- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883806812
作品紹介・あらすじ
二〇〇六年末から激しい競争が繰り広げられてきた次世代ゲーム機戦争。だがここにきて、その結果は明らかとなってきた。「任天堂の圧勝」「ソニーの敗北」…。性能の面では他社を圧倒したはずのPS3は、なぜユーザーの支持を得られなかったのか。強大なはずのソニー帝国は、いかにして自滅の道へと突き進んだのか。PS3開発計画の裏に見え隠れする、巨大企業ソニーの問題点を検証する。
感想・レビュー・書評
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本書は、2007年に刊行された本で、プレステ3が、というよりは「技術のソニー」の凋落を論じた内容になっています
ちなみにプレステ3自体は国内販売としては1000万台を超え、世界的にも8700万台が販売されていまs
たしかに全世界1億台販売のWiiに比べれば少ないが、その差も1〜2割程度で「失敗」というほどのものではない
ただ、技術のソニーの凋落については、
・技術力の低下
・会社としての限界
・ユーザ軽視の姿勢
など根拠を示しつつ、丁寧に説明されていて納得できる内容であった
本書を機会にソニーのHPを見たが特に欲しい商品はなかったし、何か買うならぜひともソニーとはならず他社と比較して良ければレベルなのだから、「技術のソニー」も単なる1メーカーになってしまったのだなと寂しく思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プレステ3を題材にしつつ、結局ありがちなソニー批判になっている一冊。それにしては取材が足りないし、インタビューとかも寄せ集め。
そして「~である。なぜか?」と、無駄に文字数を増やす努力が痛々しくてさらっと読めるはずの一冊が辛かった。
一方でPSPを成功と分析するのであれば、そっちもきちんと書いて欲しいし、論文にもなっていないしエッセイとも言えないなんか中途半端な感じ。
出版社が出版社なので期待してなかったですけど。 -
2012年3月11日読了。ソニーという企業が抱える病、社内政治、企業ビジョンの読み違いなどから、「プレステ3が失敗するべくして失敗した」ことを解説する書。一言で言うと「ソニー全社で総力を挙げてプレステ3を成功させるべく動くことができなかった」ことが原因。なぜそうなったかというと「当時の文系出身社長・出井氏の技術への理解不足」「SCEの牽引者・久夛良木氏への社内の反発」「ブルーレイの利権のための取引材料とされた」「ゲーム機なのか何なのか、位置付けが不明確」「市場を考慮しない価格付け」など、挙げればきりがないほど・・・。技術者にとって開発しやすいマシン・開発を促進する環境を整えたことがPS1の成功の要因だったが、PS2のビジネスにおいてPS1の成功を分析せず、プレステ3でもPS2のビジネスモデルを踏襲してしまったことが悲劇の始まりだったのか・・・。我が家にもプレステ3はあるが、熱量がすごすぎてブルーレイ再生機としても使用していない。哀しいことだ。
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「超クソゲー」のライター、多根氏の著書。今更ながら読みました。2007年著なので4年ほど前ですね。
「失敗」と結論付けされてはいるが、ソニーへの優しさが文面に滲み出てて納得できる部分も多い。
価格面で損している部分は、今の価格になってようやくPS3が適正価格になったと感じるから多分合ってるんでしょう。 -
(推薦者コメント)
正直なところ、この書名では選定されないと思うが、本書はPS3が当初売れなかった理由を探ることに始まり、ソニーという大企業の抱える潜在的問題点を端的に纏めたものである。その視点は、ソニーにとどまらず、数多くの大企業にも当てはまる“落とし穴”であろうと思える。 -
ゲーム機から、ソニーという会社の問題点を分析した本である。ファミコンからリアルタイムで見て来たゲーム機の歴史を振り返る事が出来て面白い。因みにPS3はもっておりませぬ。
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多根さんは「地雷をポイ捨てする」という表現が相応しいと言うべきか、無感情的に痛烈な皮肉を置いていく。気づかない者にはそのまま真面目な文面に見えネタを理解する者にはグッとつぼを突いた笑いを与える。
本書はあくまで考察の域を出ず、学問的では無い。個人の意見、思い入れを視野に含め過ぎているという意味でね。 -
恥ずかしながら「エコシステム」って言葉をこの本で初めて知った。
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ソニーとSCEの関係が少しわかります。
現在のPS3の状況と比較すると、「そういえば出た当時はこんな印象だったな。」と思い出させてくれました。
タイトルからは否定的なイメージが浮かびますが、内容はPS3を応援する立場です。タイトルが完全に勝っていて、内容で驚くことはさほどないです。 -
まだだ!ま〜だ終わってなーい!