医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む

著者 :
  • 石風社
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883441556

作品紹介・あらすじ

白衣を脱ぎメスを重機のレバーに代え大地の医者となる。「百の診療所より一本の用水路を!」パキスタン・アフガニスタンで一九八四年から診療を続ける医者が、戦乱と大旱魃の中、一五〇〇本の井戸を掘り、一三キロの用水路を拓く。「国際社会」という虚構に惑わされず、真に世界の実相を読み解くために記された渾身の報告。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、中村哲さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    中村 哲(なかむら てつ、1946年9月15日 - 2019年12月4日)は、日本の医師(脳神経内科)。勲等は旭日小綬章。アフガニスタンではカカ・ムラト(کاکا مراد、「雅也変なへんたいおじさん」)、カカムラッドとも呼ばれる。
    銃撃により、73歳没。

    実に、残念な亡くなり方をされました。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    白衣を脱ぎメスを重機のレバーに代え大地の医者となる。「百の診療所より一本の用水路を!」パキスタン・アフガニスタンで一九八四年から診療を続ける医者が、戦乱と大旱魃の中、一五〇〇本の井戸を掘り、一三キロの用水路を拓く。「国際社会」という虚構に惑わされず、真に世界の実相を読み解くために記された渾身の報告。

  • 詳細は、こちらをご覧ください
    あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート
     → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1435.html

  • 涙を抑えながら読むのが大変でした。
    6億円の巨費と膨大な人力(人数・時間)をかけた用水路が危機に瀕したとき、著者を呼ぶ息子の声。「おとうさん」。
    たった2週間の看とりで、息子を喪った父がどんな思いでそれを聞いたのか・・・。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      何度か、中村哲の話を聞きに行ったが、朴訥で誠実そのものでした。
      他人のために尽くしても、理不尽な不幸は等しく遣って来るんだと思い悲しくなりま...
      何度か、中村哲の話を聞きに行ったが、朴訥で誠実そのものでした。
      他人のために尽くしても、理不尽な不幸は等しく遣って来るんだと思い悲しくなりました。。。
      2012/11/15
  • 中村医師の息子さんが病気で亡くなる間際まで、アフガニスタンでの活動を続けられたくだりは、思わず背筋を伸ばして読みました。
    わが子の死に当たってなお「空爆と飢餓で犠牲になった子の親たちの気持ちがいっそう分かるようになった」と記す中村医師の志の高さに、ただただ頭が下がります。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/49494

  • 開発目標6:安全な水とトイレを世界中に
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99055503


  • 平和とは決して人間同士だけの問題ではなく、自然との関わり方に深く依拠していることは確かである
    皆が殺到するなら誰かがやる。誰もが行きたがらぬところへ行け、誰もがやりたがることをなせというのが私たちの基本方針である
    享年十歳、親ににず優しい聡明な子であった。家中に鳴き声があふれたが、アフガニスタン現地の今後も考え、情を殺して冷静に対処せねばならなかった
    幼い子失うのは辛いものである。しばらく空白感で呆然と日々を過ごした
    人にとって何か大切な物を心のどこかに刻む、そのことが何よりもかけがえのない収穫だと思う

  • 宮澤賢治の「東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ」とは、人が誰しも持ち合わせているであろう相互扶助の精神である。
    日本とは気候やインフラを含めた環境があまりにも異なるアフガニスタンの地で、人々がほんとうに求めているものは何かということを突き詰めた結果、ペシャワール会が出したその一つの答えが、用水路を拓くことであった。
    国際協力とか国際援助などと言うが、はたしてそれらの活動は、実際にどの程度その国の国民を「援助」していることになっているのか、現地で実際に人々の生活をつぶさに観察しないことには、軽々とその具体的方策を立案することはできないであろう。そうした国際援助・協力の確かな記録が、この書である。

  • メモ
    ・(用水路設計にあたり)「後になって知ったことだが」「ずいぶん回り道もあった」という一文を見て

    既にどこか(この世)にある知識・方法だろうが、自ら行き着くことが可能であり、遅かろうが回り道をしようが「何でだよ!」とはおもわず(めちゃくちゃおもうことばかりだけど)「構わないじゃないか…」と少しだけ思えるな。


    ・「お花畑」って書かれてていい(まァ皮肉も含まれてるのかもしれないけど


    合掌

  • 20200421 昨年、襲撃されて亡くなられた中村哲さんの記録。生き方として心を打たれた。一言の重さが違う。国内で本質も知らない識者の提言を受けた政策の虚しさが見えて来る。今の日本に必要な人間の見本のような生涯。未来に名前を残すのは誰か。若い人に読んでもらいたい。

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著者プロフィール

1946年(昭和21年)福岡県生まれ。医師。PMS(平和医療団・日本)総院長/ペシャワール会現地代表。
九州大学医学部卒業。日本国内の病院勤務を経て、84年にパキスタンのペシャワールに赴任。以来、ハンセン病を中心とした貧困層の診療に携わる。87年よりアフガニスタン難民のための医療チームを結成し、山岳無医地区での診療を開始。91年よりアフガニスタン東部山岳地帯に三つの診療所を開設し、98年にはペシャワールにPMS基地病院を設立。2000年からは診療活動と同時に、大干ばつに見舞われたアフガニスタン国内の水源確保のために井戸掘削とカレーズ(地下水路)の復旧を行う。03年、「緑の大地計画」に着手、ナンガラハル州に全長27キロメートルに及ぶ灌漑用水路を建設。その後も砂嵐や洪水と闘いながら沙漠化した農地を復旧した。マグサイサイ賞「平和と国際理解部門」、福岡アジア文化賞大賞など受賞多数。19年10月にはアフガニスタン政府から名誉市民証を授与される。
2019年12月4日、アフガニスタンのジャララバードで凶弾に倒れる。
著書:『ペシャワールにて』『ダラエ・ヌールへの道』『医者 井戸を掘る』『医は国境を越えて』『医者、用水路を拓く』(以上、石風社)、『天、共に在り』『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』(以上、NHK出版)、『アフガン・緑の大地計画』(PMS&ペシャワール会)、『希望の一滴』(西日本新聞社)など。

「2023年 『中村哲 思索と行動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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