医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む

  • 石風社 (2007年11月19日発売)
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本 ・本 (377ページ) / ISBN・EAN: 9784883441556

作品紹介・あらすじ

白衣を脱ぎメスを重機のレバーに代え大地の医者となる。「百の診療所より一本の用水路を!」パキスタン・アフガニスタンで一九八四年から診療を続ける医者が、戦乱と大旱魃の中、一五〇〇本の井戸を掘り、一三キロの用水路を拓く。「国際社会」という虚構に惑わされず、真に世界の実相を読み解くために記された渾身の報告。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、中村哲さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    中村 哲(なかむら てつ、1946年9月15日 - 2019年12月4日)は、日本の医師(脳神経内科)。勲等は旭日小綬章。アフガニスタンではカカ・ムラト(کاکا مراد、「雅也変なへんたいおじさん」)、カカムラッドとも呼ばれる。
    銃撃により、73歳没。

    実に、残念な亡くなり方をされました。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    白衣を脱ぎメスを重機のレバーに代え大地の医者となる。「百の診療所より一本の用水路を!」パキスタン・アフガニスタンで一九八四年から診療を続ける医者が、戦乱と大旱魃の中、一五〇〇本の井戸を掘り、一三キロの用水路を拓く。「国際社会」という虚構に惑わされず、真に世界の実相を読み解くために記された渾身の報告。

  • 詳細は、こちらをご覧ください
    あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート
     → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1435.html

  • 涙を抑えながら読むのが大変でした。
    6億円の巨費と膨大な人力(人数・時間)をかけた用水路が危機に瀕したとき、著者を呼ぶ息子の声。「おとうさん」。
    たった2週間の看とりで、息子を喪った父がどんな思いでそれを聞いたのか・・・。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      何度か、中村哲の話を聞きに行ったが、朴訥で誠実そのものでした。
      他人のために尽くしても、理不尽な不幸は等しく遣って来るんだと思い悲しくなりま...
      何度か、中村哲の話を聞きに行ったが、朴訥で誠実そのものでした。
      他人のために尽くしても、理不尽な不幸は等しく遣って来るんだと思い悲しくなりました。。。
      2012/11/15
  • 中村医師の息子さんが病気で亡くなる間際まで、アフガニスタンでの活動を続けられたくだりは、思わず背筋を伸ばして読みました。
    わが子の死に当たってなお「空爆と飢餓で犠牲になった子の親たちの気持ちがいっそう分かるようになった」と記す中村医師の志の高さに、ただただ頭が下がります。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/49494


  • 平和とは決して人間同士だけの問題ではなく、自然との関わり方に深く依拠していることは確かである
    皆が殺到するなら誰かがやる。誰もが行きたがらぬところへ行け、誰もがやりたがることをなせというのが私たちの基本方針である
    享年十歳、親ににず優しい聡明な子であった。家中に鳴き声があふれたが、アフガニスタン現地の今後も考え、情を殺して冷静に対処せねばならなかった
    幼い子失うのは辛いものである。しばらく空白感で呆然と日々を過ごした
    人にとって何か大切な物を心のどこかに刻む、そのことが何よりもかけがえのない収穫だと思う

  • 宮澤賢治の「東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ」とは、人が誰しも持ち合わせているであろう相互扶助の精神である。
    日本とは気候やインフラを含めた環境があまりにも異なるアフガニスタンの地で、人々がほんとうに求めているものは何かということを突き詰めた結果、ペシャワール会が出したその一つの答えが、用水路を拓くことであった。
    国際協力とか国際援助などと言うが、はたしてそれらの活動は、実際にどの程度その国の国民を「援助」していることになっているのか、現地で実際に人々の生活をつぶさに観察しないことには、軽々とその具体的方策を立案することはできないであろう。そうした国際援助・協力の確かな記録が、この書である。

  • メモ
    ・(用水路設計にあたり)「後になって知ったことだが」「ずいぶん回り道もあった」という一文を見て

    既にどこか(この世)にある知識・方法だろうが、自ら行き着くことが可能であり、遅かろうが回り道をしようが「何でだよ!」とはおもわず(めちゃくちゃおもうことばかりだけど)「構わないじゃないか…」と少しだけ思えるな。


    ・「お花畑」って書かれてていい(まァ皮肉も含まれてるのかもしれないけど


    合掌

  • 20200421 昨年、襲撃されて亡くなられた中村哲さんの記録。生き方として心を打たれた。一言の重さが違う。国内で本質も知らない識者の提言を受けた政策の虚しさが見えて来る。今の日本に必要な人間の見本のような生涯。未来に名前を残すのは誰か。若い人に読んでもらいたい。

  • 昨年12月に亡くなった中村哲医師の著書、アフガニスタンの農業開発・農業土木事業に取り組まれた活動報告で、現地での困難、国際社会と水の問題、現地住民にとっての水の重要性など考えるきっかけになると思います。

  • 2001年10月のアフガン報復爆撃から、2007年4月までの現地活動が描かれています。

    読めば読むほど、中村哲という人は同時に何人もいたのではないか…と思えてくるほどの八面六臂の活動にただただ感嘆するばかりです。

    唯物的な欲望と快楽に多くの幸福を見い出す者と、内省の通奏低音に耳を傾け自然や人の温もりに幸福を見出す者との違いは一体何なのだろう。

    願わくば、自分は中村哲医師と同様に後者でありたいとの思いを馳せます。

    摂理に沿ってしか人は生きることができない。この世界で生き延びる術は、忍耐と信頼、寛容と誠意である。人を信ずるとは、いくぶん博打に似ていて、裏切られたことも一再ではなかった。しかし、まごころのある者はどこにもいるもので、こちらが誠意を尽くす限り、応分の報いにも多く恵まれる。(p.213)

    他人に対して、どこか冷めた気持ちでしか接することができなくなっている自分に、この言葉は本当に刺さりました。お互い様と見れば、自分にも人に対する誠意が欠けていたのでは、と反省させられます。

    このような中でこそ、完成した「マルワリード用水路」は、逃げ場を失った多くの人々に希望を与え続けるだろう。私もその一人である。「アフガニスタン」は忘れ去られたが、私たちの共有した労苦と喜びの結晶は、人々の命の営みが続く限り記憶されるだろう。これは人間の仕事である。(p.341)

  • 【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001422376
    請求記号を控えて書架へGO!

    貸出の際は、IC学生証・IC職員証または図書館利用証をお持ちください。
    一般の方は事前にこちらをご確認ください。
    https://www.lib.hokudai.ac.jp/services/visitors/service-guides/

  • 【鹿大図書館の所蔵情報】
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA8408586X

    【選書ツアーコメント】
    砂漠に用水路を拓く建造に至るまでに土木、政治、
    そして人種などの様々な苦難を書いた本

  • 開発目標6:安全な水とトイレを世界中に
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB99055503

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2019年度第6回図書館企画展示
    「追悼展示:中村哲氏執筆本等」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2020年1月6日(月) ~ 2020年2月28日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  • 医者、用水路を拓くーアフガンの大地から世界の虚構に挑む
    著作者:中村哲
    石風社
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 環境問題に翻弄されつつも、過去の日本・今のアフガニスタンから学びつつ用水路を作り上げていく。土木工学を学ぶ学生さんも読むべきかと。

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