SWITCH Vol.29 No.5(2011年5月号) 特集:東日本大震災

著者 :
制作 : 菅原豪 
  • スイッチパブリッシング
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884183202

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  • 「3DAYS RECORD 32人の3日間」
    「3月11日の地震発生時から3日間、いつ、どこで、誰と、何をして、何を思いましたか。地震発生時以外の時刻は任意で、時系列に沿って書き留めてください。文字数に制限はありません。」というアンケートに、著名人が淡々と綴っている。
    3月13日24時00分の直太朗の文は、先のFCツアーでも語られた。
    1番印象に残ったのは光浦さん。笑わそうとしているわけではなく、ありのままに書かれた文章は、芸能人だからとか関係なく、自分と同じ人間なんだと感じた。

  • まもなく未曾有の大混乱から2年。

    震災時の3日間にフォーカスを当てた各著名人の行動や想いは混沌としていて、「思考停止状態になったらまず動く」として、翌々日には現地入りしていた写真家 石川直樹氏の巻頭ルポが素晴らしかった。素晴らしいという表現が適切かはわからないですけど。

  • 永久保存版。
    スイッチは毎号、写真もすごく綺麗で贅沢に使っているけれど、今回は特にそれが感じられた。
    これは何度も何度も読めるね。
    「いろいろ」な人の生々しい声というか、その時(震災当日、直後)におもったことが書かれているので、そういう意味でとてもリアル。
    それぞれ全く立場の違う人たちなので、その人たちの感じたことを、そのまま知れるいい企画。

    どうしたって記憶は薄れていくのだから、こういうものでつなぎとめるしかないと思う。

  • 心を痛めた言葉、立ち上がろうとする言葉がある中、
    巻末、古川日出男の「小説のデーモンたち」に何より泣かされた。

  • そういえば、雑誌『en-taxi』も最近号で、緊急大特集として「作家たちの東日本大震災」を組んでいました。

    私が最初に脳裏に浮かんだのは、盛岡在住の高橋克彦は無事なのだろうか、ということでしたが、地図で見ると海岸線よりずいぶん離れているので、おそらく大丈夫だろうと思ったのですが、それでも心配なので、出版社に問い合わせて確認したところ無事だということで胸をなでおろしました。

    直接被害に逢わなかった人にとっても、3・11はとても稀有な体験だったはずです。

    今からでも遅くないので、その時の実際の体験や感想、報道を通じての印象や思いなどを、整理し直して書きとめておこうと思います。

    3・11以後に再生しなければならないのは、被災地だけではなく私たち日本人全員でなければならないと思います。

    あれは単なる天災ではけっしてなく、原発を頂点とする今までの国造りが誤っていた結果の人災だったという認識を持たないと、もう一歩も進めないということ。

    SWITCHのこの特集は、政治・経済・産業以外の思索・心情・精神的な面での、それこそ新たな一歩へのスイッチの仕方を示唆するものとして、読むべきものがあるのではないかと思われます。

    以下、目次を列挙しておきます。

    特集 2011.3.11-13 世界を変えた3日間、それぞれの記録

    けっして3月11日以前の世界に戻ることはできない。
    もはや同じ思いで世界を見ることはできないし、生きていくことはない。
    世界を変えた3月11日からの表現者たちの心の動きを追った。

    3.11 あなたは、その時、何をしていましたか?

    石川直樹 被災地ドキュメント
    2011年3月11日午後2時46分、三陸沖で大地震発生。
    沿岸の町々を巨大津波が飲み込んだ

    表現者たちから届いた「3日間」
    ■藤原新也|必死の書「死ぬな生きろ」
    ■佐野元春|余震の中で綴った一編の詩「それを『希望』と名づけよう」
    ■荒井良二|イラスト「無題,3.11」
    ■大森克己|撮り下ろし写真「新浦安液状化」
    ■秋山さやか|刺繍「新宿ー阿佐ヶ谷ー新宿 地震発生から翌日まで秋山が歩いた道のり」
    ■荒木経惟|撮り下ろし写真「私の3.11」
    ■柴田元幸|訳詩「私たちは闇に慣れていく」詩=エミリー・ディキンソン
    ■藤代冥砂|撮り下ろし写真「葉山にて」
    ■谷川俊太郎|詩「蟻と蝶」(四川大地震に寄せて)
    ■畠山美由紀|書き下ろし詩「わが美しき故郷よ」

    言葉で綴る「3日間」、そして、その先
    ■熊谷育美|3.11気仙沼で被災したシンガーソングライターの体験談
    ■畠山美由紀|気仙沼出身のミュージシャンが語る我が故郷
    ■笑福亭鶴瓶|生きている僕らができることは一生懸命自分の本分を通すこと
    ■小林武史|炊き出しで訪れた被災地で見たもの、感じたこと
    ■山口智子|「伝える」側のテレビに関わる人間として今思うこと
    ■細野晴臣|東京は半端な被災地、それだけに何かを問われている大事な時期
    ■曽我部恵一|自分がやるべきことは人の心に届けるべき歌をうたうこと
    ■伊勢谷友介|嘆き悲しむのではなく次の展開を考えられる人でありたい

    3 DAYS RECORD 32人の3日間
    氏家ワタル/大友良英/大宮エリー/岡田利規/角田光代/木内昇/熊谷和徳
    倉本美津留/小林エリカ/坂本美雨/佐々木大輔/椎名林檎/渋谷慶一郎
    スガシカオ/中上紀/永瀬正敏/元ちとせ/幅允孝/平野啓一郎/藤谷治
    藤村忠寿/星野智幸/細美武士/穂村弘/光浦靖子/森本千絵/森山直太朗
    山努/山本容子/山本里美/ヨーガン・レール/横浜聡子

  • その時々の思いつきではない、整理された言葉が心にしみる。

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著者プロフィール

1954年茨城県生まれ、日本大学芸術学部芸術研究所卒。1981年、南青山に事務所ISSUE.Inc.設立。雑誌「ISSUE」発行。POPEYE編集部にてインタビュー雑誌について片岡義男の薫陶を受ける。1984年ブルース・スプリングスティーンを全米各地に追う。フジパシフィック音楽出版社でSWITCH という音楽レーベルスタート。タブロイドの季刊誌として「SWITCH」発行。1985年、カルチャー雑誌「SWITCH」創刊。5号目から念願の沢木耕太郎の「246」の連載がスタート。1986年、佐野元春『THIS』第2期・第3期の編集責任者となる。1991年、新しい文芸誌「LITERARY SWITCH」創刊。大江健三郎、池澤夏樹などの書き下ろし短篇を掲載。1994年弁株式会社スイッチ・パブリッシング設立。2001年「paperback」発行、2004年旅をモチーフとした雑誌「Coyote」を創刊。2013年、柴田元幸責任編集「MONKEY」創刊。2015年、伊丹十三賞受賞。2021年「ISSUE」復刊、第一号特集は「和田誠のたね」とする。

「2022年 『編集とは何か。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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