ユダヤ人世界征服陰謀の神話 シオン賢者の議定書(プロトコル)

著者 : 内田樹 ノーマン・コーン Norman Rufus Colin Cohn Norman Cohn

• ダイナミックセラーズ出版 (1991年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[マヨマヨさんの感想 · 2019年10月9日]

日本人でいまだにけっこう信じている人が多いユダヤ陰謀説。世界がそんなに単純なわけあるかいな？と思っておりましたが、そのお伽話のルーツを研究した本です。魔女狩りと似た現象。

著者はオックスフォード大学卒、サセックス大学教授。集団精神病理学研究センター所長。なるほどです。

当時のヨーロッパで、日頃のユダヤ人に対する不気味さや差別の気持ちから、変な妄人が書いた偽書がじわじわと大ヒットしてしまったのですね。
人間たちって、オカルト、勧善懲悪、差別、ものごとの単純化、ほんとに大好きですよね。同じ種として情けない気持ちになります...

しかし、英国のユダヤ人宰相ディズレーリさん。そんな小説書かなければどんなによかったのに！何でしょう、ブラックジョーク？一種のドヤり？

[joysoundさんの感想 · 2018年1月3日]

あまりに偏見的になってもいけないがこの本がじゃあ100％トンデモ書物なのか？そう思うなら最初から読まないべきだろう。しかも私が思うにこの書物はある程度の根拠や証言を基に筆者の見解を述べているためある程度信憑性があると言えるだろう大事なのは情報を信じる信じないではなく取捨選択能力とこれまでの常識に囚われない純粋な探究心だ

[negaogasabaさんの感想 · 2017年9月24日]

偽書、として何故広がったのか、だれだれが書いた、言った、どうした、といのがツラツラと書かれる前半。後半の付録として、プロトコルの第1,2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,24議定書が日本語訳でついてるけど、まあ読みづらい漢字と文体。訳すなら、もうちょいなんとかならんのかなと。
訳者は、このプロトコルを信じる奴はアホだという。ふた通りのパターンでどちらにしても。
１，このプロトコルが本物なら漏らすようなことになったのなら、賢いはずの運営がアホだ。
２，このプロトコルが運営側からわざと広められたものなら、その手の上で踊っているにすぎない。

プロパガンダに利用された有名な偽書。

[奥宮離宮さんの感想 · 2006年1月18日]

分類＝国際情勢。９１年３月(『シオン賢者の議定書』８６年を改題)。シオンの議定書偽書説の本。

著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』（以上、ミシマ社）、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」