さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―

著者 :
制作 : 三橋 貴明 
  • 彩図社
4.20
  • (4)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 33
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883927333

作品紹介・あらすじ

デフレ不況!
日本の不況は世界不況のせいではない。なんと10年以上続いているのだ!
デフレで下がるのは物価だけではない。国民の所得、つまり生活水準もさがっているのだ。
デフレの原因は、誰もカネを使わないこと。
個人は将来が不安で、企業は設備投資が不要で、そして政府は膨大な借金を抱えて財政を切り詰めている。
いま、カネを使えるのは誰なのか?!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 昨年から三橋氏の本は読むようにしていますが、彼は日本の景気を回復するための政策を提言しています。彼の本を読むことで、国家経済には会社と同じようにストックとフローがある、負債と資産は一対一対応、誰かの支出は誰かの所得であるという原則が次第にわかってきたような気になります。

    彼の本には毎度のごとく書かれている内容ですが、重要なことでもあり、なんども繰り返し解説してもらうと私も理解が深まっていくと思います。この本の帯に書かれているように、この本のエッセンスを政治家やマスコミの人に理解してもらって、実際の政策に活かしていただきたいと思いました。

    また、この本で巷に言われているハイパーの定義(p205)を知り、その定義においては日本では一度も起きていないことを認識したことは収穫でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・デフレ時にすべきことはインフレ対応と逆のこと、つまり、1)歳出拡大、2)減税、3)金融緩和(低金利政策)、である(p19)

    ・過去20年間の各国(日本、メキシコ、米国、韓国、アイスランド)の状況をみると、バブル崩壊、通貨危機、国家破綻といった出来事は、年間の財政収支が黒字(もしくは直前まで黒字)のときに起きていることが多い(p27)

    ・IMFは日本の財政赤字悪化を2009年11月に予測しているが、その9ヶ月前に、日本政府から1000億ドル(外貨準備としての米国債)の巨額資金を借り入れている(p29、31)

    ・第二次世界大戦中の1943年におけるアメリカでは、GDP比較30%の財政赤字を記録している、GDP成長も16%増加している(p33)・国家財政(国民を豊かにするための手段)と、企業会計や家計とはまったく違う(p37)

    ・毎月の給料はフロー、貯金というのはストック、国の豊かさはフローのGDPという指標を使う、国富(貯金、株、不動産等)というストックは使わない理由は、貯金も不動産も使わなければ価値を生まないから(p39)

    ・一般政府(中央、地方自治体、社会保障基金の合計)の負債がいわゆる国の借金であるが、2006年6月で979兆円、これは国全体の負債合計:5246兆円の一部、金融機関の負債は2738兆円(p63)

    ・国民一人当たりでは4291万円の金融資産(5493兆円が合計額)、4098万円の負債があり、193万円の金融純資産を保有していることになる(p66)

    ・対外純資産GDP比でリーマンショック直前において、日本は+54%、韓国:-18%(外貨建て)、米国:-24%、オーストラリア(自国通貨建て):-57%、アイスランド:-195%であった、日本が円高になった理由(p72、75)

    ・銀行は預金保険機構の保険料として、決済預金でも預金残高に対して0.107%を払う必要がある(p93)

    ・日本の預金総額:1100兆円に対して、預金保険機構の総資産は8兆円、法律により銀行の株式保有は「自己資本相当額」に限られている(p103)

    ・現在社会保険料として徴収されているものを、「福祉目的税」と言い換えれば、現在の税収:40兆円に対して、30兆円以上増えることになる(p107)

    ・財政再建(財政黒字化)をすることは、政府支出(=国民の所得)を減らして国民を「貧しく」すること(p112)

    ・銀行は1兆円の元手で、自己資本比率規制(8%)より、12.5兆円まで運用可能、さらには預金準備率(1.3%)=76.9兆円までは国債を購入すれば運用可能(p137)

    ・政府には無形の金融資産がある、徴税権と通貨発行権である、日本政府は金融資産:475兆円に対して、負債が962兆円であるが、その差額は2つの無形資産(p147)

    ・ハイパーインフレとは、月率+50%(1.5倍)、年率+12975%(約131倍)以上のインフレであり、これによると江戸時代以降、明治維新、世界大戦後において日本では起こっていない、一次世界大戦後のドイツや近年のジンバブエが相当する(p205)

    ・昭和21年の東京小売物価指数において+514%が最高、昭和19年から29年の10年間で物価が150倍、10年間で1万円の価値が60円程度に落ち込む激しいインフレは存在する(p206)

    ・昭和19年と21年を比較すると、名目GNPは6.4倍になったのに対して、実質GNPは0.56倍になった、お金の回転は6倍以上になっても、モノ・サービスの回転は半分になったということ、これは戦争によって破壊されることの厳しさがわかる(p208)

    ・アメリカの過去10年間の輸出増加額:8770億ドルは、日本の2008年の輸出額:8590億ドルを上回っている(p238)

  • 国民経済の教科書となる本です。日本経済をマクロからずばりと説いています。日本はいま何をすべきか、何をしてはいけないかがハッキリと判ります。今までモヤモヤしていた部分が一度に晴れました。

  • 豊富なデータでデフレの原因とその対策をわかりやすく解説。もっと財政出動を!

全4件中 1 - 4件を表示

プロフィール

1975年生まれ。1997年、大阪大学工学部電子工学科を卒業。1999年に同大学大学院工学研究科電子工学専攻博士前期課程を修了。精密機器メーカーミノルタ(現コニカミノルタ)に入社しプログラミングや市場分析に携わる。2005年に退職し個人投資家として独立。2009年、著書『国債を刷れ!』で、「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、“国家破綻セラピスト“。

さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―のその他の作品

廣宮孝信の作品

ツイートする