檻の外 (Holly NOVELS)

著者 :
  • スコラマガジン(蒼竜社)
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本棚登録 : 1265
感想 : 156
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883862986

感想・レビュー・書評

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  • 箱の中続編。
    後日談2編も収録されています。
    人生の後半まで書かれたBLは、ほとんど読んだことがありません。
    「雨の中」で、死ぬまで隣にいて欲しいと、人生の欲望に薄い喜多川の、最大の夢が語られます。「なつやすみ」は、喜多川の優しさに満ちています。読んだ人は、その無自覚な優しさに引き込まれてしまうのです。
    BLの枠を超えた家族の在り方を、読んだような感じです。

    • おびのりさん
      これ名作だわ。
      これ名作だわ。
      2023/07/14
    • みんみんさん
      誰かが木原作品は詰将棋って言ってた笑
      凄まじい執着でノンケを追い詰めるからって
      誰かが木原作品は詰将棋って言ってた笑
      凄まじい執着でノンケを追い詰めるからって
      2023/07/14
    • おびのりさん
      そして、詰むんだよ。
      もはや、BLじゃないよね。
      そして、詰むんだよ。
      もはや、BLじゃないよね。
      2023/07/14
  • 『箱の中』の続編。穏やかに見届けた感じ。

  • 文庫版にはなつやすみが収録されてないと教えて頂いた皆様ありがとうございました。本編ではびっくりな展開にまたまた苦しくなり、雨の日でふたりの優しくて温かい感じにニヤニヤして、なつやすみで大号泣。涙で文字が読めませんでした。読み終えてしばし呆然となりました。なんというか、心がいっぱいというか…。貸してくれた友達に感謝、次回本屋さんに行ったときに購入決定です。

  • 文庫版「箱の中」の完結のために。BLのそういうシーンに目を奪われて大事な事を見逃してはいかんよ、勿体無いよ。と、このジャンルを避けてる方々に申し上げたい。『雨の日』からは喜多川からの語りになるので、それまで語彙が少なく常識が乏しく思えた喜多川が随分と人間性が豊かになったように思われて、それだけでも彼らの満たされた生活が感じ取れます。本編で打ちのめされはしても落涙までなりませんでしたが、『なつやすみ』、これは…決壊。

  • オレは今、木原本を毛嫌いしていたことをモーレツに反省した。
    なんだこのよさは!
    色々あって苦しいだろう状況を優しい夏が通り過ぎていく「なつやすみ」号泣ものだった。
    そしてまさか最後の最後まで書くとは!!

  • いやぁ…前作を読んでから、いてもたってもいられずに手を出しました。
    翌日仕事で眠くても、眠さなんて吹っ飛ぶくらい引き込まれます。
    心をごっそり持ってかれてしまって、真夜中に放心状態です。
    心をね、抉られてしまう。

    結局はハッピーエンドなんですが、これは家族愛に恵まれなかった喜多川の生涯の物語だったと思います。堂野が喜多川にむけた愛は、恋愛感情での愛ではなく、家族に向ける愛に近かったのではないかと思う。
    『死ぬまで一緒にいてくれ』と、そう願った喜多川の言葉の通り、堂野は
    最後まで、それこそ、喜多川が息を引き取るそのときまで側にいた。
    喜多川は本当に幸せだったんだとうな、と。

    堂野の元妻の子供、尚の視点で書かれた『なつやすみ』に至っては、もう
    涙がだらだら流れっぱなしで、堪らなかったです。

  • 「箱の中」では描かれなかった彼らのその後が読めました。
    箱の中とはうってかわってあったかい気持ちになれる1冊。

    個人的な願望ですが箱の中を小説版で購入したので
    箱の中と同じ絵で檻の外も小説版出してくれないかなぁって思っています。

  • ここまで号泣した作品は他にありません。
    「雨の日」と「なつやすみ」までを読んで、この作品は完結するのだと思います(文庫版にも入れてくれればいいのに…!)

    「箱の中」で出会った堂野と喜多川が辛い出来事や困難を乗り越え、添い遂げ、そして喜多川の最期を堂野が見送ってあげるまでが描かれています。

    何も持っていなかった喜多川は、堂野を、家を、犬を、子供と過ごす夏休みまでもを手に入れ、最愛のひとに看取られて幸せに逝ったのだなあと、読み終えたときには自分も堂野といっしょに喜多川を見送ってあげられたような辛いけれどほっとしたような、不思議な気持ちになりました。

    純粋で不器用でひたむきな喜多川。彼の人生に堂野がいてくれてよかった。

  • 『雨の日』『なつやすみ』目的に。
    行為が割と直接的で驚いたが それ以上に喜多川のビフォーアフターに驚いた。
    きっと、46歳になるまで、堂野と 「人間らしい」生活を送ってきたのだろうな、と。

    母親の再婚相手にも驚いたが、まぁ、ドウナンダロウ??
    とも思うけれど、長い時間もたったようだし
    (元妻はどうなったのだろう??)

    最期は悲しいが
    以前 付録?で堂野の母親が亡くなり、 自分が先に死ぬ可能性を考えて。。。 という話があったそうで。


    作中でも 養子になったことにチラリと触れていたが

    きっとそこに至るまでを 見事に心情を描き切っているだろうから
    その付録「すすきのはら」を入れて
    もう一度 出版してくれないだろうか。。。


    (そしてもっと贅沢を言うなら
    R指定ナシの作品にして 全年齢の人に読んでもらいたいなぁ。。
    いろいろ 考えさせられるとおもうのだ。。。)

  • 文庫には載っていない「なつやすみ」が読みたくて新書を買い直しました。
    読めてよかった。喜多川が亡くなる話なのは先に知ってしまっていたが自分で読めてよかった。喜多川が堂野に看取られて亡くなったと、その後を書いてくれた木原先生に感謝。涙が止まりません。

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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