幽霊海賊 (ナイトランド叢書)

  • 書苑新社
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本棚登録 : 49
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883752072

感想・レビュー・書評

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  • 船を襲う怪異を描いた長編怪奇小説。地味な印象なのだけれど、とにかく不気味。これを読むと船が、というか海が怖くなります。
    最初は本当に些細な怪異で、まあそれはそれで怖くはあるのですが。じわじわと迫りくるように頻度を増し、そしてまた程度も増して次々と犠牲者が増えるさまが怖い……というか、嫌。海の上って逃げ場がないんですよねえ。陸へ逃げようにも、接岸も叶わないというこの絶望的状況。嫌すぎます。
    ラストはもう圧巻。いや、それだったらもういっそのこと最初からこうやってくれ! じわじわいたぶられるほうが嫌だ! という気になってしまいました。あっけらかんと「ホラー」と評するより、やはり「怪奇小説」と呼ぶのが似合うかな。

  • ■書名

    書名:幽霊海賊 (ナイトランド叢書)
    著者:ウィリアム・ホープ・ホジスン (著), 夏来 健次 (翻訳)

    ■概要

    海外の怪奇幻想小説から、本邦初訳の古典作品を中心に、傑作を選りすぐり、
    一流の翻訳で贈る、ホラー愛好者待望のナイトランド叢書、ついに創刊!

    航海のあいだ、絶え間なくつきまとう幻の船影。夜の甲板で乗員を襲う見えない怪異。
    底知れぬ海の恐怖を描く怪奇小説、本邦初訳!
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    ホラー小説ってほとんど読まないけど、この人の小説は好き。
    この人の他の小説もそうだけど、現実ともう一つの世界の狭間を描いて、
    お互いの世界がある前提で、こちらの世界にやってくる恐怖を描いています。
    これが、なかなか面白い。
    ホラー映画ってどこからきているか分からないけど、急に現れるというのが
    多い気がするけど、これは、そのあらわれる境目が描かれるというのが怖さを
    ある意味増幅させています。
    分かっている怖さというのかな?
    来るのは分かっているけど、何もできない怖さ。

    これで3部作全部読み終わってしまった・・・・・
    残念です・・・・

  • タイトルまんまの航行中の船で起きるゴーストストーリー。
    読みやすくて面白かった。

  • 幽霊船的なものとはちょっと違うな感じ。本質的には同じだが、分かりやすいビジュアルがなく不穏な空気がひたすら流れてるって感じだったな。
    幽霊海賊が現れてからのカタストロフは実にあっけない

  • やっと入手。ホジスンのボーダーランド三部作の3作目。近刊に野村芳夫氏訳の1作目が予定されている。思えばハヤカワ文庫の団精二(荒俣宏)訳の異次元を覗く家を読んでから幾星霜…
    カーナッキの新訳を担当した方なので安心して耽読中。

  • 船乗りたちの不安や怯えが伝わってくる。臨場感が半端ない。

  •  1909年作。航海中の帆船上で見知らぬ恐怖がじわじわ迫る様子が描かれる筋立て自体シンプルで長尺ではないのでストレートに話は進行する。しかし視覚的な描写と確かな筆致で、逃げ場のない洋上というシチュエーションもあって引き込まれる。また怪奇現象に対してそれがどのような結果を招きうるのかについて理知的な考察がなされるところにカーナッキものとの共通点がみられ、ホジスンの現代性が感じられる。
     若い頃は体が弱く船員生活ではいじめられるも、その後ボディビルで体を鍛え(縄抜けをするフーディーニを力いっぱい縛り上げたことがあるとか)、やがては志願兵として40歳で戦死するという波乱の生涯だったことも本書で知った。なんとなくジェラルド・カーシュを連想したり。

  • 『夜の声』などで知られる英国の怪奇小説作家、W・H・ホジスンの海洋怪奇長編。作者の序文に『本書を以て三部作の掉尾とする』とあったので、第一部と第二部が刊行済みなのかと焦ったが、そちらは未刊だった(近刊予定にはある)。刊行順については巻末の解説で理由が述べられている。

    本書は、遭難した船からたった1人救助された船員が、当該船の中でいったい何が起きていたのかを語る……という、英国の怪奇小説では伝統的な構成。
    当初から不気味な噂のある船、何かを知っていそうな船員、主人公が目撃した『影』など、怪奇小説の王道を歩みながらも終盤にかけてはパニックホラー的な要素もあって楽しめた。
    『動きの悪魔』の『鉄道』にしろ、本書の『船』にしろ、乗り物というのは基本的に閉鎖空間で、特に船は一度出港してしまえば更に密室度が高まる環境。ホラーと相性がいいのは当たり前と言えば当たり前。一見、密室ではないバイクにしても、全国各地に『首無しライダー』の噂があったりするしw ただ、こういった乗り物を舞台にした怪奇小説は、古典と呼ばれる作品の方が面白い気がする。Wi-Fiだって使える東海道新幹線に幽霊が出てもあまり怖くないしな……。
    とにかく、第一部、第二部の刊行も楽しみ。早く出ないかな〜。

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著者プロフィール

1877年、英国エセックス州に生まれる。十代で船員となり、苦労のすえ三等航海士の資格を取得。下船後、体育学校の経営者、写真家を経て、1904年に小説家となる。代表作に怪奇長篇『幽霊海賊』『異次元を覗く家』(アトリエサード)、幻想長篇『ナイトランド』(原書房)などがある。1914年、第一次世界大戦に従軍し、1918年にベルギーで戦死。後に再評価され、海洋奇譚集『海ふかく』(国書刊行会)はじめ多くの作品が出版された。

「2016年 『〈グレン・キャリグ号〉のボート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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