このあたりの人たち (Switch library)
- スイッチパブリッシング (2016年6月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784884184506
感想・レビュー・書評
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しばらくはエッセイなのかなと思ったけれど読んでいくうちに違うと分かりました。ひとつずつは短いエピソードなのですが世界観と出てくる人たちがゆるやかに繋がっているという好きなやつで、旧き善き時代を描いているのかと思わせといてエスエフっぽいスパイスが効いていたり、ちょっと意地悪だったりして楽しめました。今年の春から鶏を飼っているので、「鶏地獄」と「鳩鳴き病」がものすごく気になりました。
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一編一編がかなり短い短編集
どこかの地方都市の小学生の女子の視点で統一されている。
オムニバスで映画にしたら面白そうだ -
このあたりの人たちの不思議な日常が描かれている。不気味なような、あったかいような、よく分からない感覚を覚える。読み進めていくうちに その世界に引き込まれ、風変わりな人、風変わりなことがリアルに感じてくるから これまた不思議。スナック愛のおばさんとか、かなえちゃんが身近にいるような気がしてくるのよね。
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久しぶりの川上弘美さん。この方の世界観・文体が好きでよく読みました。この作品はもしかしたらよく分からないと思う方もいるかもしれないけれど(私もその一人)だけど、後味は悪くない、温かいようなもの悲しいような。
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現代ではない、少し昔の町の話かと思っていたら
突然おかしな世界が混ざり込んでくる。
誰かの空想かとも思ったけれど、今普通に生きているつもりの世界だって、どんな風に変容するのか分からない。案外どこかにあるパラレルワールドなのかもしれない。
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銅像になりたいって、ライオンになりたいみたいな自分自身がそのものになりたいって意味かと思ったけれど、銅像が建てられるような人物になりたいって意味なのか。
小説世界の子供の方が現実的だった。
なぜ銅像が3体もたったのかという点を(きっと明かされないんだろなと思いつつ)気にしながら読んでいたけれど、しっかり答えが提示されて驚いた。 -
川上さんらしい小説だった。
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このあたりの人たちを書いた短編集。
かなえちゃんのお姉ちゃんがファンキー。
「埋め部」「鳩鳴病」という単語が好きになった。グルッポー -
面白い。まるでこのあたりの住人になったような気がした。
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どこまでが現実で、どこからが創作なのか。エッセイなのか、小説なのか。それすらもわからない、不思議でふわふわとした物語の連作短編集。
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一見現実のように思えるけど、とある惑星のとある町に生きる人たちを描いたちょっと風変わりなお話でした。
ぼたんのかけ違えのように少しずつずれているのに、でも現実にありそうな世界観がとても川上さんっぽい。