オリガルヒ: 政商 ロシアを牛耳る163人

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  • 東洋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885953927

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  • オリガルヒとは日本では新興財閥と称される、ロシアの寡頭資本家たちである。
    ソビエト連邦崩壊、ロシア連邦誕生に前後するエリツィン時代に次々と誕生し騒がれた。新しいロシア人などと称されてはいるが、ソビエト連邦時代から、その萌芽はあった。ゴルバチョフ時代から、ロシアへ資本主義を導入するべく「国有財産の民営化」が施工されていた。
    その過程で実際の価値よりも、はるかに低い金額でそれらを買い叩いた人々が次々と「新興財閥」となったのだ。
    さまざまな来歴の人々が「新興財閥」として名を連ねているが、まずはガス、オイル、アルミなどロシア経済の屋台骨とも言える国営企業の経験者があげられる。彼らは「レッドバロン」とよばれている。
    それ以外にも資本主義的な手腕と政治家との癒着への手腕が長けた人々が、新興財閥として名をあげている。
    分野も多岐に渡り、ガス、石油、銀行、車、アルミ、銀行、メディアである。
    有名どころはガスプロム(ガス)、ルクオイル(石油)、アルファ(銀行)、モスト(メディア)である。
    だが、エリツィン時代、彼らはあまりにも政治に口出ししすぎたため、プーチン時代に粛清の憂き目にあったものも少なくない。ただ、プーチンの新興財閥への姿勢は「政治に関与しようとするものには厳しいが、税金を収める財源として、分をわきまえた行動をとるぶんには」厳しい姿勢は示さない。
    だが、よくも悪くも「新興財閥」と「政治家」の距離は離れない。地方では知事による、新興財閥化もすすみ、モスクワ市は税金の未納を盾に多くの企業の株を所有している。有力企業の地方政府への浸透ぶりも激しく、メディア支配も緩んでいない。
    新興財閥を「政商」と位置付け、ロシアの開かれた資本主義の先鞭をつけてくれる存在と期待する向きもあるが、実態は政治と金の癒着が激しく、一筋縄では行かない。

  • 2002年だけど絶対おもろいわ

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