- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883376667
作品紹介・あらすじ
書体選びから文字組み、ロゴデサイン、そしてオリジナルの文字づくりまで、「文字」のすべてがキッチリわかる、デザイナー必読の一冊。平野甲賀、奥村昭夫、味岡伸太郎、成澤正信らによる秀逸タイポグラフィ作品を多数掲載。
感想・レビュー・書評
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明朝体
なじみの深い筆の流れを残してデザインされた
水のように、空気のようにと言われる
デザインの個性がないというわけではなく、個性がでしゃばらないデザインということ
頑張ったデザインをしないデザイン
強すぎない個性が日本人に受け入れられるのでは
活版時代は、明朝体とゴシックが主流
活版から写植へ
楷書体が出てきた
グループタイポによる、タイポスの登場
ゴシック体
もともと見出しなど一瞬にして可読する、強調するために製作された書体だが、最近は長文にも使うようになってきた
楷書体
一画一画、筆をつづけずに切り離して、筆の入り、筆の抜き、トメなどはっきりと書く楷書体。元々はタテ組みが主流だった。
教科書体
主に小学校に使われる楷書の活字体。筆やペンで実際に書くときの字体に近い。
明朝体→主張しないデザイン
ゴシック体→印象が強く、可読性も強くなる
教育に使われる教科書体、楷書体
可読性を重視した明朝体、ゴシック体
文字に表情をもたせるデザイン書体
ポイントは基本を知ること。
イキイキした文字の基本を知る。ボディ枠の中の
文字の配置を知る。ベーシックな書体はヘンにな
る部分が枠の1/3~1/4程度で構成される。ベタ組みでも文字のアキが均一に見えるように、文字枠いっぱいに描かれている。仮名は単純な線で構成されるために大きく見えてしまうので、書体によって違うが、漢字の80~90%の割合。イキイキした書体は、ハライが決め手。筆の運筆を生かしゆったり長くはらう。書体として制作するためには、昔とは違い、四角マスの中で制作しなければいけないので、マスの中で、いかに長く、ゆったりはらうかが決め手。カープのうねりも強い方が長くなるので、うねり具合も注意する。
単に文字、書体と言ってかたづけてしまえば、簡単なのだが、創作者がいて、私たちのまわりの伝達手段としての文字があるわけである。情報を的確に伝えるために生まれてきた文字たちが時代ととも
に変化し、デジタルの中で、ギャル語、ギャル文字、絵文字など言葉も文字のカタチも表情も変わっていく。文字が生まれてきて姿を変えながら変化していく文化だとすれば、時代に合った文字があるの
は当たり前のことであるが、そこには先人たちがつくってきた文字が前提にあることを忘れてはいけない。そのこともふまえながら、今の時代に必要なカタチを探していけばいいと思う。
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書体選びから文字組み、ロゴデザイン、オリジナルの文字づくりまで、キリギリス、流七をはじめする人気書体デザイナー七種泰史さんが「文字」を解き明かします。
秀逸タイポグラフィ作品、デザイナーを紹介していて勉強になりました。
ただ個人的には、もう少しつっこんだ内容を期待していました。 -
デザイナーのためというよりタイプデザイナーのための参考書かなあと思ったけれど、入門書というには微妙に説明が足りず、かといって中級者以上には物足りないのではないだろうかと感じる基礎的な内容で、ちょっとよくわからなかった。
もう少し専門家による和文書体自体の解説を読みたかったのだが、内容の殆どがフォントの制作方法に割かれており、書体解説は明朝・ゴシック・楷書・教科書体・デザイン書体の5種類しか無かったのが残念だった。江戸文字とか教えて欲しかった。
それでも5種類分の解説や、ロゴタイプについての解説、沢山のフォントが掲載されているという点が個人的には勉強になったので、星4寄りの3というところ。 -
キリギリス、はるひ学園などのタイプデザインで有名な七種氏による文字に関する本です。良いですね。タイポグラフィの本と言えば欧文書体を扱うものが多く、和文書体でも基本はモリサワ系か、もしくは実際の使用例に留まる書籍が多いです。しかし本作は、文字自体の本質的な特徴から実際のタイプデザインに至る過程まで簡単に紹介されており、本格的なタイプデザインとまではいかなくとも、ロゴデザインや文字組を考える上で参考になるような事柄が色々と書かれています。文章量はそこまで多くないのですぐ読めますが、ロゴ制作の度に何度も読み返してみると一層文字に関する認識が深まるのではないのかと思います。
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「良い仕事とは人それぞれ違うと思うが、お金を掛ける仕事、タレントを使った仕事、ギャラが良い仕事という人もいるかもしれない。だが予算もない、納期もない、条件としてはよくない仕事こそ、想像力、デザイン力、造形力が必要になってくるように思う。素材を創る。ビジュアルを創る。文字を選ぶ。好んで悪い条件をする必要はないが、その時こそデザイナーの力量が試される仕事ではないだろうか。そしてその仕事にどれだけ自分が入り込めたかが、良い仕事の条件のように私は思う。」