- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883810475
作品紹介・あらすじ
酒はやめられるのか!?その時、家族がとった行動は!?そして、待っていた意外な結末…。強制入院したアルコール病棟で起こる珍奇な騒動。別れた元妻と子どもたちとの優しい時間。情けなくも笑えて切ない脱アル中私小説。
感想・レビュー・書評
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2007年に亡くなった戦場カメラマン鴨志田譲の自伝的小説。
アルコール依存症の主人公が入退院を繰り返すさま、家族との交流、そしてアルコール依存から脱却して行く姿、悲喜こもごもがユーモアたっぷりに描かれている。
私は西原理恵子さんの作品も読んだことがないだけでなく、鴨志田さんの名前すら聞いたことがなかった。
夫側から書いたこの作品、妻側から書いた「毎日かあさん」、その両方が映画化されているんだなあ。
有名な夫婦だったんだ・・・。
角田さんがこの本を推薦していたので読んでみたのだが、なるほど面白かった。
主人公のダメさ加減にイラっとしたり、家族の優しさにほろっとしたり。
周りに迷惑をかけっぱなしでそれでも自分の生きたいように生きる主人公。
で、最終的にそれを受け入れてしまう周囲の人々。
いるよな~、こう言う人。
傍から見たら迷惑千万なんだけど、許してしまえる何かを持っているんだと思う。
この本を出版して間もなく亡くなった鴨志田さん。
幸せな人生だったろうなと勝手に想像する。
帰る家があるって素敵だな。
最期に家族と過ごせるって素敵だな。
やっぱり死んだもん勝ちだよな・・、なんて不謹慎かなやっぱり。 -
この本は、戦場カメラマン・鴨志田穣(1964年7月2日 - 2007年3月20日)さんの自伝的小説。
鴨志田穣さんは、腎臓癌(正確には平滑筋肉腫)のため42歳で亡くなられている。
戦場カメラマンという職業故か、アルコール依存症になり、苦しまれたようである。
その辺を、ウィキペディアでは、次のように書かれている。
世界の紛争地帯を取材し続け、目の前で人が死んで行く様、自分にも向けられる銃口、必死に銃を持つ子供たちなど、数えきれない現実の場面を目の当たりにし、極限のストレスから重度のアルコール依存症となる。 -
何度も吐血し、倒れて運ばれる。何度、苦しい思いをしても、退院と同時にまた、酒を飲む。
アルコール依存症とは、なんて恐ろしい病気なのだろう。
一緒に入院していた人の「どうしてアル中になったか、どれだけ人に迷惑をかけたかがわからなきゃお酒は断てない」という言葉に重みを感じる。
入院している誰もが、うちに帰りたいけど帰れないでいるのだ。
意志の力だけではどうにもならない大変さと、家族の存在のありがたみを改めて思った。 -
著者が元戦場カメラマンだからだろうか、とても過酷の状況なのに非常に達観しているというか、他人事のように現実感がないというか、少しさめた目線で自身の置かれた状況を描いている。おそらく普通のアルコール依存症患者はこういう風にはいかないだろう。
他の多くの闘病の本で描かれるのはいかにして乗り越えたかとか、どん底の状態からいかに光を見出すかとか、詳細な治療方法と医療に対する批判とか、同じ病気で苦しむ人の救いになるような内容である。しかし、この本はあくまでも自伝である。アルコール依存の恐ろしさは伝わってくるが、これを読めば治るとかアル中の苦しみが和らぐといった類の本ではない。
安易に自分の経験を一般化して同情を引きながら納得させてしまうような本が多い中で、冷静に自分を見つめている大変珍しい内容だと思う。あれだけ世界を飛び回っていた人が最後に選んだ戦場がアルコール依存症患者専門の閉鎖病棟だとは。鴨志田ファンとしては悲しくなる。
しかし、鴨志田穣氏の最後の著書なだけに思いいれもたっぷりある。自身の過去への後悔も妻と子供への愛情も痛いほど伝わってくる。アルコールに逃げるのはやめようと思わせるには十分なほどに。実際に鴨志田氏はアルコール依存症を断つためにタイで出家までしている。それでもやめられないのは本人の気持ちの弱さだけでは説明ができない。恐ろしい病気なのだと思う。
もうお亡くなりになってから二年がたつんですね -
アルコール依存性の恐ろしさが当事者目線から痛いほど伝わってきた。
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2018/10/25
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元奥さんの立場の映画を見て、こちらも読んだ。体質や病気で禁酒する話しを周りで聞くようになったが、アルコール中毒の恐ろしさがわかった。
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図書館で。
アルコール白書を読んだので鴨志田さん側の話も読んでみようかなぁと借りてみました。まあ、うん。酷いなぁ。
アルコール依存症とは病気であり、病的なまでにアルコールに固執する。治すためには専門的な治療が必要…とはいうものの… 結局は一定期間入院させてアルコールを抜き、その人の病状をきちんと認めさせ、同病相憐れむ…では無いですが同じ病に苦しむ人達が居る事を知り、乗り越えて行こう…という感じなんですね。つまり。アルコールを飲まなければ再発はしない。まあその飲まなければ良い、がとてつもなく難しいんだろうけれども。まあそこを止めよう、でやめられる人だったら依存症にはならないよなぁ~
でも言ったら申し訳ないけどここまで酷い暮らしをしていては身体を壊すのも仕方ないんじゃなかろうかと。癌と宣告された時はショックだったとありましたが…散々吐血して死にますよ、と宣言されていたのにも関わらず本人は本当に死んでしまうという事からも逃げてたのかなぁ。なんか…そういう怖いものから逃げるためにお酒をのんでいて一気にツケが回ってきたのはワカルけど。その溜まり溜まったツケは病気の所為だけではないと思う。
でも彼は果たして癌でなかったら。退院後にきちんとお酒を止められていたのだろうか、とはちょっと思いました。きちんとしたカウンセラーにかかるなり、自分で自分の生活を見直そうと決意して周囲に頭を下げなかったらなんだかやっぱり無理だったんじゃないかなぁとも思う。病気だから仕方ないのかもしれないけれども感謝が無く、自己本位で読んでいてちょっと疲れました。カレーが食べれなくて医者や看護師を恨んだって…(笑)アンタの消化器系が荒れてるのはアンタの暴飲の所為だろうが(笑)私だったらハイハイだったら好きなモノ食べてどうぞ、とか言っちゃうだろうけど医療従事者って偉いなぁ~ でもその、「病気だから仕方ない」ってどこまで通じるのかなぁ…とちょっと疑問にも思いましたよ…。
何の逡巡もなく、別れた奥さんに「君と子供の元に帰りたい」とか言いだす辺り、ああ…合わせる顔が無いとか自分がしっかりしなきゃとか自立しようとか…そう言う気が全然無いのかなぁなんて思うと…優しい人だったのかもしれないけどやっぱりダメな人だったんだろうなぁ。そういう意味でちょっと悲しくなりました。
西原ファン多いのですね(*^^*)
「怒涛の虫」ですね!チェックしてみます。
西原さん...
西原ファン多いのですね(*^^*)
「怒涛の虫」ですね!チェックしてみます。
西原さんも猫好きなんですよね。
またまた角田さんの話で申し訳ないのですが、角田さんの愛猫は西原家からの養子なんですよね。
面白いですね(^_-)
鴨ちゃんのこの小説はあくまで男目線ですからね。
いい話になっちゃってます(^_^;)
女から見た夫婦の姿も読んで見たいです!
ここにもまたファンが!!
みなさんが絶賛されてるのに私ったらどうして読んでないんでしょう!?
こ...
ここにもまたファンが!!
みなさんが絶賛されてるのに私ったらどうして読んでないんでしょう!?
これは大人買いするしかないですね。
西原さん、素敵な人なんですね☆
読むのが楽しみです。