ヴァージニア

著者 :
  • 青林工藝舎
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883790869

感想・レビュー・書評

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  • 近藤ようこさんの作品『ヴァージニア(2001)』を読了。今年(2019年)の9月15日に漫画・あだちつよし氏、原作・宮崎克氏の「怪奇まんが道 奇想天外編(2017)」を読んでから・・・近藤ようこさんの作品が気になっていた。 この『ヴァージニア(2001)』は超絶良かった。特に・・・”しっかり者の行方”と”セカンドヴァージン”がGood!!

  • 厳格な祖父母のもとで、かれらの望むように、きよくただしい生活をつづけてきた志乃。奔放な母に反発心を抱く彼女は、学生時代から地味で真面目で、二十歳を過ぎてもそれはかわらなかった。そのせいで三十路をこえた今もろくな恋愛経験がない。才色兼備のエリートOL小織もまた、なんとなく機会をのがしたまま三十代になってしまった。野心のなさに嫌気がさして、じぶんからふったかつての恋人は、とうに結婚してすでに子持ちだ。母をなくした高校生のころより、ふたりの妹と父の世話をしてきた、しっかり者の奈緒は、家族にも彼氏にもふりまわされるばかりで、なかなか幸せをみつけられない。「ヴァージニア」はそんな不器用で臆病で奥手な大人の女のはなしだ。親友の今日子が死んで、女友達への恋心にようやく気づいた佐和。冴えない過去と田舎そだちを恥じて、都会の女になろうと必死な涼子。かっこよくてモテるが、わがままで思いやりのない男とわかれて10年、セカンド・ヴァージンの可南子。彼女たちは皆、処女がおもくてたまらない。そらそうだろうなとおもう。おれなんかもう十代にしてとてつもない重圧をかんじていたくらいだから。ヴァージンて良性腫瘍みたいなもので、そのしこりが気になってしかたない人もいれば、そうじゃない人もいる。はじめは気にならなくても、いつのまにか肥大して、気にせざるをえなくなることも。いずれにせよ扱いがむずかしい。この本はそのへんをえがく。

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著者プロフィール

1957年新潟市生まれ。漫画家。国学院大学文学部卒。大学在学中にデビュー。「見晴らしガ丘にて」で第15回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。折ロ民俗学や中世文学への造詣が深く、安吾や漱石作品の漫画化にも取り組む。作品は「水鏡綺譚」「説経小栗判官」「ルームメイツ」「恋スル古事記」「戦争と一人の女」「死者の書」「夢十夜」ほか多数。第18回文化庁メディア芸術祭大賞受賞。

「2021年 『兄帰る 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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