日常生活に哲学は必要だ

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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884746445

作品紹介・あらすじ

毎日がぐっと楽しくなる「日常の哲学」のすすめ。

感想・レビュー・書評

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  • 20130524読了
    作家・三浦朱門氏(大正15年東京都生、曽野綾子の夫)と札幌大学教授・鷲田小弥太氏(昭和17年北海道生)による対話形式の本。読みやすい。●戦時中の情報格差の話が興味深い。国内でも東京と北海道でこれだから満州となればさらに感じかたが違ったんだろう。●アウシュヴィッツの日本人ガイドに対する怒り。日本の軍事徴用・勤労動員(戦争行為の一環)と、ナチスの民族撲滅計画(国家犯罪)を同列に並べて論じるのは根本的に間違っている。無知はいけない、という言葉が響いた。●歴史に学ぶと、社会主義は国のメインシステムとしては破綻すると証明されている。では社会主義を資本主義のサブシステムとして福祉・医療・義務教育などの分野に採用するという提言。社会主義の平等は偽善だが、その偽善を承知でサブシステムに取り込み、偽善の巧みさを生かすというもの。全体ではなく部分であればうまく回る考え方や態度ってあるなぁと思っていたので、このくだりはなんか心に残った。●ヨーロッパの都市デザインって素敵だなと思い、日本の街並みにちょっと残念な気がしていたけど、アメーバのように発展するおもしろさがあってそこに生命力をみるというのもおもしろい見方だと思った。なんでもかんでも卑下したらいかんなぁと反省。

  • かつて大学の文学部はフリーター専門コースだった。卒業しても役所や普通の会社になんか勤めるなんて考えられもしなかった。そもそも文学部に入ってきて、きちんとした職業に就こうというのが心得違いという感じだった。
    文学なんて実社会ではおよそ約に立たないものですからね。だが今は違う。
    議論をして何かを解決するというわけじゃないが、刺激というのは具体的には本を読んだり考えたりするきっかけになる。
    ヨーロッパ人は誰でも自分のルーツはギリシャ、ローマ文明にあると思っている信じて疑わない。そしてそれを誇りに思っている。ヨーロッパ人はギリシャ、ローマの神、さらにはキリスト教を受け入れて、ケルト、ゲルマン、ゴートなどの自分たち神をきれいに捨ててしまう。
    ヨーロッパ人ならどう転んでも異民族の同化政策などという発想は出てこない。反対に日本人からはどう転んでも朝鮮民族、台湾民族の絶滅などという発想は出てこない。

  • 三浦 朱門氏と鷲田 小弥太氏がバス旅行で悪態をつきつつ話していた内容が
    本になったという、ちょっと知的でハイレベルなおしゃべりの本。

    わかりやすい言葉で書かれていて、読みやすくおもしろかったです。

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著者プロフィール

三浦 朱門(みうらしゅもん)
1936年東京生まれ。教職に就くとともに作家活動に入る。1985年4月から翌年8月まで
文化庁長官を務める。99年には産経正論大賞を受賞。同年、文化功労者となり、日本文藝家協会理事長、日本芸術院院長を歴任する。著者に「箱庭」(講談社文芸文庫)、「夫婦口論」(曽野綾子共著・扶桑社)、「不老の精神―魂は衰えない」(青萌堂)、「朱に交われば・・・私の青春交遊録」(マガジンハウス)、「日本の活路―気鋭対論」(渡辺利夫共著・海竜社)など多数。2017年2月没。

「2020年 『新装版 老年の品格』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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