虹の彼方の神秘家たち 神仙界からのコンタクト

  • 東洋書院 (2003年4月24日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784885943270

感想・レビュー・書評

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  • 仙道連の創始者の伝記が含まれています。

    仙道連に入連する場合は、長期に亘る年月と成功するかどうかは二の次でも構わないと思えないといけないようです。
    人員構成は中高年から高齢者の割合がとても高いです。
    見たところ、健康問題から入った人のウェイトが高そうです。
    各地に支部があり、そこでの活動は導引・五禽戯・太極拳が主体です。

    また言少の行があり、雑談など無しで言葉少ない雰囲気です。
    支部で一定のレベルに行った人(約一年以上)が、本格行の練丹を富士山麓の凌雲観で月一回教えてもらう事になります。
    元々ここは通行の便が悪い上、数年前に土日のバスの運行が廃止された為、有志で車に同乗して通っているそうです。

    その人の努力・進捗・人格を勘案して口訣で行を伝授しますが、高度な段階は十年二十年と続けた人の中の一握りにしか教えないようです。
    行も体育会的というか勿論コツは教えてもらえますが、ひたすら修練に励むやり方が主体で、行の包括的・システム的な理解は、ここのやり方には少ないようにみえます。

    高藤仙道や伍柳派とは、行法も体系も大幅に異なります。
    ただ出神ができる人は、指導者を含めて極少数のように思います。
    ここの行法では、出神は頻繁にすると早死するらしいです。行法が不完全なのかもしれません。

    以下の話は仙道連で聞いたものではなく、自分で調べたものですが、どうやらここの体系は、北宗(王重陽創始)の北派のようです。北派は最も古い体系を伝えるもので、丹鼎も、のちの伍柳派の様な体系と大きく異なり出神を重視しません。

    北派は先に性を修め後に命を修する、といいますが、内丹それ自体としては、もしかすると完成度がいまいちなのかもしれません。
    伍柳派は南宗(張紫陽創始)の行が実質的に大きく入っているので、出神までの自動工法ができています。
    南宗の体系は、後に北宗にも大きく影響を及ぼし、多くの派に取り込まれています。

    本来、仙道は中国文化の精髄ともいわれる程の体系を持ち、それらが密接に繋がり合っているのですが、仙道連では導引、内丹、顔相等くらいのようです。
    内丹の修練に重要な中医学もありませんし。
    想像ですが、おそらく創始者は中国の道観では武術に興味を持っていたのが、敗戦で引き上げる間際の三ヶ月で内丹を急いで修練したので不足が多いのかもしれません。

    ちなみに、ここの仙道は本当の不老不死は無いそうです。
    創始者は83歳で逝去されています(御出神というそうです)。

    修練した中国の道観では、日本の伝統芸能のように代々名前を継いでいたそうです。
    何代目とかは無いそうですから、外部からみると何百年生きているようにみえるんでしょう。
    他の仙道は分かりませんが。

    仙道はともかく、導引を習いたいならここもいいかもしれないですね。
    ただ自分たちは、日本で唯一の本物の仙道団体だと思っているようなので、井の中のなんとか状態で、よそへの関心はありませんし、他と較べてどうかは知らないようです。
    私は大体の状況を把握してからは興味を失い、すぐに足が遠のきましたのでそれ以上の事はわかりません。

    ------
    仙道連の末席を汚しているものですが、仙道で超能力を得たいとか、人に優越したいとか、そういう願望を持っている人には全然お勧めできません。
    そういうのを否定していますので。

    寧ろ、そういった自分を振り回す欲望の本質を見抜き、捨て去って、生きようというのが目的の団体です。
    ですから、仙道に期待を持っている人はあんまり来ません。
    来ても失望して帰ります。

    仙道団体的には、老子経に忠実で結構かと思います。
    少なくとも私は、連首が「高藤なんか駄目だ」とか、他団体に興味津々、対抗意識バリバリだったら失望します。

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    仙道連には、仙道のすごさはまったく感じられない。

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