医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑む

著者 :
  • 石風社
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883441556

作品紹介・あらすじ

白衣を脱ぎメスを重機のレバーに代え大地の医者となる。「百の診療所より一本の用水路を!」パキスタン・アフガニスタンで一九八四年から診療を続ける医者が、戦乱と大旱魃の中、一五〇〇本の井戸を掘り、一三キロの用水路を拓く。「国際社会」という虚構に惑わされず、真に世界の実相を読み解くために記された渾身の報告。

感想・レビュー・書評

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  • 涙を抑えながら読むのが大変でした。
    6億円の巨費と膨大な人力(人数・時間)をかけた用水路が危機に瀕したとき、著者を呼ぶ息子の声。「おとうさん」。
    たった2週間の看とりで、息子を喪った父がどんな思いでそれを聞いたのか・・・。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      何度か、中村哲の話を聞きに行ったが、朴訥で誠実そのものでした。
      他人のために尽くしても、理不尽な不幸は等しく遣って来るんだと思い悲しくなりま...
      何度か、中村哲の話を聞きに行ったが、朴訥で誠実そのものでした。
      他人のために尽くしても、理不尽な不幸は等しく遣って来るんだと思い悲しくなりました。。。
      2012/11/15
  • これがあの時のアフガニスタンだとすれば。テレビで著者の目を見て、尋常じゃないなと思ってこの本に出会いました。

  • 読んでよかった。
    土木の、魅力や喜び。国際協力というものの光と影、技術移転における"現地化"の重要性、伝統技術の英知...。
    組織論として、人と人で仕事をしているのだということ、信念と目標をかかげ、あるいは時には自ら手を動かすことの重要性、、大切な物事が本当に詰まっている!
    とくに、土木技術や組織経営にういても色々試しており、その軌跡は現地化の術としても参考になる。

    とりわけ深く感嘆するのは、水理を、現地のことから学び、現地の自然条件をも的確にとらえ、さらには時々、九州の河川施設から山田堰の斜め堰や、水制といった工夫の意義をよみとり、解釈し、実現していること。
    木下良作さんさえ思い出す、まさに河川の臨床医。現地のひとびとに熱狂的に喜ばれるというのも納得がいくし、どこか誇らしい。

    なお、前段は国際社会によるアフガニスタンへの経済制裁や空爆に対する反感を記したもので、やや長いが、それを仕事へのバネにしているのには好感。

  • HUMICでの請求記号「517.13/N 37」

  • おもしろかったです!
    最初に水が流れたところでは感動して泣きました!

    アフガンで診療所のボランティアをやっていた医者が用水路を建設するというお話です。
    時期はちょうど911テロ事件のちょっと前からで、ずっと前から現地で活動していた人の目から見た対テロ戦争や国際支援団体のことが書いてあるのもおもしろかったです。
    言葉がストレートで、現地で長く働いている人の言葉なのでとても説得力があります。
    技術的な話がなかなか多くてよくわからないところもありましたが、とても勉強になりました。

  • ペシャワール会が井戸を作ったことは知っていたが、まさか水路まで作っていたとは……。現地で働く中村の言葉から、アフガン復興の実態がよく分かる。

  • アフガニスタンの内情を伝える良書。
    著者の情熱と行動(&判断)の早さは、
    勇気だけでなく、あらゆる人に「行動の大切さ」を
    教えてくれる。

  • 少し古い話になってしまう.
    中村哲氏は元々は医者.

    しかしアフガンの難民を救うためには,そして以前の様な古き良きアフガンを復活させるためには医療行為よりもむしろ水の確保が重要であると考える.

    日本も当時,自衛隊派遣をするしないでかなりもめた時期であった.
    そんな中,いくら政治家が机上の空論で何かを唱えたとしても,何よりも著者の様な現場の人間の意見は重く,説得力にあふれている.

  • 現場で苦労している当事者の言葉は説得力を持つ。
    先日テレビで放映された番組をきっかけに、アフガニスタンで医療活動と現地復興に取組むペシャワール会の活動を記録したこの本を読んでみました。
    これは代表・中村哲氏による手記をまとめたものです。

    当初、医療支援として「ハンセン病」の撲滅に取組み、その後医療全般への活動へ
    展開、その後は地域の衛生環境向上のため井戸の掘削による水資源の確保を目指しますが、地下水の減少を機に用水路工事に取り組んだという経緯です。
    中村医師の職業は医師であり、土木事業については知識も経験も無い中で、福岡にある用水路を作った先人達の技術を参考にしながら考え、応用できる土木技術を習得していきます。とにかくアフガニスタンの人達の役に立ちたいという熱意と、逆鏡に負けない強靭な精神力で現地人と日本人スタッフをまとめ、現地の用水路建設に努力する様子が伺える手記になっています。
    彼は医療という末端の支援活動からスタートしたのですが、結局それだけでは現地の問題は解決しないとの認識から、徐々に生活・衛生環境改善という「源流改善」にシフトしてさせていき、大多数の人を救うには用水路建設しかないとの信念を貫いて活動する姿にはとても感動します。
    実際、1人の人間が出来ることは限られていますので、いかに人を動かしていくかが事業推進のポイントになっています。彼が多くの人を動かすことができるのは、現地の言葉で話し、長年少しずつ積み重ねた現地人との信頼関係にあります。上から目線の支援ではなく、現地の人の立場に立って、現地人と一緒に長年取組んできたことが成果となって現れてきたのでしょう。用水路は作ってしまえば終わりというものではなく、メンテナンスが大変であること。今後も工事は続いていくことを考えると、この手記で語った部分は単なる通過点なのかもしれません。
    今後のペシャワール会の活動には注目していきたいと思います。この本を読んでいくと、自分も何らかの支援をしてあげたいという気持ちになるくらい読み応えのある本です。
    この本を一冊買うことでも多少なりとも支援になるのではないでしょうか。

  •  アフガニスタンの歴史は文字通り戦乱の歴史である。紀元前6世紀にはペルシャ帝国に組み込まれ、紀元前4世紀にはアレクサンドロス大王に支配された。19世紀には「グレートゲームの舞台」と称されていた。それは血塗られた抵抗の歴史といってもいいだろう。今も尚アフガニスタンの農民は銃を扱っている。

    http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100409/p4

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