秘密 (Holly NOVELS)

著者 :
  • スコラマガジン(蒼竜社)
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本棚登録 : 618
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883863198

感想・レビュー・書評

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  • ネタバレを知った上で読んだけど、楽しめました。
    本編もよかったのですが、充の家族の話がとてもよかったです。充の家族に対する思いが、もしかしたら少しだけ報われるかもしれないと感じさせる結末にほっとしました。

  • 恋人を殺して冷凍庫に入れてしまい・・・という
    衝撃の冒頭ですが、読んで行くうちに、
    これは妄想だな・・・と何となく分かって行きます。
    そういう意味では、あまり「秘密」ではなかった。
    でもこれは、ディスレクシアの充の物語だったのですね。
    ディスレクシアについてこんなにガッツリ書いた小説は珍しいのではないでしょうか。
    充の生い立ちが悲しく辛く、
    どうしようもない男に惚れてしまい、
    従兄の孝則のいらだちがよく分かったのですが、
    (でもあなたも大概酷かったですがね・・・)
    最終的には啓太がすごくいい恋人になって、
    献身的に充を支えてあげていて、暖かいラストでした。
    充の家族とも和解できそうで良かったな・・・。
    さぞかし痛い展開なのだろうなと思ったから
    ホッとしました。読後感がとてもよかったです。

  • 最初は知的障害の話かと思っていたら、識字障害のひとの話だった。最初はどうなるかと、ハラハラ読んでいたけど、ハッピーエンドで終わっていて、すごく読了感がよい。

    茶屋町勝呂の挿絵のせいか、魚住くんシリーズを連想。どこか、純粋なところの残った男が、魚住くんとカブる。
    これも、続きがよみたくなる話。

  • ★4.0。木原さん初読。戦々恐々として読んだら、サスペンスのような仄暗さに引き込まれ、最終的にいい話だなあと感動。基本的にサスペンスやミステリー系のBLが好きなのでそれだけでも読みごたえあったんですが、受の身代わりになるほどの攻のピュアなヤンデレ愛が充分過ぎるほど報われて良かったな…としみじみする読後感でした。あんなに頼りなさそうなのにSEX上手の絶倫攻というのも…狡い(笑)どこか利己的だった受があそこまで甲斐甲斐いしくなるとは。愛だなあ、愛。身構えてたけど、これは木原作品の中では甘い部類なのかな。

  • カミュの小説みたいでおもしろかった。妄想癖のある受け萌えるな。

  • 最後ハッピーエンドだ。平凡やけどみんな幸せなのがいいよね。

  • こういうパニック小説好きです。
    かわいいカップルで個人的には大好き。

  • それぞれに人には言えない秘密を抱えた人々のお話。ミステリー仕立てというか、ホラーじみた仄暗さを感じる。息もせずに(というくらいの緊張感で)最後まで一気に読みました。常々思うのですが、この作者は、第三者から見た主人公カップルを描くのがうまい。

  • 個人的にすごく好きな話。Wellと似たような奇怪な雰囲気です。
    しかし木原先生スゴイの書くね。

  • 回送先:町田市立鶴川図書館

    読み書きができないということと人を愛することということが違うという当たり前の現実にどこまで気づきうるのだろうか。

    本書を一読してそう思う。ハンディを描くというのはある意味では残酷なことであるということをまざまざと思い知らされる。

    木原のセックス抜きの本格小説を期待したいと思うのは評者だけであろうか(桜庭一樹とほぼ同等のレベルだし、BLだけを書くにはもはや困難になりつつあるのではないだろうか。一冊のサスペンス小説としても意味が通用する)。

著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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