アメリカン・マスターピース 古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)

制作 : 柴田元幸 
  • スイッチパブリッシング (2013年10月5日発売)
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  • 本棚登録 :149
  • レビュー :12
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884184339

作品紹介

アメリカ文学史がはじまった時点から、19‐20世紀の世紀転換点までに書かれた短篇のなかから、編訳者が長年愛読し、かつほとんどの場合は世に名作の誉れ高い作品ばかりを集めた、ザ・ベスト・オブ・ザ・ベストの選集。

アメリカン・マスターピース 古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)の感想・レビュー・書評

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  • このアンソロジーはアメリカの作家の魅力的な作品を集めたもので、いろんなテイストが味わえてとても楽しい。柴田元幸さんの翻訳下ろしもあったりするのでお得感満載です。しかも、私の好きなボルヘスの「バベルの図書館」メンバー(★)も沢山入っている! かなり嬉しくて思わずにやりとしてしまいました。

    *ナサニエル・ホーソーン『ウェイクフィールド』★
    *エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』★
    *ハーマン・メルヴィル 『書写人バートルビー』★
    *エミリー・ディキンソン 詩
    *マーク・トウェイン 『ジム・スマイリーと彼の飛び蛙』
    *ヘンリー・ジェイムズ『本物』★
    *O・ヘンリー『賢者の贈り物』
    *ジャック・ロンドン『火を熾す』★

    今回、柴田さん訳で私がもっとも読みたかったのは、ヘンリー・ジェイムズとジャック・ロンドン。対照的な二人で素晴らしい。ジェイムズは独特の文体なので面食らってしまいましたが、読んでいるうちに、その心理描写の妙に引き込まれ、ジェイムズのもってまわったような曖昧さを楽しみました。
    それに対し、ジャック・ロンドンは、カナダやアラスカの極北での体験を活かし、冒頭から臨場感に溢れています。主語と動詞で成り立っているような――美文調の文学とは異なる――質実剛健でリーダブルな作品。目を奪われたのは、彼のストーリー展開や物語の終わらせ方。目の前に映像が立ち上がってくるような迫力と独特の寂寥感が漂っています。

    こういう上手いアンソロジーはいいですね~。それぞれ読み手の興味にマッチするだけではなく、気に入った作者の他の作品への架け橋にもなります。さらには同時代の他の作者へのガイダンスにもなって。またその作者たちの作品が生まれた時代(作品に滲み出る時代精神のようなもの)と、それが生まれた場所が、やんわり緩やかに繋がるよう……。そうやって時空が繋がれば、よりダイナミックな様相になって、わくわく楽しくなります♪

  • メルヴィル『書写人バートルビー』目当て。どれも描かれる風俗や言い回しが古いけれど、面白かった。『モルグ街の殺人』は『ポオ小説全集3』の丸谷才一訳とつき合わせて、細かい部分特に会話の言葉づかいの違いで受ける印象が変わるのを楽しんだ。白眉はエミリー・ディキンソンの詩。最初の詩、たった3行で、風が舞い上がり、目の前が横に、奥に広がる。すごい!

  • 漱石先生と同時代と思えば「古典」とは思えない作品群。
    それなりに読書はしてきたつもりも、『今まで私は何を読んできたのだろう?何も読んでいない』と思わせられた。

    ポーもホーソーンもロンドンもジェームズも初で怖い(涙)。米文学苦手再確認。
    文章の養分が濃すぎですぐ理解できず、段落を2度3度繰り返し読む。

    唐突ですが、東北と京都の仏像をみうらじゅんが由来型と伝来型と分けてたが、米国人はそういえば伝来型で良くも悪くもしがらみがない。

    その分の狂気、不安定さを感じさせる。大都会発生よりも前の国の成り立ちからこの国の文学の成り立ちがあるんじゃないでしょうか?柴田先生?とわたしは思った。

  • 米文学史の授業で習ったアメリカの代表的な古典作家が書いた「短編小説の名作中の名作を集めた」本。
    すべてとてもおもしろかった。
    特に、ヘンリー・ジェームズの「本物」とジャック・ロンドンの「火を熾す」がおもしろかった。
    これから出版されるであろう、準古典篇、現代篇も楽しみにしている。

  • ブリティッシュマスターピースに続けて読破。
    どれも力作揃いの素晴らしい作品ばかりであった。
    次の準古典編も早く読みたいw

  • 翻訳家の柴田元幸さんが、アメリカ文学の古典作品から8人の作家の作品を紹介している本でした。
    8人の中で一番心に残ったのは、ジャック・ロンドンの「火を熾す」でした。リアリティのある厳冬の描写に、読んでいるこちらも寒さを感じたほどでした。
    その他には、ホーソーンの「ウェイクフィールド」、メルヴィル「書写人バートルビー」の2作の不思議な雰囲気が心に残りました。

  • アメリカ文学の「古典篇」と位置づけられた19世紀半ば〜20世紀初頭の傑作短編を通して時代の雰囲気がじわりと感じられます。
    気取った言い訳のような学術的言い回し、都市の人間関係における不安感、それらを皮肉ったり嘲笑したり、あるいは無視する態度。

    私は断然「跳び蛙」が好きですね

  • 「本物」と「火を熾す」が素晴らしい。

  • ホーソーン『ウェイクフィールド』昔読んでストーリーは知っていたけど、結婚した現在読んだらじわじわ怖い話だと気がついた。この奇妙な主人公の闇、妻の感情に詳しく触れていないため、あれもこれもと妄想して怖くなってしまった。ポー『モルグ街の殺人』こちらも昔読んでいたけれどこんなに主人公の推理(=思考)方法の説明が明確な話だったかな?ととても感心した。ミステリーとしてだけでなく科学的で論理的な考え方を学ぶ小説だった。ジャック・ロンドン『火を熾す』とてもとても素晴らしかった!厳しい自然と開拓を描く事で、ヨーロッパの殻を抜け力強くシンプルなアメリカを見事に描ききった。読後はむしろ清々しさを感じた。

  • メルヴィルの『バートルビー』、O・ヘンリーの『賢者の贈り物』、ジャック・ロンドンの『火を熾す』は素晴らしい。中でも『火を熾す』は初めて読んだのは大学の頃だったが、人生の中で最も衝撃を受けた短編小説の一つである。短い作品だけれど、人間と人生の真理が全て詰まっているように思う。

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