職業としての小説家 (Switch library)
- スイッチパブリッシング (2015年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784884184438
感想・レビュー・書評
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たぶん7年くらい前に発売間もない頃に買ったもの。途中まで読んでてようやく読了。春樹が苦手な人であっても、書くことを生業としている人、(あるいはしたい人)には大いに参考になる本だと思う。面白い。
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2023/01/03
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著者自ら初期の1人称の中編作家から複数の視点からの長編作家へ意識的に移行したプロセスを語り、興味深かった。
平凡でいながら非凡な鍛錬を自らに課す執着的な性格が彼の著作をものにしてきたことがよくわかる。
ただ正直に記述しているせいかそれとも本来つまらない人なのかサービス精神に欠けるのか本作は小説や紀行文ほど面白くはなかったのが正直な感想。 -
長い文章なのに、読むことに飽きない。
きっと講演もそうなのだろう。
独特の心地よい文章は、
何度も磨がれ、舐めされ、
極上の切れ味であったり、一滴になったところで
私たちの前に差し出されているのだ
と改めて思った。
文章についてだけでなく、
生きること、健やかであること、
世界のさまざまなことについて思うこと、
その一つ一つを丁寧に教えられたような読後感。
ずっと大切に読み重ねていきたい。 -
河合隼雄先生とのお話がとても貴重で、読めて良かった。
ほんとに河合先生にはもっと長生きして欲しかった。 -
かなり個人的な内容なので一般的な小説のハウツー本としては手に取らないのが吉(元々それを期待していたわけではない)ですが、著者のファンなので大変興味深く読めました。技術的な部分で参考になったのは第七回のフィジカルの章。雑文集を読んだ時も思ったけれど、物語に対する著者の向き合い方はかなり好きです。学校の勉強は、自分はコツコツ物事に取り組む訓練として必要派ですが、己の中でルールを決めて、やりたい事にとことん向き合える人間には不要なんだろうなあと思った。あと、ここまで来ると奥さんがどんな人なのか気になってくる。
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読みながら、やはり私はこの方がとても好きだなぁと思う瞬間がたくさんあった。そして、この方の創る小説が大好きだなぁとも思った。正確には、この方の創る世界観に入り込むことが好きだなぁと思った。
私は初めて読んだのがノルウェイの森で、だけどそこまで大感動をしたわけではなく(世界的ベストセラー!という色眼鏡があったからかも)、むしろその後に読んだ風の歌を聴けを読んで『この世界観は心地よい』と思って、そこから出版順に読み進めていくことでしみじみと大好きになっていったのだが(順番に読んだらノルウェイの森も違う感じ方でした)、なんとなくその理由が分かったような気がした。
これからも何度となくあなたの本に心を遊ばせることでしょう。ありがとうございます。と思いながら読み終わりました。 -
『人々の心の壁に新しい窓を開け、そこに新鮮な空気を吹き込んでみたい』
『何よりも大事なのは良き読者です。どのような文学賞も、勲章も、好意的な書評も、僕の本を身銭を切って買ってくれる読者に比べれば、実質的な意味を持ちません』
『たぶんこの先、僕は僕自身の内部に降りていって、そこをより深くまで探っていくことになるだろうと思います。それが僕にとっての新しい未知の大地となり、おそらくは最後のフロンティアとなる』
村上春樹さんの作品は「ノルウェイの森」と「騎士団長殺し」しか読了しておらず、正直両方ともピンとこなかった…
ただ、『みみずくは黄昏に飛びたつ』と本書を読了し、少しだけ村上春樹さんの人物像がわかった気がする(あくまでも気がするだけです)