日本の江戸時代―舞台に上がった百姓たち (刀水歴史全書)

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  • 刀水書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887082335

作品紹介・あらすじ

武士は土地を失なってサラリーマン。百姓は土地を私有し、売買し、商売の資本にもした。E.H.ノーマン以来の江戸封建論、農民窮乏論をくつがえし、百姓の活躍する江戸近代史論。

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  • 検地は百姓の土地私有の確認。武士は土地を失なってサラリーマン。百姓は土地を私有し、売買し、商売の資本にもした。E.H.ノーマン以来の江戸封建論、農民窮乏論をくつがえし、百姓の活躍する江戸近代史論。(1999年刊)
    ・時代を創った百姓
    ・序論 江戸時代を考える視点
    ・第一部 時代転換の契機ー金銀山と田畑の開発
    ・第二部 領有から私有へー検地・五公・定免
    ・第三部 変化する幕府法令ー「御触書」と「御触書集成」
    ・第四部 近代の創造ー民衆の自由と生産
    ・終わりにーわたしの江戸時代観

    読んでいて、自分の既成概念が打ち壊されていくのが感じられた。文体も、人文書にしては読み易い。
    果たして、学会ではどの様に評価されているのだろうか、気になるところである。
    第一部では、佐渡の事例を紹介しつつ、農村の構造の変化を論じている。佐渡の金山が開発されたことにより、佐渡には巨大な消費地が誕生する。炭・薪や鉱山で使用する支柱用の材木や、4、5万人の人たちの生活用品などは、島外からの輸入により賄われたが、幕府では陸揚げ商品の10分の1を色役として納付させ、それをせりにかけて大きな収入を得たというp27。
    鉱山町の繁栄は、他国の村にも影響する。米やタバコや麻が売れることにより、村の購買力が高まる。やがて村では、売れる価値のある作物を作るようになる。
    第二部では、検地について論じているが、検地により土地が財産とされたとする。検地帳の記載と、現地の実情には、面積や収穫量にかなり差があり、土地の生産力をあらわしたものではなかったとする。検地帳の収穫高により年貢を納めるものの、百姓間の取引は、実収高(刈高制)により行われ、小作人と地主は収穫高を折半したとする。(著者は、これが5公5民とされたと推定)年貢は、地主の取り分の中から収められたため、江戸時代の小作人の負担は、通説ほどではなかったとしている。(古老からの聞き取りにより、明治中期からの耕地調査により、刈高制と検地帳の落差がなくなり小作料の負担が増加した)

    搾取される農民という視点から一歩進んだ内容となっており、説得力を感じた。

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著者プロフィール

1962年5月4日大阪府枚方市生まれ。近畿大学法学部卒業。大学在学中の1983年小池一夫劇画村塾(神戸校)に第一期生として入学。翌1984年、『ミスターカワード』(『コミック劇画村塾』掲載)で漫画家デビュー。1986年開始の『ドクター秩父山』(『コミック劇画村塾』連載)がアニメ化されるなどの人気を得る。大学卒業後はおもちゃ会社に就職。パロディを主に題材とした同人誌も創作。著書に『田中圭一の「ペンと箸」』(小学館)、『うつヌケ~うつトンネルを抜けた人たち』(KADOKAWA)などがある。

「2021年 『若ゲのいたり 2 ゲームクリエイターの青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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