図書館長論の試み

著者 :
  • 樹村房
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本棚登録 : 56
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883672356

作品紹介・あらすじ

『だから図書館めぐりはやめられない』『図書館はラビリンス』の著者が「図書館長の仕事」に焦点を絞り全国の関係者へ向けて真摯に発信する実践的提言集!

感想・レビュー・書評

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  • 学校図書館の館長とはいったい誰なのか?ということを考えさせられた本。

    大学図書館と公共図書館に勤務した経験がかつてあるけれど、どちらも委託業務だったので館長と接することはほとんど無かった。そして学校司書をしている現在は当然館長はいない。それ故、漠然と抱いていた館長に対するイメージがこの本を読むことで具体化されたことはもちろん、図書館長論を通じて図書館の管理・運営・図書館員の心得も学ぶこともできた。

    さらにその上で、では学校図書館において「館長」の役割は誰が担うのか?ということも考えさせられた。

    学校長は学校現場の教職員に対する責を追うし教職員同士のコミュニケーションや学校の管理・運営の役割も担うが、学校図書館に関しては専門家では無く専門的な指導や図書館運営に深く携わることができない。

    研修を所管する教育委員会は指導主事などが学校図書館担当者を兼ねることが多いが、学校図書館に疎いことが多く担当者は短期間で変わってしまう。

    では現場で働く学校司書が館長かと言うと決してそんなことはない。この本の中に出てくる館長が担うことを学校司書が担うことがあるが、学校の管理職や教育委員会の学校図書館担当以上の権限を持つことはない。そもそも学校司書不在の学校やいても厳しい雇用条件の学校が大半であり、館長どころか図書館員不在だ。

    学校図書館では館長の役割が分散されており、なおかつそれぞれが役割を十分に担っていない、担えない状況にある。図書館長不在の学校図書館において、とかくおざなりになりがちなことがこの本を読むと浮き彫りにされるように思う。

  • 茨城県鹿嶋市や長野県塩尻市で図書館長を歴任した著者の経験を踏まえた、図書館長論。図書館長の仕事、使命をわかりやすく解説。
    図書館長だけにとどまらず、図書館運営に携わる職員にとって、とても有益な内容となっている。

  • 内野先生の館長論。全国の館長の提言もあり。勇気が出た。

  • 前から読まないと、と思っていた内野先生の図書館長論。
    ご自分の経験を踏まえた上で、新任館長向けに、館長が気を払うべきポイントについてトピックごとに簡潔にまとめられている。

  • 図書館における新任の図書館長や管理職の方々にぜひ読んでいただきたい本です。

  • 仕事で人の上に立つ方々は、もともとすぐれた資質をお持ちな事はもちろん、キャリアを積みながらスキルアップし何が起きても臨機応変に対処できる基本的な知恵と手段を身につけ、そうして行く中で人格も磨かれていくのだろう…などと、若い頃は漠然と思っていた。
    しかしながら、ここ数年、周囲を見渡し、自分のこれまでとこれからを考えるにつけ、どうもそうではない、そんなわけはやはりない、人は求められる職や立場に置かれるにあたっては、それ相応の訓練と練習が必要なのだと強く感じるようになった。
    この本は、こうした訓練と練習のための格好のテキストである。

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著者プロフィール

ライブラリアン・コーディネーター,FMラジオパーソナリティ,常磐大学・同志社大学・熊本学園大学非常勤講師
1956(昭和31)年茨城県鹿嶋市生まれ。鹿嶋市,塩尻市に33年間勤務。両市で図書館長を務め,定年を待たず早期退職しフリーランスに
著書に『だから図書館めぐりはやめられない』(ほおずき書籍 2012年),『図書館はラビリンス』(樹村房 2012年),『図書館長論の試み』(樹村房 2014年),『図書館はまちのたからもの』(日外アソシエーツ 2016年),『クルマの図書館コレクション』(郵研社 2016年)などがある

「2017年 『ちょっとマニアックな図書館コレクション談義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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