- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784885531989
感想・レビュー・書評
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インサイトの必要性やコミュニケーションが今後武器になることを教えてくれた一冊。
企業広告の事例集だが、普段の仕事に活かせる視点がたくさん。
ドコモとフマキラーの事例が印象に残った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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「勉強になりました! 」
ストレスなくコミュニケーションするための手助けが出来ると良いですねぇ~「勉強になりました! 」
ストレスなくコミュニケーションするための手助けが出来ると良いですねぇ~2012/06/20
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著者が携わったプロジェクト事例が細かく書いてあって良い。
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■学んだこと
第一章
▼変わるメディア環境
生活者のメディア環境はすさまじい速度で変化し続けている。
① メディアやコンテンツが多様化、それに伴って接触方法も多様化している。
② 情報が溢れかえり、生活者に届かない情報が増加している。
▼変わる生活者行動
「AISAS」の法則
A⇒注目I⇒興味S⇒検索A⇒購入S⇒共有
CGMが普及し、生活者同士で情報を提供できるようになった。それらの口コミが生活者の購買決定への強い影響力を持っている。
▼変わる広告コミュニケーション
①メディアの役割を考える。
商品の存在を知らせる役割はテレビが有効なメディアだが、商品を詳細に理解してもらうにはインターネットが有効なメディアとなる。生活者の使い分けによって、それに合わせたコミュニケーションを構築しなければ広告が機能しない可能性がある。
② メディアニュートラル
クライアントの課題解決のために、どのようなメディアが必要になるかをニュートラルな視点で考える事。3つの価値に集約できる。
・能動の価値
・信憑性の価値
・話題創出の価値
③ クロスメディアは目的でなく結果
複数のメディアを使うことはメディアミックスである。課題解決のため、複数のメディアが必要となるのがクロスメディアである。大切なことは広告コミュニケーションをソリューションにすることであり、そのための最適なメディアを組み合わせてコミュニケーションを設計する。
④ 露出から関係性構築へ
生活者が広告に対してより能動的に接触し、関与してもらう関係性を構築する仕組み作りが重要である。
第二章
▼事例紹介
・コンテキスト・デザイン⇒キャンペーン全体の「見え方の設計」をする手法であり、PRと親和性などを意識して設計する。商品の背景や想いなどを理解し、強いストーリー性を生み出す。
・WEBディレクション⇒優れたサイトを見ながら、なぜ優れているのかを考える。
・注目されているメディアをただ使う事で満足するのではなく、それに加えて誰も見たことがない新しい表現にこだわる。
・バイラル・コミュニケーションとバズ・コミュニケーションの違い。
バイラル⇒具体的なコンテンツ(動画、ゲーム、写真)が人伝いに次々と広がっていく事。
バズ⇒話題の対象がコンテンツに限らず曖昧でも、世の中全体を騒がせるような話題、噂。
・尖った企画を考えだすために、日常で見つけた面白いアイデアと広告を結びつける癖をつけておく。
・PRの弱点として、コントロールできない対象にキャンペーンの成功を委ねる事と、話題が持続しないことが挙げられる。
第三章
▼コミュニケーション・デザイナーの役割
クライアントの課題整理から、実施、結果の分析に至るまでの全行呈を担当する。コミュニケーション全体を俯瞰してコントロールしていく。
▼プランニング・プロセス
①思いこまない。自分の肌感覚を疑う。社会の動向を分析する「ソーシャル・インサイト」とクライアントの動向を分析する「クライアント・インサイト」を徹底させる。
② 誰を、どうしたくて、そのために何をすべきかを最初に考える。
③ 「AISASモデル」から考える。仕組みではなく気持ちをデザインする。
④ ターゲットの選定の見直しを行う。
⑤ ターゲットを把握する(ターゲットインサイト)。定性調査と定量調査を活用する。
⑥ キーになるアイデアを考える。キー・アイデアが決まった時点で大まかなメディアプランや表現の方向性を見定める。
⑦ キー・アイデアを中心に、コミュニケーションの完成度を高めていく。
⑧ キャンペーン開始後に、生活者の反応を見ながら調整する。
▼3つの意識と5つの原則
・自分で動かないキャンペーンで、人は動かない。
コミュニケーション・デザイン3つの意識
① ニュートラル⇒固定概念や思い込みを捨て、問題解決の方法をニュートラルに考えられているか。
② シンプル⇒生活者が広告に接触した瞬間のコミュニケーションは、シンプルでわかりやすいものか。
③ フェイスフル⇒課題解決に対して、誠実に臨んでいるか。
コミュニケーション・デザイン5原則
① 思いこまずインサイト。
② 課題解決のためにありとあらゆる手法、選択肢を考える。
③ メディアと表現を分離しない。
④ 仕組みではなく、気持ちをデザインする。
⑤ 結果に固執する。
【明日から実践できること】
① メディアの特性を理解していく。メディアニュートラルな考え方を実践するためには、キャンペーンやコンテンツに合ったメディアを選択することができなければならない。
テレビや雑誌を見ながら、どのような人が見そうか、どのような特集を組んでいるかをチェックする。
② 思い込まない。自分が思っていることが正しいとばかり考えてはいけない。人の話を聞き、多様な視点があるということを理解していく。
③ 全体を俯瞰するような視点で業務に当たる。業界やキャンペーンを調査していく中で、こんな企画があったら面白いかもしれない、というような仮説を想定した上で、調査を行う。そのようにして、調査だけの視点だけでなく、もっと高い位置からの視点を持てるように意識していく。 -
刺激的でおもしろかった。セクションとか関係ないんだよな。それよりも情熱。でもこういうふうに組織横断的に仕事ができるようになるにはいろんな苦労があったんだろうな。
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マーケティング・コミュニケーションの優れたケーススタディ。残念ながら事例として知っていたものは無いが、紹介されたものの多くに、なるほど、と唸らされた。著者は大学研究職を経て2004年に電通に入社したという事だが、本書が発売されたのが2008年であるということは、入社4年でこれ程の実績を上げているという事に驚きである。
事例の中でも特に、名古屋の結婚式場のマリエールのものが秀逸だ。 -
永谷園の事例とってもおもしろかった。バズコミュニケーションを起こすためのさまざまな仕掛け、一つ一つに思惑があってそれらが絡み合っているさまはまるで伏線がちりばめられたミステリー小説のクライマックスのよう。圧巻です。
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岸勇希さんのやっていることがすごく面白いと感じているので読んでみました。
事例がどれも丁寧に解説されていて興味深いし、目的に沿ってコミュニケーションの方法が設計されているのはわかるのですが、これを実現できるのは至難の業なのですよねきっと。
そして大きな組織や広告業界に属しているわけでもない自分が、どうこの考え方を実際の仕事に落とし込めるか考えてみようと思いました。
とりあえずとっかかりとして、AISASモデルに沿ってコミュニケーションの設計を考えてみるのを試してみようと思いましたが・・・いくら理論で理解していても、結局はコミュニケーション・デザインのスキルを仕事の中で実践的に身につけて行くしか方法は無いのでしょうねぇ。 -
webデザインと言うより、PRやキャンペーン、コンサル色が濃い印象。実際の事例が数点紹介されているが、デザイン業界人でなくても、面白いと思う。読んでいて『へぇー』とか『ほぉー』とか、声に出した本は久しぶり( ^ω^ )