も一定程度まではロジカルで突き詰められるということ。
考えていたのはお笑い芸人というクリエイティブについて。
普段何気なくみていて笑っているときは何で笑ったのかは考えない。けど要素にしていけば口で一定説明可能だ。
小杉さんの「ひーはー」文字にしたらまったく面白くない。でも小杉さんの顔・テンション・使うタイミング・また来たよ感。そういった要素に分ければ面白さの分析は十分に可能だろう。
でも、そもそもひーはーっていうWordを使おうと思いつくところはロジックではない。それが面白いと思っても、他人が評価して笑ってくれるかどうかはやってみるまで分からない。最初と最後は思い切りの勝負。
CDの技術とはこの思い切りの部分をいかに減らすかということだと思う。
後半の実際の例であげられている九州新幹線の仕事の話が好き。九州新幹線というものを宣伝するのではない。祭りを起こす。その流れこそがクリエイティブディレクションである。完成したCMをYouTubeで見たが素晴らしい仕事だと感じた。
ここでも素晴らしさというのは「感じる」もの。論理ではないんだろう。
クリエイティブディレクターの役割の変化
①for Good:本業そのものが世の中をよくするものであるべし(ex.メキシコ料理「チポトリ・メキシカン・グリル」
②Movie Contents:コンテンツを作る。それがTV、web、口コミ、色々な方法で広がる。アウトプットは一つではない。そうなったとき重要なのはコンテンツの質。(ex.FIRST KISS)
③ContentsからComunityへ:コンテンツを中心に同じ価値観を共有する人が集まる。気持ちを動かす→行動を促す(ex.ナイキの運動できない人へのCM)
④Creative Data:ホンダのSound of Honda。グラフを見てその背景にある物語を読み取れる力。
⑤Innovation:「課題→アイデア」という従来の流れが逆転し、「アイデア→課題・需要」(ex.Pepar)
⑥Technology:技術が優れていても世の中化されてこそ意味がある。(ex.マツコロイド)
広告業界以外のCD
①ブランド(トムフォードのグッチ):CDの一分野。
②起業(リブセンス、村上太一):Innovation。CDに近い。ビジネスデザインには三種類⑴課題解決のアイデア⑵テクノロジーを信じる⑶起業ありき
③バラクオバマ:
<マケイン>白人、議員実績アリ、ベトナム戦争の英雄
<オバマ>黒人、実績なし、移民の血筋
→明らかに不利
→アジェンダセッテイング
<マケイン>今までと同じ路線。何も変わらない。それで本当にいいのか?
<オバマ>今までにない大統領。現状を変えてくれる可能性
→"Change" "Yes we can"
世の中には課題があふれている
世界にはアイデアが足りない
cf).気に入ったキャンペーン
・「牛乳に相談だ」主役を輝かせることが広告の役割
・ハーヴェイニコルズ「他人にあげるものはチープなものにして、自分のほしいものにお金を使おう」
・wren「FIRST KISS」シェアで広がる。ブランド名はオーディエンスで勝手にとってくれる。
・Sound of Honda ←鳥肌
参考
古川裕也さんのCM
http://www.kigurumi.asia/it/video/2627/ -
電通のクリエイティブ・ディレクターによる広告論。特にこれからの広告の在り方について、参考になる点がいくつかあった。
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広告のクリエイティブディレクションはビジネスのクリエイティブディレクションへアップデート出来るのだろうか、読み進めながら考えてしまいました。受注の仕事から自らがリスクを取る仕事へ。もちろん本書はそれが出来ると語っているのですが…
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電通のECD古川さんの初のクリエイティブディレクションに関する定義書。数々のプロジェクトをCDとして引っ張ってきた日本で一番優秀とされているCD。世界的にも。そもそもCDとは何かから始まり。これまでの事例。これからのCDと求められることについて描かれている。終わりにの文章は、なんとも謙虚。特に印象的な話は、存在感の話。存在感のある人間でなければ、人は振り向いてくれないということ。高さと広さの関係。とても勉強になる。
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クリエイティブディレクション力というのは、仕事を超越しているということを勉強させられた。
内容的にはクリエイティブディレクターとしての内容に終始するが、読み手にとっては、それを応用し、自分自身や現在の仕事のクリエイティブとそのディレクションに発展させられる示唆があったと思う。 -
本質的な課題設定に関する考え方を、クリエイティブ・ディレクション切り口から言葉にしている。
ただし、一般的にも通じる言葉で書かれており、論理も通っているため、本質を見極めるための方法論の定義づけとして非常に新鮮であった。
著者の古川さんは、仕事を受けるときに、それがなんのゲームなのかを規定することで、
それをクリアするための課題のベクトルを表現しているようだ。 -
最前線で活躍する電通のクリエイティブ・ディレクターによる著書。
学術書ではないので体系的な内容ではないが、現代におけるクリエイティブ・ディレクターの仕事であったり、クリエイティブワークの定義を経験に裏打ちされた説得力のある言葉で定義している。
こういった著作で共通して言われていることは、"一流の仕事には論理的思考力、経験値に加えての直感が必要"ということ。最後の直感のクオリティが一流と超一流の境目だなと思っている。