美しいこと(上) (Holly NOVELS)

著者 :
  • スコラマガジン(蒼竜社)
4.32
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本棚登録 : 1329
感想 : 137
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883863365

作品紹介・あらすじ

松岡洋介は週に一度、美しく女装して街に出かけ、男達の視線を集めて楽しんでいた。ある日、女の姿でナンパされ、散々な目に遭い途方に暮れていた松岡を優しく助けてくれた男がいた。同じ会社で働く、不器用、トロいと評判の冴えない男、寛末だった。女と誤解されたまま寛末と会ううちに、松岡は「好きだ」と告白される。松岡は、女としてもう会わないと決心するが…。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に泣けました。
    寛末の松岡に対する態度があまりにも変わりすぎて、胸が苦しくなりました。
    また、日高ショーコさんの挿絵がすばらしい。
    大切な一冊になりました。

  • 優柔不断な不器用リーマン×優秀リーマン

    女装が趣味の松岡(受け)がとある理由で寛末(攻め)に助けられることからお話が始まります。
    優柔不断な寛末、それでも寛末が好きで振り回される松岡が痛々しかったり、かわいそうだったりな巻で、正直この巻で松岡は報われません。
    下と一緒に読まれることをおすすめします。

    女装…ということで嫌煙される方もいらっしゃるかと思いますが、女装シーンは理由があって。という場面が大半です。
    痛々しい描写が多い木原作品としてはかなり読みやすい作品かと思います。

  • んんー!片想い!!
    寛末のやや重な片想いから一転、松岡の片想い。
    片想いっていうか自分を好き好き言うてた相手にそっぽ向かれりゃ、執着地味たことにもなるか…
    というのか、寛末はなんで松岡扮する江藤葉子にこんなベタ惚れなんや??と読みながら思ってしまった…
    恋愛中に明確な理由なぞ野暮も野暮かいな。

    福田にイライラしたり後半の葉山や藤本にイライラしてしまったんだけど読む手は止めれず…下巻でどうなるのか楽しみです( ˙³˙)福田にギャフン!と言わせる場面はあるのでしょうか!笑

  • [BL作品につき苦手な方ご注意ください]エリート社員松岡が女装姿で出会ったのは同じ会社の冴えない真面目男、寛末。優しくされ、好意を寄せられ、逆に少しずつ深みにはまるように彼に惹かれていきます。彼ならば自分が男だと知っても受け入れてくれるのではなかろうか。ところが実際はそんな簡単にはいきません。おばあちゃんでも小さな子供でも愛せるといった男の態度は、真実を知ったらどうなるか…。一般文庫でも出版されましたが、たしかにこんなにも「男」と付き合うことの葛藤を描くのは木原さんならではだと思います。

  • 女装と聞くとあまりいい作品と出会ってはなかった気がするのですが、今回はよい作品でした。
    面白くて手が止まりませんし、続きを早く読みたい!

  • 夢中になって下巻まで一気に読み終えました。というか,読んでてあまりに心が痛くて,一気に読まずにはいられませんでした。
    タイトルは『美しいこと』とあるけれど,この小説で描かれるのは醜く不器用な人間のこころの揺れ動き。ひどく泥臭くて浅ましくて利己的で,美しさとは程遠い。作中で寛末は,女装姿の松岡が演じる「美しく聡明で茶目っ気のある,架空の女性」に惚れ込むわけだけど,そんな美しいものは本来どこにも存在しなかったわけです。
    「見た目じゃなくて中身が好きなんだ」と口で言うのは簡単ですけど,人間そんなに割り切れない。「やっぱり生理的に無理だった」と男の松岡を徹底的拒絶する寛末の姿は,すごくクズいけど,理解できるから尚更救われない。寛末も松岡も読者も。
    そのどこまでも生々しい恋模様がたまらなく苦しく,いとおしく,面白いのです。

  • 再読。講談社から文庫化されたので読みたくなりました。初めて読んだ時はもう寛末がダメでダメで、松岡の視点で話しが進むから余計に酷すぎる!! と思ってたなぁ… 勿論何度読んでも寛末の態度は酷いと思う部分は多々あるけど、でもリアルではあるんですよね…。リアルに感じるからこそ松岡を想うと痛くて切なくて、何度でも泣いてしまいます。だって松岡頑張ってるんだもの…

  • 二人の所属する会社の社名などは登場せず「恋愛する」ことに比重を置いていて、二人の関係をひたすら描写している作品です。
    ひたすら引っ張って引っ張って・・・まだまだ二人のもだもだは続きます。
    個人的にはストーリーの甘さ辛さのバランスが良い作品だと感じていますが、関係性重視で総合的にも実質いちゃいちゃしてるのはこの巻ではなく下巻のしかもかなり後半だけで、最初からラブラブしてるBLがお好みの方は物足りないかもしれません。

  • 女装という飛び道具を使って、中身は同じなのに性別が違った人を変わらず愛することができるのか。なんていう「愛って何?」という厨二的なことを追求するために、一冊丸々使っての下巻への布石。なので、テーマを追求するために、多少ムリめ展開とかツッコミ所はご愛嬌というところでしょうか。いやー、それにしても寛末の手のひら返しはいっそ清々しいねw (初読の時点では、確か初木原さんだったような記憶)

  • ドラマCDを先に聴いた事があったので
    話の筋は分かっていたのですが、
    それでもものすごく面白かったです。
    松岡の気持ちが分かりすぎたなぁ・・・。
    松岡視点から見る寛末って本当に
    いい人で可愛らしい。
    喜ぶんならずっと美人の恋人でいてあげたい。
    でも無理だもんね・・・。
    どんな姿でも好きだと言わせてから
    男だってばらして破局したけど、
    実際は寛末って子供でもおばあちゃんでもいいとか
    言いながら、実際にそうなったら絶対に愛せない人なんだろうな・・・。あ~ずるい。
    松岡って本当に気のよく回るマメ男で、
    モテるのは納得だなぁ・・・と思いました。
    こんなに何もかも恵まれてるのに、
    恋だけは不憫ですね。

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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