Coyote No.48 特集:THE BEST TRAVEL WRITING

  • スイッチパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884183868

感想・レビュー・書評

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  • 内澤旬子さんの
    『イスラエルの豚は宙を歩く』がとくに素晴らしい。世界各地の食肉習慣の取材歴のなかで、著者はユダヤ教の「カシュルート」という独特の食規定に行き着く。現地に行かずにその食肉事情を取材できないかという目論見は諸事情により、イスラエルに飛ばざるを得ない方向へ転がっていった。その現地取材を記事にしたもの。

    肉食にまつわる宗教的な禁忌と例外、人間の食べることへの情熱を、イスラエルのユダヤ教徒の生の言葉をもって紹介してくれている。
    食欲と宗教的な建前との間の距離を現場の村などに取材をして詰めていく著者のエネルギーがすごいなと思うし、その原動力も気になる。読んでいくと、禁忌はあるものの、けっこう現地の人たちはみんな自分に都合の良い解釈を行って日々生きていることがわかる。

    たしかに、シーア派のイスラム教徒の友人(イラン人)とは何回も乾杯したことがあるので、やはりみんなおいしいものは何はさておき、口に運びたいものなのだ。読後に残るのは「人間ってまあそうだよね」という、隣人愛にも似ている愛すべき対象の広がりであった。

  • 「旅を書く」という特集と森山大道の本棚に惹かれて。一口に「旅」と言っても移動の延長の旅もあれば、バカンス的な旅もあり9者の旅の物語は読み応えがあった。坂口恭平さんのストーリーが個人的にはお気に入り。柴田元幸さんのインタビューが拾い物。石牟礼道子さんを訪れる枝元さんのエピソード。石牟礼道子さんに人となりに惹かれる。森山大道の本棚が、ちょうど読んでる本とかぶっていてシンクロニシティ?いやただその年代が気になってるだけだ。と冷静になる。読みたい海外本が増えていくのは柴田さんの罠に違いない。

  • 同じ出版社から出ているMONKEYを気に入ったので、Coyoteも読んでみる。旅の特集だったので、48号を選ぶ。少し取っつきにくいかと予想していたけど、全然そんなことはなくて、あっという間に読了。特に佐々涼子さんの会えない旅からハマって一気読み。小林エリカさんの爆心へ、坂口恭平さんの毘沙門天放浪記、祖父江慎さんのピノキオ、イソップ物語、天草は読んでよかった。少し視界の拡がる大人な雑誌だ。

  • 復刊2号である。

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    「コヨーテが贈るナインストーリーズ。北極圏を目指す者もいれば、文化の異なる世界の不思議を見つめる者もいる。山を目指す者もいれば、死を見つめる者もいる。音楽で世界を駆け巡る者もいれば、とどのつまり自分とは何か問い続ける者もいる。彼の、そして彼女のそれぞれの旅の軌跡」

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