ベストセラーの風景

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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885462085

作品紹介・あらすじ

本という鏡に写った時代の姿。昭和から平成へ、時の流れにつれ"当たり本"のつくり出す情景も移り変わる-。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後のベストセラーのそれぞれの本の背景を読む中で、時代の流れを、またそれぞれの時の流行を感じ楽しく読むことが出来ました。特に60年代以降はそのときの自分自身を重ねると懐かしい気持ちになります。遠藤周作の「沈黙」(66年)は作者が「日向のにおい」としていたのを、編集者が変えて成功した。また逆に有吉佐和子の「恍惚の人」(72年)は編集者が難しい言葉だからと変えさせようとしたが、そのままで成功した。清張の「点と線」(57年)も「縄」からの改題が成功した例との事。タイトルとテーマとタイミングの3拍子が揃って売れるという代表的な話ですね。一方テーマは時代の流れを感じます。世界3大ベストセラーが聖書と資本論とハリーポッターというのも楽しい紹介です。また海音寺潮五郎「天と地と」は大河ドラマになってから売れ始めたそうで、薩摩隼人の気概溢れる著者は逆にこれが不満で「テレビが栄えて文字が衰える。文学の道を歩む者として、こんなに面白くないことはない」として、筆を折ったという逸話は楽しいというよりも、時代の潮流への警鐘として先見性を感じます。戦後、ゾルゲ事件で処刑された尾崎秀実「愛情はふる星のごとく」がベストセラーになったとのこと。知りませんでしたが、売国奴から一転して平和主義者となったこの人の本はぜひ読んでみたいと思いました。

  • 戦争後から平成まで、ベストセラーを追うことで当時から今にいたるまでの時代を見る。
    読む本がなくて適当に手にとった私も悪いけど、どうも結局筆者が何を書きたいのか分かんなかった。ハリポタあたりは余裕だけど、昭和に売れた本の話をされても全くついていけないものも多々。へ~こういうのが売れたんだな~と思っておしまいでした。もともとベストセラーだから読むとかしないタイプなのもあって、新たに読みたいと思えるのも少なかったし、どうせなら本の雑誌にあるようなベストを覗いた方が手っ取り早い気がします・・・。ちょっと前に売れた本を片っ端から読みたい人なら楽しめるかも。

  • 本という鏡に写った時代の姿。昭和から平成へ、時の流れにつれ“当たり本”のつくり出す情景も移り変わる―。 雑誌連載を一冊にまとめたせいもあってか、記述が重複している部分があったのが、やや残念。でも、いろいろなジャンルのベストセラーとなった本にまつわるエピソードの数々は読ませます。

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著者プロフィール

塩澤実信(しおざわ・みのぶ)1930(昭和5)年、長野県生まれ。双葉社取締役編集局長をへて、東京大学新聞研究所講師等を歴任。日本ペンクラブ名誉会員。元日本レコード大賞審査員。主な著書に『雑誌記者池島信平』(文藝春秋)、『ベストセラーの光と闇』(グリーンアロー出版社)、『動物と話せる男』(理論社)、『出版社大全』(論創社)、『ベストセラー作家 その運命を決めた一冊』『出版界おもしろ豆事典』『昭和歌謡100 名曲part.1〜5』『昭和の歌手100 列伝part1〜3』『昭和平成大相撲名力士100 列伝』『不滅の昭和歌謡』(以上北辰堂出版)、『昭和の流行歌物語』『昭和の戦時歌謡物語』『昭和のヒット歌謡物語』『この一曲に賭けた100人の歌手』『出版街放浪記』『我が人生の交遊録』(以上展望社)ほか多数。

「2020年 『歌謡曲が輝いていた時 昭和の作曲家20人100曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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